17番の日記...17番

 

 

日本シリーズ - 2003年10月28日(火)

長かった2003プロ野球が幕を閉じた。それにしても今回の日本シリーズ、楽しませていただきました。

落合博満の予想がドンピシャに的中したのにはびっくりしたが、やはり、野球にも「地の利」が存在するんだなと感じさせられたシリーズだった。まさに「ファンあってのプロ野球」だった。

王監督にとっては予定通りの優勝ではなかったか。斎藤が才能を開花し、井口、城島は完成の域に達しつつあり、松中はリーダー格となりチームの柱となった。4年前の優勝時に投打の中心だった工藤、秋山は西武からの移籍によりダイエーの中心を担っていた。それに比べ、今回のチームの中心選手はほとんどダイエー生え抜きの選手達。これを考えれば今回の優勝は前回に比べチームにとって意味深いものになったと思う。王監督が数年前に描いていたプランがものの見事にはまり、今回の優勝が実現したように感じる。

和田の強心臓にも驚かされる。去年まで六大で投げ、早慶戦などの大舞台を経験しているとはいえ日本シリーズとなると次元が違ってくる。日本一を決めた試合で勝利投手になった新人は1956年の西鉄対巨人第六戦で完投勝利を挙げた稲尾和久(西鉄)に次いで2人目だそうだ。僕が大学二年の時に神宮のバックネット裏で他大の偵察にきていた和田と偶然隣の席になったことがあるが、間近でみると体格は本当にスラッとしており、この体のどこからあんな力が出てくるのかと感じたものだ。しかし、バッターからするとこの和田もマウンドからは大きく見えるのだろう。ルックスもイケメンだし、間違いなくスター性を秘めている。これから球界を代表する投手になっていくことだろう。

一方の阪神。負けはしたが、本当に阪神は強くなった。星野監督の貢献度は計り知れないし、選手の頑張りもすごかった。地元ファンの熱狂振りも凄まじかった。もう一つ、阪神の強さの要因として挙げられるが「星野仙一という男と阪神という球団の相性の良さ」にあると思う。前に、野村克也氏が某テレビ番組で言っていたのだが、野村さんは2年間阪神の監督を務めて「このチームと自分は合わない」と悟ったという。これを「投げた」といってしまえばそれまでだが、ヤクルトを3度日本一に導いた名将が簡単にこんなセリフを吐くだろうか。当たり前の事ではあるが、監督とチームという関係上やはり相性というものが存在してしまう。野村さん曰く「阪神の選手はヤクルトの選手に比べ子供なんですよ」。阪神の選手がこれを聞いたらマジギレしそうだが、僕も何となく分かるような気がする。「個の中に集団があるチーム」が阪神で、「集団の中に個があるチーム」がヤクルトなのである。ID野球を掲げる野村さんはこの違いにとまどい、阪神をまとめ切ることができなかったのだ。しかし、星野監督は表面に押し出す情熱的な姿勢で、その「個」をうまくまとめた。そこにバランスよくベテランの金本、伊良部、下柳等を加え、阪神のチームポテンシャルを引き出したのである。星野監督と阪神というチームの相性は抜群だったわけである。

阪神が強いと日本球界は大いに盛り上がるということを改めて実証した2003年シーズン。来季はアマ球界の目玉、早大の鳥谷が阪神への入団が濃厚であり、阪神の注目度は更に増すことだろう。はたして、岡田新監督が「個」をうまくまとめ切ることができるかどうか見所である。

最後に星野監督、本当にお疲れ様でした。




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