川底を流れる小石のように。  〜番外編〜  海老蔵への道!
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2005年04月03日(日) 華のお江戸の歌舞伎座の・・・。

 いよいよ4月。
 当初の観劇予定日(明後日だ)まで、指折り数えて待っていたのだが、
 待ち遠しすぎて辛抱たまらず、本日昼の部のみ三階にて観劇。

 いや〜楽しかった!
 先月、何故か今ひとつ盛り上がれなかった私には、
 ようやくカンザブ祭りが始まったような気分。

 一番印象深かった、娘道成寺。
 勘三郎の踊りは凄かった。
 なんというか、空間を支配してしまう生々しさが強烈で、
 踊りを見ていると言う気分ではなく、
 私まで鐘の披露の境内にいるような、不思議な錯覚。
 ぐいーっと引きこまれて、見入ってしまった。

 大竹しのぶさんと仲良しなのがうなずけるかんじというか、
 似たような空気の作りかた、リアルさ、魅力かなと思う。
 存在感のある女っぷりだ。

 所化のきいたか坊主には、海老蔵も登場。
 芝翫さんはじめ、大勢の先輩達と並んでじっと座る海老坊主。
 お隣には勘太郎坊主。
 花道を登場する勘三郎白拍子花子。
 ここで所化は、目線はじっと動かさず、見ているけれど見ていない、
 あの独特の行儀の良さが必要とされるのだろうけれど、
 海老も勘太郎も、じいーーーっと花道の花子に見入っていた。
 2人だけ見ちゃってるから三階からは(花道もあまり見えないし)、
 とても目立つのだが、
 何か学ぼう掴もうとしてるのかなあ、見ずにはいられないんだろうなあ、
 と思うと微笑ましい。

 普段の道成寺では、花子は蛇の化身である正体をあらわし、
 釣り鐘にのぼって、見得で幕〜となるのだが、
 今回は珍しい「押し戻し」というのが付く。
 ここでいよいよ團パパの登場!
 揚げ幕の内から、パパの声が聞こえたとき、
 私、思いがけずパラパラと涙がこぼれて、ビックリ焦った。
 もう復帰してからパリ・京都・新橋と何度もパパの舞台は見てたから、
 そんな気持ちになろうとは予想していなかったのに。。。
 なんかねえ、嬉しかったなあ。
 華のお江戸の歌舞伎座には、やっぱり團十郎がいてくれなくちゃ!
 こうでなくっちゃ!という気分。

 忘れもしない昨年の5月9日夜の部、
 割れんばかりの拍手と、そこここで響いてる大向こうさんの「成田屋〜!」の声、
 大盛り上がりの劇場で、
 観客に押されるように花道を六方で消えたパパの背中。
 いつもより小さく見えた背中を見送って、
 あれから休演、病気の知らせを聞いて、不安で悲しかった期間のこと思い出した。
 あの時のパパが消えた揚げ幕の向こうと、
 今日の揚げ幕の向こうがつながってるみたいで、
 そこから、待ち遠しかった強いでっかいヒーローが帰ってきてくれたみたいで、
 本当に嬉しかった。
 ミーハー海老ファンのつもりが、成田屋オババに一歩進化したのか、オレ。


 そんなこんなで、いやあ満足。
 取り急ぎ、熱い気持ちがホカホカしてるうちに、これだけ書きたかった。

 これから、花は咲いてないけど花見〜!
 花より団子になりそうだけど、花見に行って来る。

 残りの感想は、また!



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