2003六大学リーグ戦を終えて - 2003年11月05日(水) 気が付けばもう11月。浦和レッズ初タイトル、全日本大学駅伝で東海大初優勝、好調日本女子バレー、競馬の天皇賞、長嶋ジャパン始動などなど、「スポーツの秋」真っ盛りといった感じだ。 東京六大学秋季リーグ戦が早大の全勝優勝という形で幕を閉じた。今季の優勝で四連覇を達成した早大だが、改めてこの強さについて探ってみたい。 まずは投手陣。エース清水は大学初登板以来15連勝という記録を打ち立てた。防御率トップとなる1・32。夏場のタイヤ引きでは20メートル走を120本こなし、下半身を徹底的に鍛え直した結果、このような好記録を生んだ。二番手の越智も防御率4位となる1・85でチームの勝利に大きく貢献。そして今回、中継ぎとしてフル回転した1年生の宮本(関西)の活躍が光った。規定投球回数以下とはいえ、試合数6、打者49、投球回14、安打5、四死球3、奪三振20、自責点0、防御率0・00。中継ぎとして文句の言いようがない内容だった。 関西高校時代に甲子園を沸かせたのでご存知の方も多いと思うが、入学当初の春季リーグでの宮本の選手登録は外野手だった。もともと打撃、走塁のセンスがよく野村監督は野手として宮本を期待していた。早大の打線の柱の一人として活躍した4年の青木も宮崎・日向高校時代は投手だったが早大入学後野手に転向。野村監督は第二の青木として宮本を見込んでいた。しかし、宮本は投手への未練は拭え切れなかった。野村監督と相談した結果、秋季リーグ戦では投手として登録。この秋に宮本は結果を出せなかったら、おそらく再び野手として過ごすことになったかもしれない。宮本にとって投手としてのラストチャレンジがこの秋季リーグ戦だったのかもしれない。 大谷、井上、そして宮本。今後3年間、他大は早大投手陣に苦しめられる事だろう。 そして打撃陣。これほどまでに完成度の高い打線に成長したのはやはり昨年の経験が大きかっただろう。去年のリーグ戦でスタメンにいなかったのは投手以外では7番の米田のみで、その他の野手は全て去年のスタメンそのまま。去年も春秋連覇しているため、普通にいったら今年も連覇して当然というわけが、去年は和田という絶対的なエースがいたため確実視はされていなかった。そんな中で、清水、越智、宮本が投手陣を支え、打撃陣が奮起し、今回の連覇に至ったわけである。鳥谷は最後の慶大戦で2安打を放ち、米田を抜いて首位打者を獲得。徹底マークをされたにも関わらず獲得したというのは立派。阪神に行っても1年目から甲子園を沸かせるに違いない。あと一歩首位打者に手が届かなかった米田も素晴らしかった。スポーツ推薦組で主力を固めたこの世代で、早稲田実業から入学した米田は今年に入ってスタメンに定着。一般入部でも頑張ればレギュラーを獲得し、神宮で活躍できるということを改めて証明した。 去年のリーグ戦で、慶大・長田、法大・土居、立大・多田野という好投手を打ち崩すことができ、確たる自信を得て、今年のリーグ戦に挑んだ早大打線。結果論だが、この春秋連覇というのは当然といえば当然だった。しかし、早慶戦100周年と、4連覇がかかったこのリーグ戦では想像を越えるプレッシャーを選手は感じていたと思う。そんな中結果を出した選手達は、やはり本物だったということだ。 それにしても、早大以外の大学は不甲斐なかった。選手達は一生懸命にやっているというのはわかるが、六大学を更にもりあげるためにも、来季に向けて更なる努力を重ねてほしいと思う。 -
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