川底を流れる小石のように。 〜番外編〜 海老蔵への道!
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2004年01月13日(火) |
寿 初春大歌舞伎 夜の部 その1(母へのお誕生プレゼント) |
新幹線のホームで母をピックアップ。
銀座に移動し「オストラル」でランチ。 平日だというのに満席だ。 大きな牡蠣や、ふんわりしたフォアグラや、 プリプリのホタテや、香ばしい海老や、柔らかい子羊。 シャンパンからはじまって、白ワイン、赤ワイン、とグラスでいただく。 どれも香りが良くて、料理にピッタリ! ゆっくり時間をかけて、近況報告。
最後におかんが、やっぱりビール飲みたいと言いだし、大笑い。 散々フレンチ食べて、ワイン飲んで、でも仕上げはビールなのねー! とはいえ、ソムリエが給仕してくれたビールは、 理想的な冷え方と注ぎ方で、CMに出てくるビールのような美しい泡立ち! 思わず見とれて拍手してしまう。 綺麗なデザートまで堪能し、お誕生祝い第1弾とする。
今日の宿は「ホテルモントレ銀座」。 以前「パリみたいな雰囲気のホテル」という記事を読んで、行ってみたかった。 初夢プランのパックで、スイートルームで、バスローブもついて、 ウエルカムチョコレートと、翌日12時チェックアウトなのに、お安い。 可愛い部屋で、窓からの銀座の眺めが新鮮だった。 ちょっと横になり、歌舞伎まで鋭気をやしなう。
ここから歌舞伎座までは、歩いても五分程度。 いよいよ夜の部のはじまりはじまり〜。
急遽手に入れたチケットだったので、一等席とはいえ随分後ろの方。 それでも全体を見渡せるので、まあヨシとする。 筋書、歌舞伎座掌本、イヤホンガイドを渡し、使用法説明。 観劇中にイヤホンガイドの機械をガしゃーんと落っことす人が多いのだ。 すると母は、自分のバッグにくくりつけていた。 (そして、後の幕間でお手洗いに行こうとして、こんがらがって難儀する羽目に。わはは。)
一幕目 「鎌倉三代記 絹川村閑居の場」 重厚な時代物。 長老の84歳になるという中村雀右衛門が北条時政の息女・時姫をやるというので、 どんなもんだろ?と思っていた。 だって84歳のおじいちゃんだよ。それがお姫様だよ。真っ赤な着物だよ。
それがびっくり。 雀右衛門のお姫様、本当に綺麗・・・。 なんともいえない品があって、姫の気位の高さと恋する乙女心。 黙って俯く姿だけでも、生き生きと色づいて、ほぅ〜と見とれてしまう。 歌舞伎って、ゆっくりとしたテンポの中で、 他の人が話したり、見得がきまったりしてる時は、 ひたすらジーーッと座ってたり、立ってたりする事が多いのだけど、 ただ、つっと立っているそれだけの中に、切ない姫の呼吸を感じてしまって これが歌舞伎かあー!と改めて感動。 とはいえ時代物だし、筋は複雑だし、 横の席のじいさまも後ろの席のばあさまも、 競争のごとくゲホゲホ、ゼロゼロ咳を繰り返し、 おまけにばあさんは耳が遠いらしく、大きな声で、 「長すぎるよねー。たまさぶろはまだかねー」などと言いだす始末。 オイオイ。 今日は早起きだったおかんも一瞬、寝てしまったらしい。 でも義太夫が良かったー!と喜んでた。
たっぷりフレンチのせいで、お腹がへらないので、幕間は歌舞伎座探検へ。 すると、開運の小槌の実演販売に釘付けのおかん。 小さな小槌の中に、さらに小さな小さな縁起物を次から次へと入れてゆく。 それもテレホンショッピング?とでも思うような歯切れ良い話術つき。 恵比寿様、大黒様、サイコロはどこへ転がっても必ず芽が出ますように、 カエルは出ていったお金が返る、旅に出た人が無事帰る、 六つのひょうたんは無病息災、小判、 南天の赤い実は、難転といって難を転じて福と成る、 狸は他抜、破魔矢に、だるまで七転び八起き、 これが全部入ってネジでぎゅっとしめて、ハイでき上がり。 すっかり気に入ったおかんは、これをお土産にするといって6個お買いあげ。 とっても嬉しそうだった。 おかんと私が釘付けになってると、呼び水になったのか、 開運小槌は飛ぶように売れていた。
二幕目 「京鹿子娘二人道成寺」道行きより鐘入りまで いやーこれが凄かった。 こんなの観たことなかったっす。 玉三郎と菊之助、美しい二人の白拍子花子。 全く同じ衣装であでやかに踊るおどる。 豪華な衣装が、引き抜きや差し込みで、次から次へたちまち早変わり。 玉三郎は妖艶で官能的、菊之助はあどけなく初々しく華やかで本当に綺麗。 なんというのか、みていると女心をザワザワと高ぶらせてくれて、 アドレナリンが駆けめぐるような気持ち。 ラストの鐘入りでは、二人の花子は蛇の正体をあらわし、 愛しい恋人を隠してしまった憎い鐘を、切なく狂おしく見入り、 美しく極まって幕。。。! もうその時の菊ちゃんの表情といったら!! 大きな拍手に紛れて、思わず音羽屋!と、小さくかけ声を叫んでしまった。
隣のおかんも、すっかり堪能燃焼したようで、ほう〜っとうっとり。 ねえ、どっちが良かった?どっちが好き?と聞いてみると、 意外なことに「もちろん菊ちゃん!」と即答。 きれいで可愛くて華があって・・・・と絶賛してた。 玉三郎と答えると思っていたので、へーだった。 三味線十丁のつれびきも、それは見事。 けどさ、今度はこっちかたの隣のおばちゃんがさ、 唄を一緒に口ずさむのよ。 それがまたへたっぴいで、ちょうしっぱずれ。 習い事かなにかしてるのかもしらんけど、好きなくだりなのかもしらんけど、 勘弁してほしかった。
○○追記○○
あれだけ周り中で咳してたので、よく手洗いウガイをしたつもりだったのですが、 週末には私も風邪をひいてしまいました。 遊ぶには体力も必要です。ほんとに。
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