川底を流れる小石のように。 〜番外編〜 海老蔵への道!
もくじを見てみる|ひとつ前|現在に近づいて|プチ画像日記
2004年06月05日(土) |
六月大歌舞伎 昼の部 |
私の家族総成田屋計画は、未だに少しずつコツコツと実行されており、 今日は母と昼の部観劇。
さすがに今回は、留守番の父が渋ったので、 母は朝一の新幹線でやってきて、日帰り観劇を決行。 結局、彼女は一月の新之助最後の舞台も、五月六月の昼夜もすべてみる事になり、 それだけ聞けば立派なファンといえそうだ。 けれども概ね淡々と観ることの多い人なので、 感激うるうる観劇の私とは対照的。
外郎売りも寺子屋も、さすがに豪華ねえとサクッと鑑賞する母。 口上。 初日は海老蔵の事が気になって、ピンポイント観察重視だったので、 今日は押さえ気味にじっくりみようと思う。 仁左衛門さん、 今月は海老蔵さんと一緒の舞台はありませんが、来月は松竹座で勧進帳をご一緒します。 海老蔵さんが弁慶、私が富樫をつとめさせていただきますので、 皆様も是非大阪まで、足をお運びいただけますよう。 私も海老蔵さんの富樫に負けない富樫になるよう頑張りたいと思います。 などと、あの品の良い優しい笑顔でおっしゃるので、 客席はまぁ〜と笑顔。 片岡秀太郎さん、 おじいさまの海老様が大好きでしたが、新海老蔵さんも素敵で大好きです。 というような、初日とは違った感じで、 上方の女方さんらしい、はんなりと優しい華やかな口上で、ほう〜っとなった。 吉右衛門さん、 新海老蔵も父・団十郎の休演でさぞ心細い思いをしていることと思いますが、 是非皆様方、末永くご贔屓くださいますようお願い申し上げます。だったか。 左団次さんの口上に関しては、こんなエピソードがあったらしく(5月の2をご覧ください)、 パリでは是非パリジェンヌとも浮き名をながしていただきたい、だったかな。 梅玉さんのコメントもありがたい。 勘九郎さん、 彼は気は優しくて力持ち、一月に共演したおり、冷えて困るともらしたら、 三時間後には楽屋に「冷えは体にわるいっす 孝俊」というメモと一緒に、 靴下が届いていた。 相撲では負けないと思っていた私を負かし、 くやしいのでもう一度とったが、先輩の私を生意気にもねまた投げ飛ばした。 生意気といいますが、この言葉、私は嫌いではありません。 イキが良くて生な海老蔵が、ピンピンと跳ねることを願っています。 玉三郎さん、 言葉を1つ1つ選んで噛みしめるように、 兄のようにというか、母のように話しておられて、 気持ちが伝わる、いい口上だった。 記憶に残っているのは、こんな感じだけれど(間違いがあったらすみません) 豪華で華やかな顔ぶれで、こんな風にそれぞれに言葉をもらって、 やっぱりジーンとくるのであった。 海老蔵の口上は短めだが、力強く、 ニラミは、ますます研ぎすまされてきている。
またもやウルウルしている私を笑いつつも、 海老蔵さん、さらに男らしくなったわねえーと感慨深げな母。
とはいえ、母は、私はやっぱり菊ちゃんが一番だわー!などと言いだし、 えー?そうなの?と娘を驚かせる。 あげくには、音羽屋さんの後援会にはいっちゃおうかしら〜とまで言うので、 笑うしかない。 家族成田屋計画は、路線変更して家族歌舞伎化計画にせざるを得ない感じだが、 まあそれもいいだろう。 じゃあさ、御園座は菊ちゃん揚巻やるって噂だし、一緒に名古屋に行く? みそかつだよーういろうだよーと言うと、「まさか私は〜」と渋い顔。 最初は案外渋い顔をして、結局のってしまうのが母なので、 ひょっとすると名古屋遠征、一緒に行くかも? そんな会話も楽しい幕間。
鏡獅子。 これはねえ・・・。 近くで見ると、やっぱり海老蔵はでっかい。 きれいなんだけど、女性にはあんまり見えないというか。 それでも、初日よりは堅さがとれて、柔らかくなっていた。 踊りだから眠くなっちゃうかもよ?と母に言っておいたが、 平気、私踊り好きだもんとのこと。意外。 ちゃんと楽しんでいた様子。 海老蔵が懸命にきちっと踊っている姿は、けなげであった。 残念だったのは、この日、胡蝶の児太郎ちゃんが 気がせくのか、早くなりがちだったこと。 隼人君がどうしていいか、困ってるように見えた。 初日はそろってたのになあ。
獅子の精になってからは、やっぱり海老蔵はこっちだろうと思う。 気のせいか初日よりは勢いをセーブしているように思えたが、 その分余裕も出たようで、安心して見ていられるかんじ。 客席も大喜びだ。
興奮も冷めぬまま、母を東京駅まで見送る。 今日は口上も、かなり巻きが入っていたようで、役者さん達、早口だったなあと思ったが、 終演も早かったみたいで、3:55には東京駅にいた。 父へのお土産は、こないだ食べて美味しかった佃宝の小柱の佃煮と、もちろんあんず大福。 なので大丸デパ地下をとりやめて、一本早い新幹線で帰ることに。 出発ぎりぎりまで、ベンチで筋書を眺めながら、あーだこーだ言い合う。 そんなに菊ちゃんが好きなら、夜の部の吉野山、きっといいよ〜と予告宣伝。 母はまた夜の部を観に、月末にもくる予定なのだ。 今度は父も一緒だから、大いばりで来られるね。 楽しみにしているね。
翌日、日曜。 公園を散歩中の両親から電話。 実家の近くに大きな公園があり、そこを散歩するのが日課なのだが、 天気が良くて気持ちがいいと、電話がかかってくる。 父も助六を相当楽しみにしているようで、母に手渡ししたチケットのお礼。 母は、 「私、おとうさんにオマエはピントがずれてるって笑われたけど、 昨夜、獅子の精の夢見たのよ〜。 やっぱり海老ちゃん凄かったわね〜。よかったわ〜」だって。 散々、ちょっとしか出てなかった菊ちゃんの事ばかりほめてたくせに、 何を今更、と笑ってしまう。
私は私で、海老蔵の鏡獅子、あれはどうなんだろ?と 家にある、菊五郎のと勘九郎の鏡獅子のDVDを鑑賞。 三人の鏡獅子を比べてみた。 うーん、なるほど。 踊りというのは、こんな風に持ち味が出るものなのか。 九代目団十郎が作った踊りということで、 長唄連中は三升の裃をつけている。 今のように洗練された形にしたのが、六代目菊五郎とのこと。 来週三階で観るときにイヤホンガイドを借りて、聞いてみるつもり。 楽しみ。
そうはいっても、一番釘付けになったのは、 菊五郎のかたわらで胡蝶を踊る、10歳の菊之助と新之助。 かわいいいーーー。 それで、なんとも仲良しなのが伝わってくる。 同じ学校で、同じ学年で、きっと一緒に胡蝶もお稽古したのかもなーというような。 それがまあ、こんなに大きく立派になっちゃって・・・。 とかなんとか、またもや親戚のおばちゃんモード。
○○追記○○ 今は毎日これを眺めてます。 やっぱり舞台の海老蔵が一番! これも出たしね!
そしてこれを読んで、またうるうる。
|