「いつもにこにこ・みけんにしわなし」
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2000年12月04日(月) 遠いパン屋。

うちの近所に、とってもおいしいパン屋さんがある。
旦那さんが、銀座で修行の後、奥さんの実家のあるこの町でパン屋さんを始めたのが3年前。
以来ほぼ毎日のお付き合いである。
うちから大人の足で歩いて5分ほどなのだが、
これが遠い。

「マル、パン買いに行こっか?」
「パンパン!?ヤーイ!ッコ!ッコ!」
と張り切って彼女は玄関に行く。
「自転車で行こうか?」
「チインチイン、ヤッ!」
「じゃ、歩いていく?」
「ヤッ!ブゥンブゥン!!」
「えー、車〜?」
「ブゥンブゥンデ、クノッ!」
「車で行くのっ!たって、すぐそこだよー?」
「クーノォゥーッ!」(みけんにしわ)

かーちゃん、折れる。
車のドアを開けてチャイルドシートにお通しする。
「・・・・・ヤッ!ブゥンブゥン!ヤッ!」
チャイルドシートがお気に召さなかったらしい。
「なによお。」
「ケクケク!」
「けく?テクテク?歩いていくの?」
「ケクケクデ、クノーッ!」
もう一度自転車を提案する。
「チリンチリンで行かない?」
「ヤッ!ケクケク!パンパン、クノッ!」

では、行こう。歩いて。
ご機嫌である。歩くというより、はね歩いている。
角を曲がって、いつものポイント。
「ワンワン!!」
アイリッシュセッターにご挨拶。いつもここで鼻などなめられる。
ところが、今日はイヌの機嫌が悪くほえつかれてしまった。
「ぎゃああぁあああああん!カーカン!ガッコ!」

10キロを左手で抱き上げて、歩いていく。
5メートルも行かないうちに降ろせ!と暴れ始めたので、地面に降ろしてやる。
が、歩きたいわけではないらしい。
「カーカン、ブ〜リャブ〜リャ!」
持ち上げてブ〜ラブ〜ラしてくれといってるのだ。
はいはい。両手をつかんで、ブラブラさせながら公園まで歩く。

公園のブランコに誰も乗ってない!(そりゃそうだ、こんな時間だもの)
「ブリャブリャ、ノユッ!」
ここでブランコ乗られたら、焼きたてのバゲットが売切れてしまう。
「あとで、帰りにねー。」
暴れるマルを横抱きにして道を急ぐ。

「ケクケクー!」で、降ろすと田んぼ道を走り始めた。
お、お、落ちる、落ちる!たんぼに!
腕を捕まえようとしたら、
「オー!」と叫んでしゃがみこんだ。
「?」あ。田んぼにかえるがいる。
「ケロケロー!」
自転車で来てたら、今ごろ、もう帰れてたのにな。

やっとのことでパン屋に到着。
大きな袋を二つ。
「アイッ」
「持つの?」
「チョーアイッ」
「ちゃんと持てる?」
「ウンッ」
持ったままはね歩く。はらはらはら。
何が心配って、パンが〜。

帰りに公園でお約束のブランコ。
「もういい?」
「ヤッ!ブリャブリャ!」
そんなに漕いで、気分悪くならないのかなぁ。
「おなかすいてない?」
「!パンパン、タビゥー!」
「(やた!帰れる!)おうちで食べようねぇー。」
「ガッコ!」

また10キロのマルを左手で抱き上げ、
右手でパンの袋を持ち、うちまで帰る。

11時にうちを出て、帰ったら1時。
片道1時間の、遠いパン屋さんで買って来た
おいしいパンを食べながら、
マル、こっくりこっくり。
そのまま、そうっとお昼寝。

さて。コーヒーでも飲も。ツカレタ。


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