川底を流れる小石のように。 〜番外編〜 海老蔵への道!
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2004年01月04日(日) |
寿 初春大歌舞伎 昼の部 |
今月の歌舞伎座は2日が初日だった。 さぞお正月らしい雰囲気だっただろう。 まずは、大きな門松や繭玉飾りを見上げて、あけましておめでとうございます!
入場するなり、いつも真っ先に行くのは「歌舞伎座掌本」の置いてある棚。 無料でもらえる冊子なのだけど、その月の演目のエッセイや解説、用語辞典、 そして前の月を観た読者からのお便りのコーナーもあったりで、 読むのが楽しみだった。 たっぷり置いてはあるのだけど、幕間に行くと無くなってる事もあるので、 入場したら真っ先にもらう。 今月号には、12月の新之助の感想もきっと載ってるだろう。 まあ、こういうお便りのコーナーだし、辛口の意見はそうはないだろうと思うものの、 余所の人がどんな感想を持ったのだろう?というのは気になる。 そしたら、なんと予想以上! どのお便りも、どのお便りも、新之助についてふれ、 久々の歌舞伎座を「おかえり!」と喜んだり、褒めていたり、 読んでいて嬉しくなった。 (今、数えたら、11通のうち10通の方が、新之助について書いておられる) このコーナーの面白いのは名前と年齢の他に歌舞伎歴も書いてあり、 例えば(77歳、歴66年)とかそんな具合。 なかには「成田屋三代の実盛を観て感無量」などという方もいて、ほーと思う。
今日は三階B席東2520円也。
「義経千本桜 鳥居前」 松禄の忠信は、隈取りも鮮やかに、瑞々しくて、思ったよりもずっと良かった。 早見藤太は片岡亀蔵。 先月の牛娘ですっかりおなじみになってしまって、実は相当に好きになってる私。 こういう役の方を普段はやっているのだろうけど、おおーと思う。 それでも、独特のおかしみや愛嬌があって、やっぱり亀蔵さん、好きだわーと思う。 松禄の花道のひっこみ、力みなぎる見得では、 ピンと反り返る足の親指が、これは新之助の方がきれいだもんねーなどと、 身贔屓な感想。
「高坏」(たかつき) 昭和初期に流行していたというタップダンスのステップを取り入れた、踊りの一幕。 勘九郎は高足下駄でタップを踊るのだそうな。 桜に彩られた舞台。 次郎冠者(勘九郎)は大名様と一緒に花見に出かける。 酒宴用の高坏を買ってくるよう言いつけられたものの、 高坏を知らない次郎冠者。 そこで出会った高足売(新之助)にだまされ、高下駄を売りつけられ、 しかも大名のお酒まで高足売と一緒に飲み干してしまい、叱られる。 酔って言い訳をしているうちに、次第に高足を履いて踊り出す次郎冠者・・・。 大名の弥十郎も、先月の狐狸狐狸ばなしでお馴染みで、 大名姿を見て、新鮮に感じる。 こうやって好きな役者さんが増えていくのかも。
高足売りに扮した新之助が出てくると、ぱあ〜っと客席が笑顔でいっぱいになった。 もちろん楽しい演目のせいもあったのだろうが、それだけではなく、 あたりまで輝かせ支配してしまうような華がある。 三階B席は、さすがに舞台は遠いけれど、 こういう客席の反応なども俯瞰できるのが楽しい。 新がこのまま、大きな大きな役者になったら、どれだけまぶしいことだろう。
「仮名手本忠臣蔵 山科閑居」(九段目) 団十郎、玉三郎、勘九郎、幸四郎、菊之助、新之助、そろい踏み。 ドラマが複雑なのと、新之助の出番が少な目なので、また一階席でみた時に書こうと思う。 新之助の力弥は、儚げで綺麗で、 死んでも力弥と添い遂げようとする小波(菊之助)と似合いの一対だった。
幕間。 香ばしい良い香りにつられて、紅白白玉入り焼きたてたい焼きをおやつに食べた。 幸せ。
「芝浜革財布」(しばはまのかわざいふ) 菊五郎の一幕。 サラリと爽やかで、歯切れ良く気持ちよく、いかにも江戸の世話物! 近くでオバサマ達が、「やっぱり音羽屋さんはいいわね〜」と頷きあっていた。
○○追記○○ 歌舞伎座のお正月風景など、プチ画像もアップしました。
先月、すっかりとりこにさせられた「実盛物語」、 こんな感想を読んで、また嬉しくなりました。
次回の観劇は、来週の予定。 新之助としては歌舞伎座では最後の舞台だよと言うと、 それは是非観てみたいという母を、 お誕生日のプレゼントに歌舞伎座に招待することになりました。 母と一緒の歌舞伎座は、初めてもらったお給料で桟敷席をプレゼントして以来、もう何年ぶりになるんだろ。 きっと珍道中になると思われ。 楽しみですけど、ちょっと不安。
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