17番の日記...17番

 

 

高校球児にとっての明治神宮大会 - 2003年11月17日(月)

明治神宮大会決勝戦を観に行った。大学の部は東亜大対神奈川大、高校の部は愛工大名電対大阪桐蔭。今年の学生野球を締めくくる決勝戦となった。

大学の部は東亜大が接戦をものにし、2度目の優勝を飾った。今年の大学野球は地方大学の躍進が目立った。春の全日本大学野球選手権では日本文理大学が優勝し、地方大学でも日本一になれるということを改めて証明した。

高校の部では愛工大名電が土壇場の9回に追いつき、延長10回に逆転。愛知県勢では初の神宮大会優勝を飾った。今年春夏と甲子園のマウンドを経験したエース丸山が好リリーフを見せ、打っても9回に驚異的な粘りを見せその勢いのまま延長に逆転。見事高校日本一に輝いた。ここ5年間、神宮大会で東海代表校が3度優勝しており、東海地方のレベルの高さを証明している。しかし不思議と「本番」である甲子園ではなかなか結果を出せない東海勢。4年前に優勝した四日市工業、去年優勝した中京高校共に春のセンバツでは力を出し切れず敗れ、夏の甲子園では、共に県予選で敗退。愛工大名電にはこのジンクスを打ち破ってもらいたい。

大学と高校では明らかにこの大会の意味合いが違ってくる。大学はこの一年間、各地方でリーグ戦を戦い抜き、チームとして成熟し、そして今大会に臨んでくる。一方、高校は夏に3年生が引退し、新チームとなってまだ3ヶ月程度のチームで地方予選を戦い、その中で勝ち上がり、今大会に臨んでいる。チームの完成度という点では大学より高校の方が明らかに劣る。

高校生にとって、神宮大会ははたしてどういった位置付けなのか。春のセンバツを占う大会という声もあるが、わざわざ平日に学校を休ませて、出場させるだけの意味はあるのだろうか。日本球界において、大学野球の聖地は神宮、高校野球の聖地は甲子園と認知されている。僕には大学日本一を決める大会に、高校の部を強引にねじ込んだようにしか見えないのである。

大学日本一を決める大会は年2回。高校日本一を決める大会も年2回(国体は甲子園ベスト8のチームしか出場しないので省く)。これで十分ではないか。わざわざ時期的に完成度の低いチームを集めて高校日本一を競わせる意味はないと思う。神宮大会は大学野球をやる者にとっては最後の大会になるため、モチベーションは高い。高校野球をやる者にとっては、まだまだこれからという気持ちで臨んでいるためモチベーションはそれほど高くない。そんな対極した気持ちを備えた両者を同じ大会に出場させるのは明らかにおかしくないだろうか。

愛工大名電の選手達が優勝を決めた瞬間、喜びを爆発しきれない選手達の姿があった。一方、東亜大の選手達は「大学日本一」の名を十分に噛み締めている姿があった。この両者の姿が、現在の明治神宮大会の在り方を物語っている。




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