川底を流れる小石のように。  〜番外編〜  海老蔵への道!
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2004年05月25日(火) 五月大歌舞伎 千秋楽 昼の部

 とうとう千秋楽。
 昼の部は最後のお楽しみの前から二列目!
 思いがけずお友達が譲ってくれた席で観劇。
 わくわくだー。

 ロビーでふと見ると、スラリと背の高いスタイルの良い女性が。
 あ、米倉さんだ。
 びっくりはしたけれど、
 なるほど初日は夜の部、楽は昼の部か、と、そのチョイスに納得。
 気が付いた人たちは、わーとかきゃーとか、あらま!とか、そんな反応。
 トチリのあたりのセンターの席のご様子。

 三番草から、興奮してる。
 なんといっても前〜の方の席というのは、
 あらゆるものがクッキリ鮮烈に視界や気持ちに飛び込んでくる気がする。
 梅玉さん、三番草、紅葉狩り、伊勢音頭と出ずっぱりだというのに、
 涼やかな穏やかな表情で踊っていて、感謝の気持ちでいっぱいになる。

 いよいよ暫!
 権五郎がツラネを力強く言い終えると、
 突然、左団次さんが「お〜いお茶!」と大声で声をかけた。
 すると、お馴染みの茶後見の段四郎さんが、
 おーいお茶のペットボトルをうやうやしく捧げ持ち、花道を登場。
 楽のお遊び、今日はこれかーと笑ってしまう。
 客席も大喜び。
 (余談ですが、伊藤園すごいっすねー。
  祝い幕や貸し切りはもちろん、
  「おーいお茶 濃い味」のCMも流れはじめ、
  電車の車両中、海老蔵伊藤園のポスターの車両が走り、
  街角でも、よく見かけます。いつも立ち止まりそうになる。)
 
 この日、私は鎌倉権五郎に惚れ直した。
 本舞台の権五郎をこうして間近で見ると、
 りゅうとして姿勢が良く、大きく力強くて、ぱあーっとオーラを発してる。
 初日を観た友達が、ヨチヨチしてたよ・・・と心配していたけれど、
 もうそんなことはなく、
 衣装の大きさや、突飛さに全然負けない、
 全てが一体化した権五郎像になっていた。
 
 むかーしむかし、こんな風にでっかくて明るくて大らかで立派で、
 頑とした正義の味方で、ちょっと子供っぽい
 やけに強いこんな大男が、いればなあー、いてほしいなーというような、
 そんな気持ちになる。
 頼りがいのある力強いものに守られてるような安心感。
 輝いて眩しいくらいだ。
 
 荒削りだとしても、こうして役を生き生きと息づかせるような、
 何か不思議な力を持った人だなあと思う。

 紅葉狩。
 さすがにこの席では眠くならず、しっかり鑑賞。
 菊五郎さん、所作に不思議な存在感や空気をまとった人だなあと思う。
 うまく言えないが、観客をたちまち江戸前ワールドに引きこむような空気だ。
 江戸の荒くれ男から、お姫様、鬼まで、あらゆる役が出来るなんてすごい。
 目の前で見ると、扇をクルクルち自在に操り踊る様は、
 説得力がある。
 来月の海老蔵の鏡獅子の踊りのこと、ちらと考えてしまった。

 伊勢音頭。
 先日の夜の部で、情の深いおはま役を見てから、
 芝雀さんが気になりだした。
 おはまは、本当に地味なつくりだったけれど、
 三番草ではきれいだったし、
 この伊勢音頭では、色っぽいお岸役。
 月初めにアップされたこれを読んだとき、シロウトながらふーむと思うところがあった。
 伊勢音頭をよく知らずに2日に観た時、
 お岸がきれいで、今にも何かしら貢とお紺カップルの間に入って、
 事件が起きるのか?と思ってしまった私。
 それが今日は、全然そういう感じはなくて、
 某CMじゃないが、開いてるお岸と閉じてるお岸みたいな、
 体を殺すって、こういうことなのかな?と思った。
 
 仲居の万野役の芝翫さんは、あの声と開き直った台詞、あの策略ぶり、
 忘れられそうにない。
 この役、色々な人がやっているようで、
 例えば玉三郎さん、菊五郎さん、古くは歌右衛門さん、どんな万野だったのだろう。
 興味深い。
 ここで万野にはめられた貢が、何度も「様々なことを言うおなごじゃ」と困り果てて言うのだけど、
 この台詞も、今月の私のワード記録に残った。
 (他には、おっとよしよし)
 仕事でゴタゴタややこしいことになったりすると、
 心の中で「様々なことを言うおなごじゃー」と貢チックに困ってみたり。
 あはは。
 そうしてやっぱり喜助にわおー!と思ってしまったこの幕。
 いやはや。

 昼の部は、こんなに観られるとは思っていなかった。
 渡辺保さんの講演会でテンションが上がって買い足したのと、
 伊藤園とシアターガイドのおかげ。
 ありがてー。


 ○○追記○○

 ハイビジョンで放送された海老蔵特番、友達に借りてみることが出来ました。
 中でも鳥屋の揚げ幕の陰から、暫の海老蔵を見守る団十郎さんが印象的。
 どうか、はやくよくなりますように。

 夜の部はなんとか今月中に書きたいです。
 もう6月の初日は目の前!


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