「いつもにこにこ・みけんにしわなし」
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2000年12月26日(火) |
しんじるこころ。(その1) |
ただいまーとモックンが帰ってきた。
なんだか暗い顔。 どうしたのか聞くと、今まで一緒に遊んでいたレー君にいじわるされたそう。 凧で遊んでたんだけど、僕には少しだけしか貸してくれなかった。 いつもシューちゃんには貸すくせに、僕には貸さない。 レー君は意地悪い。
うー。 どっちもどっちだと思うけど。 レー君は、確かにモックンに意地悪いときあるけど、 かまって欲しいときにしてるのを母たちは知ってる。 お互い様だよ。
「それでな、ボクの双眼鏡のキャップをどぶに捨てたった。」 「えっ?」 「ボクからとって、へへーっ!捨てたるぅって捨てたった。」
またか! レー君はドブにモックンの大事なものをこれまでにも捨てている。 貸してもらいたいのに貸してもらえなかったおもちゃとか、 遊んで欲しいときに、モックンが熱中してたカードとか、 あーあ、こりゃ取れんわとか、元に戻せんわな状態にしてしまうことが再々あった。
「ほんとに?!」 「うん。」 「謝ったの?レー君」 「へへーって逃げてった。」
だぁ〜。 またいつものパターンだぁ。 こういう時、レー君の母と私はレー君が謝らないのにキレて、叱る。 ちなみにこの母たちは、どっちの子も我が子のようにガミガミ叱る母だ。
たまたま今日はレー君母不在である。 私はモックンを連れてレー君宅に怒鳴り込みに行った。
「レー君、あんた、謝ることない?」 「ない。」 「覚えてない?」 「ない。」 「また溝に落としたものない?」 「・・・・・・。」 「モックンがな、レー君が双眼鏡のキャップ捨てたっていってるけど、知らん?」 「ぼくちゃう!」 「ほんまかっ」 母、すでにド叱りモードである。 「ほんまやなっ?」 「しーてーなーいーっ!」 「ほな、おかーちゃん、れーのこと信じるわ。」 信じてない口ぶりである。 「してへんな?ほんまやな?おかーちゃんしんじてええなっ?」 畳み掛けて、「ごめんなさい」を言わす作戦である。 るすばんのおばーちゃまも、 「また、れーがわるさしたんか?」 「してないーーっ」 半泣きのレー君。
母、気がつく。ほんとにしたなら、コイツは泣かん。 「・・・・ほんまにしてない?」 「ぼくちゃうー・・・・・。」
ここで、おばーちゃまに連れてこられていた 小学生のいとこのおねーちゃんが、衝撃の証言。 「れー、すててへんで、おばちゃん。」 しまったー! 「落ちたの、拾って投げたけどな、モックンひろとった。」 あちゃーー!
レー君に向き直る。 「ごめん。おかーちゃん、レーのこと信じれやんだぁ。 あんた、何べんもこんなことするから、 またやったなー!今度という今度は、どかんと叱ったらないかーん!て思ってしもた。」 「・・うん・・。」 「ごめん。ごめんな。」 「うん。」
おばーちゃまに向き直る。 「すみません。いつものことなんで、つい、またかと思ってしまって。 すみません。」 「いえいえ、いつものことですからねえ。」
うへー。わたし、やってもうたなぁ。 ドアを開けたとこに、モックンが立ってる。 「モックン、レーやってないって言ってるけど。」 「ボクが落としたん・・・。」
「えーーーーーーーっ!」
「ほんと????」 「うん。ポロって落ちたん。」
怒り炸裂。 ゲンコパーンチ! 「なんでもっとはよいわん!」 「うえーーーーーん!」 「来いっ!」
再びーレー君宅のドアを開ける。 「レー、ごめん。モックンがあやまらなアカンことがあるねん。」 「なにぃ?」 モックン、もうぼろぼろ泣きである。 「ぼ、ぼ、ぼくが、うそ、うそついてた、 ご、ごごめんなさい〜ぃ、うお〜ん、おん、おんおう〜・・」 「ごめんな。モックン、おかーちゃんに叱られると思って、ウソついてんて。 おかーちゃん、モックンを信じて、レーを信じれやんだ。 ほんまにごめん。 ごめんな。」 親子二人で45°になってレー君に謝る。 本気で5歳の男の子に謝った。
常習犯のレー君の仕業と決め付けた。 あー、もう、私、最低。
「いいよ」 濡れ衣が晴れて、レー君笑ってくれた。 「モックンばいばーい、まったねー!」
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