川底を流れる小石のように。 〜番外編〜 海老蔵への道!
もくじを見てみる|ひとつ前|現在に近づいて|プチ画像日記
2004年02月03日(火) |
豆まき@歌舞伎座 三人吉三 |
歌舞伎座夜の部。 「三人吉三巴白波」 玉三郎、団十郎、仁左右衛門の演じるキャラの立った三人の泥棒たち。 この三人が節分の夜に出会い、物語は複雑に絡み合う。 私は火曜がお休みなので、ちょうどチケットをとっていたのだけれど、 今夜は節分! 三階席一列目。
いつもは完全に女形の玉三郎さんなので、己の男性的な部分というのは完全に殺してると思う。 一方今回の役お嬢吉三は、旅芸人の女形で姿は娘でも心は男という役。 普段は菊五郎などの立役もやる「兼ねる」役者さんの役なので、 もちろん玉三郎は初役。 どんなお嬢を見せてくれるのか楽しみだった。
黙阿弥の台詞はとにかく凄い。 ずっと七五調のリズムが続く。
玉の名台詞 「月もおぼろに白魚の、かがりもかすむ春の空、 冷てえ風もほろ酔いに、心持ちよくうかうかと、 浮かれがらすの只一羽、ねぐらに帰ぇる川端で、 棹の雫が濡れ手で粟、思いがけなく手に入る百両、 ほんに今夜は節分か、西の海より川の中、 落ちた夜鷹は厄落とし、豆沢山に一文の、銭と違って金包み、 こいつぁ春から縁起がいいわえ」 この名調子を、ほんに節分に聞けるヨロコビ! 物語はすすみ、三人の吉三のそろい踏みで序幕の大川端の場は幕。 するとスルスルともう一度幕が開き、 三人の吉三をはじめ今月の出演の三津五郎や時蔵も袴姿で登場。 団十郎の「本日は節分に当たりますので追儺(ついな)式を執り行います」の挨拶とともに、 豆まきの開始ー!
わーと三階から眺めていたら、ちゃあんと三階にも歌舞伎座の職員さん達が撒きにきてくれた。 とはいえ、後方からまくので最前列にはなかなか飛んでこない。 勢い余ったいくつかの袋の1つが、ちょうど私のとこに飛んできて、 首尾良く福豆ゲット! はっと気がつくと、一階席の豆まきもほぼ終了しており、 己の豆に走って、ちゃんと見てなかったぜと反省。
幕間にお隣の席のかわいいばあちゃんが、豆をもらえずに残念そうにしてたので、 一緒に分けてポリポリいただく。 このばあちゃん、可愛らしくて本当に喜んでくれて、 福をわけていただいたわーありがとねーと何度も言われて恐縮してしまう。
団十郎はさすがの貫禄で、兄貴ー!であったし、 久々に見られた仁左右衛門もいい男だった。 男役の玉三郎は、殺陣や立ち居振る舞い(ちょっと外股開きとか)が手探りっぽくはあったけれど、 それもホホーと見てしまう。 例えば暮れにテレビで見た、玉のお染の七役の立ち回りなんて、 きっぷのいいねえさんらしく、きっぱりと小気味よかったのに、 男役の殺陣となると勝手がちがうだろうなあ。 いずれにしても華のある三人だ。
雪の本郷火の見櫓の幕切れ。 一面真っ白の雪の中、両花道をフルに使い、この三人が追っ手に追われて立ち回り。 豪華だねえ。 江戸末期の庶民になったような気持ちでワクワクと見た。
今月は、あとは来られても多分幕見になる。 なのでずっと気になってた「伊まさと」のぼたんエビのお寿司を買ってみた。 (またしてもこの方の日記のおかげです。はい) ぼたんエビが甘くてプリプリで、もうウットリするくらい美味しい。 お弁当にしてはお高かったけど、後悔無し。(1800円!) 全部がエビって飽きたりしないかな?と思ったけど、そんなことは全然なかった。 プチ画像でご覧ください。 これを待ってる間にも、伊まさとには次々と太巻きをもとめる人がきた。 さすがは節分。 けど、ちょうどよい大きさに切ってもらうか、 切らずにそのままがいいかで揉めるご夫婦もあり、クスっとしてしまう。 かなりの太巻きではあった。 すっかり気に入ったぼたんエビ。 新之助が海老蔵になったら、エビを食べたらファンとはいえなくなるのか? そしたらこの弁当も、もう食べられなくなるのか?
○○追記○○ 今夜のことろはこのへんで。 もうちょっと観劇のほうも書きたかったのですけど。
|