「いつもにこにこ・みけんにしわなし」
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うちの近所に、とってもおいしいパン屋さんがある。 旦那さんが、銀座で修行の後、奥さんの実家のあるこの町でパン屋さんを始めたのが3年前。 以来ほぼ毎日のお付き合いである。 うちから大人の足で歩いて5分ほどなのだが、 これが遠い。
「マル、パン買いに行こっか?」 「パンパン!?ヤーイ!ッコ!ッコ!」 と張り切って彼女は玄関に行く。 「自転車で行こうか?」 「チインチイン、ヤッ!」 「じゃ、歩いていく?」 「ヤッ!ブゥンブゥン!!」 「えー、車〜?」 「ブゥンブゥンデ、クノッ!」 「車で行くのっ!たって、すぐそこだよー?」 「クーノォゥーッ!」(みけんにしわ)
かーちゃん、折れる。 車のドアを開けてチャイルドシートにお通しする。 「・・・・・ヤッ!ブゥンブゥン!ヤッ!」 チャイルドシートがお気に召さなかったらしい。 「なによお。」 「ケクケク!」 「けく?テクテク?歩いていくの?」 「ケクケクデ、クノーッ!」 もう一度自転車を提案する。 「チリンチリンで行かない?」 「ヤッ!ケクケク!パンパン、クノッ!」
では、行こう。歩いて。 ご機嫌である。歩くというより、はね歩いている。 角を曲がって、いつものポイント。 「ワンワン!!」 アイリッシュセッターにご挨拶。いつもここで鼻などなめられる。 ところが、今日はイヌの機嫌が悪くほえつかれてしまった。 「ぎゃああぁあああああん!カーカン!ガッコ!」
10キロを左手で抱き上げて、歩いていく。 5メートルも行かないうちに降ろせ!と暴れ始めたので、地面に降ろしてやる。 が、歩きたいわけではないらしい。 「カーカン、ブ〜リャブ〜リャ!」 持ち上げてブ〜ラブ〜ラしてくれといってるのだ。 はいはい。両手をつかんで、ブラブラさせながら公園まで歩く。
公園のブランコに誰も乗ってない!(そりゃそうだ、こんな時間だもの) 「ブリャブリャ、ノユッ!」 ここでブランコ乗られたら、焼きたてのバゲットが売切れてしまう。 「あとで、帰りにねー。」 暴れるマルを横抱きにして道を急ぐ。
「ケクケクー!」で、降ろすと田んぼ道を走り始めた。 お、お、落ちる、落ちる!たんぼに! 腕を捕まえようとしたら、 「オー!」と叫んでしゃがみこんだ。 「?」あ。田んぼにかえるがいる。 「ケロケロー!」 自転車で来てたら、今ごろ、もう帰れてたのにな。
やっとのことでパン屋に到着。 大きな袋を二つ。 「アイッ」 「持つの?」 「チョーアイッ」 「ちゃんと持てる?」 「ウンッ」 持ったままはね歩く。はらはらはら。 何が心配って、パンが〜。
帰りに公園でお約束のブランコ。 「もういい?」 「ヤッ!ブリャブリャ!」 そんなに漕いで、気分悪くならないのかなぁ。 「おなかすいてない?」 「!パンパン、タビゥー!」 「(やた!帰れる!)おうちで食べようねぇー。」 「ガッコ!」
また10キロのマルを左手で抱き上げ、 右手でパンの袋を持ち、うちまで帰る。
11時にうちを出て、帰ったら1時。 片道1時間の、遠いパン屋さんで買って来た おいしいパンを食べながら、 マル、こっくりこっくり。 そのまま、そうっとお昼寝。
さて。コーヒーでも飲も。ツカレタ。
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