「いつもにこにこ・みけんにしわなし」
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2000年12月05日(火) トンビ

いい天気なので布団を干す。
ベランダの手すりによっこいしょ、と布団をかけて目を上げたら、大きな鳥が2羽飛んでいるのが目に入った。

一羽は大きさからして(トンビだな)とすぐ思った。
羽ばたかずに悠々と舞っている。
その鳥に寄り添うようにカラスより少し大きいくらいの鳥がばたばた羽ばたきながら飛んでいる。

はじめ、ああ、トンビがカラスをいじめてる?と思った。
でも、2羽は付かず離れず、後先になりながら飛んでいる。
トンビの親子?

遠くて尾羽の形が見えないけれど、たぶんそうだろう。
親鳥が幼鳥といっしょに飛んでるんだ。

飛び方のまだうまくない子供のそばを、親鳥が羽を広げて輪を描く。
あの辺に風の流れがあるんだろう、
親鳥が羽を広げたまま動かずに気流に乗ろうとする。
子供が必死に羽ばたくが、ついていけない。
親鳥は翼の先だけをかすかに動かして、
位置を変え、子供の前を飛ぶ。

急にぐん!と風の流れに突き上げられて、子供の体が跳ね上がる。
ばたつく子供のすぐ横に、親鳥が止まっているように羽を動かさずに浮いている。
風の流れが右に左に流れるたびに、子供は逆らえずにふられている。

親鳥は、ただ、子供のそばに羽を広げて浮かんでいる
同じように、風の流れに乗りながら、
子供の飛びようを見ている。


ああ、すごいおかあさんだ。

わたし、「どーしてちゃんとできないのっ!」って、怒鳴ってるよ。
できないからできないのに。
「そんなこともできないの?」って、見下ろしていってるよ。
「はやくしなさいっ!」って、ちっとも待とうとしないよ。
そのくせ、「もういいから貸しなさい!」とかいって、
一生懸命、子供なりにがんばってるのに、
イライラして横から取り上げちゃったりしてるよ。


子供って、面倒だ。
できないことだらけなのに、できたつもりでえらそうで。
でも、それを頭ごなしに怒鳴りつけるのと、
トンビのお母さんみたいに、
同じ高さまで降りてきて、待ってやるのと、
どっちが、「自分で考えることのできる人」になる?

間違って、ぶつかって、痛い目見て、わかることって大事だ。
怪我させないように大切に守って育てるより、親の根性が試される。
私にはそれだけの根性があるかなぁ。


2羽の鳥は私の頭の上を気流に乗っていった。
2羽とも尾羽が三味線のばちの形をしていた。
やっぱり、親子のトンビだったんだね。

朝からありがとうございました。
勉強になりました。


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