明大対早大 - 2003年10月19日(日) 六大学野球・明大対早大第2回戦を観に行った。この試合は今季、僕が一番楽しみにしてた試合。明大2番手投手岡本対早大打線。岡本が早大に今季初黒星を献上するか、という点が一番の見所だった。 第5週終了時点で防御率1位(0.64)の明大・岡本、同2位(1.23)の早大・越智が先発。今日の早明戦、誰もが投手戦を予想した。 1回裏早大の攻撃。一番田中がライト前のヒットで出塁。続く青木が送りバントを試みるが珍しくミスし、キャッチャーフライ。1アウトランナー一塁で3番鳥谷。岡本対鳥谷。僕の一番楽しみにしていた試合の、一番楽しみにしていた対戦。岡本はMAX145キロの速球で鳥谷に勝負を挑んだ。飛んだ打球はファーストゴロ。ファーストが一塁ランナーをセカンドでアウトとし、この対戦は岡本に軍配があがった。 2アウトランナー1塁で四番の比嘉。2−2からの5球目。決め球のスライダーを左中間に運ぶ、タイムリー2塁打。一塁ランナーが生還し、岡本は先制点を許した。5番武内には四球。続く六番由田にはまたもや2−2と追い込んだ後の決め球のスライダーを叩かれ、ライト線を破る2点タイムリー2塁打。0−3とリードを広げられる。マウンド上の岡本はきちんと間を取り、落ち着いた雰囲気を感じさせるが、比嘉、由田に決め球のスライダーを狙われ、打たれたというところから、僕には相当ショックを受けているように見受けられた。8番坂本にもタイムリーを浴び、結局この回早大に4点を与えてしまう。岡本はこの回でマウンドを下りることになる。 投手戦という予想は、一回の早大の攻撃で早くも覆された。やはり、早大は岡本をよく研究していた。決め球のスライダーを狙いにいくことで一回から岡本を崩しにかかり、狙い通り打ち崩し、岡本をマウンドから引きずり下ろした。岡本の投球を楽しみにしていた僕にとっては非常に残念だったが、それ以上に早大打線の質の高さに恐れ入った。 二回の早大の攻撃でも4点を追加し、この回が終わって0−8。まだ回が浅いとはいえ、勝負が決まってしまった形となった。早大は越智が五回を被安打4、四死球3、奪三振4と好投。リリーフした宮本も四回を被安打3、四死球0、奪三振5と素晴らしいピッチングを披露。明大打線は最後まで早大投手陣を攻略することができなかった。結局試合の方は1−10と早大が大勝した。 しかしこの試合、五回にハイレベルな対戦が繰り広げられた。この回のみに登板した一場と鳥谷との対戦。一場は殺気にも近い闘争心を剥き出しにし、鳥谷に勝負を挑んだ。初球は変化球で入ったが、二球目149キロ、三球目151キロ、四球目152キロ、五球目153キロ、六球目は最速の154キロをマーク。150キロ台がマークされる度に神宮のスタンドはどよめいた。鳥谷はセンターフライに倒れ、一場が勝負に勝った形となった。鳥谷がベンチに戻ってくる時に半笑いをしていたのが印象的だった。今季、数多くの投手が鳥谷との真っ向勝負を避けてきたが、一場はこれでもか、という位に真っ向から勝負を挑んだ。勝負を挑んでくれた喜びと勝負に負けた悔しさが、その半笑いの中に含まれていたように感じられた。 -
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