「いつもにこにこ・みけんにしわなし」
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朝、子供たちが目を覚ましてみると、 ツリーの下にクリスマスプレゼントが! 大喜びで包みを開ける。
「よかったね、サ、朝ご飯食べよ」といったとたんに、雲行きが怪しくなった。
まず、ミー。 「おかーちゃ〜ん、今日は保育園あるの〜」 「あるよ〜。」 「ミー、なんかおなかが痛いなー。」 ウソや。 「そんなこというてないで、早くご飯食べて早く着替えたら、行く前にいっぱい遊べるやろ。」 観念して、着替えをとりに行った。
あれ?モックン? 「あーたーまーいたーい〜。」 こいつもか。 と、はじめ疑った。
んー。でもちょっと、なんかへん。 いつもの顔つきと違う気がする。 熱ない。 偏頭痛かな? 最近ちょっと多いなぁ、偏頭痛。 脳外科系の病気じゃなかったらいいけどなぁ。
その内吐き気がきたらしい。 頭は痛いが話はできる。 意識もある。ろれってない。 でも子供の病気はいつだって急転する。 保育園はおやすみだ。
はしゃいでいるミーの横で小児科に予約の電話をする。 月曜だから、混んでるだろうな。 案の定。まだ診察の始まる前から、もう夕方6時までいっぱい。
6時の予約をして、 様子を見る。 二度吐いて、たっぷり寝て、少し機嫌がよくなってから病院に連れて行く。
もちろん3人とも連れて行く。
小児科の待合室には、できれば健康な子供を連れて行きたくはない。 だけど、核家族ではしかたがない。 元気なミーとマルはここで1時間ウイルスにさらされる。
モックンは、病院に着いたとたん熱が上がり始めた。 38度を越えた。 暖かくしてやったら、待合室のソファーで眠ってしまった。
ミーと、マルは絶好調である。 退屈されてぐずられたら、おにーちゃんの診察どころではなくなるので、 母も相手をする。
絵本を読んで、手遊びをして、 そのうち、床でイモムシごーろごろをし始めた。 うわああ。それはやめてくれー! では今度はおかーちゃんのぼり。 背中を登っては、ずずずゥう〜と、肩から前を滑ってゆく。 周りのおかーさん、おとーさん、おばーちゃんがたは目が点だ。 床にひっくり返して、くすぐる。手も足も使ってくすぐる。 ひざに乗せて、動く抱っこロボもする。ひざから転げ落ちる。 靴下を引っ張って、脱がして得意げなマル。 かたっぽは簡単に脱げへんように、ふんばったった。 ぬぬぬぬーって力の入ったとこで、浮かす。 ごろーん。「うきゃきゃきゃきゃ!」
ミーとマルの相手をして、 モックンを励まして、 ふと、気がつく。
私って、ちょっとまわりのおかーさんたちと毛色が違う。
どこが違うのかなぁって考えてたら、 向かいに座った先輩おかーさんと目があった。 にこっと笑いかけたら、 「たいへんねぇ。」と声をかけられた。 「はははー。」 「でも、あなた、楽しそうねぇ。」
は。
婦長さんが、待合室に入ってきた。 見つけるなり、 「いやあ、あんた、ひさしぶりやないの。おにーちゃん?」 「はい、やられましたー。」マルを逆さづりにして、背中には、コアラのごとくミーが張り付いている。 「あんたなぁ。いつもようやってるわ。がんばりや。」
たのしそうで、がんばってんだろか。 おかーさんてたのしそうにがんばらないんだろか。
さっき感じた違和感は、 自分がおかーさんらしくないからだろうか。 子供と一緒にあほなことを思いついて、 あほやなぁと思いながら遊んでた。
子供から見たらおかーさんだけど、 おかーさんだけじゃないじゃない。私。 おかーさんぶったって、おかーさんじゃないとこの方が強かったら、 子供って私のことどう思うんだろう。
モックンが呼ばれた。 診察室に入って、症状を説明する。 ウイルス性の感冒性胃腸炎という診断。
偏頭痛の話もする。 「うーん、CTをとってみるってこともできるけど、 お母さんの観察からすると、体質的なものじゃないかなぁ。 経過をもうしばらく様子見てからでいいと思いますねぇ。」 「じゃ、センセ、もうしばらく観察ですね。」 「そうですね。おかあさん、観察得意だから。ははは。」
あー。
子育てが好きっていうか、 実験と観察が好きなのかも。私。 今回は、対象が、子供さんだってことで。 それで、3人はどうしても欲しかったのかも。 比較検討したり、 「社会」が兄弟間でできていくのが見たかった。 へんなおかーさんかもしれない。 (なにをいまさら。)
うちに帰ったモックンは、 タマゴのおかゆをおいしそうに食べて、 機嫌よくクリスマスプレゼントの双眼鏡を持って布団に入った。
ミーとマルが寝る前に、 おかーちゃん、寝てしまった。
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