なべて世はこともなし
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|アイルランド真実紀行へ
2008年01月04日(金) |
ダブリン空港から自宅は、ダブリン空港からフランクフルトより遠かった |
あけましておめでとうございます。今年も相変わらず続けていきますのでよろしくお願いいたします。
さてさて。ドイツではまた別の機会に書くとして、まあ、相変わらずでした。で、今日は昨日、1月1日元旦の話。つまり、ドイツからダブリンに帰ってきたときのお話。
…と書くと、またフライトが遅れたのかとか思う方がいらっしゃると思いますが、違うんです。ダブリン空港に着いてからのお話。
フランクフルトからダブリンまでのルフトハンザの最終便。定刻午後10時35分着。これがまたビミョーなんですよね。すなわち、空港からすっと脱出すれば、午後11時30分、シティセンター発の最終バスに間に合う…かも…というわけ。
実際先月に預託荷物なし(手荷物のみ)でこれに挑戦したら街で走る羽目になったものの、結局なんとか最終バスに間に合った。終バスに間に合うかどうかって金銭的にはえらい違いになるわけ。空港から一日有効のバス券を使えばおよそ5ユーロ。もっと言えば空港から町までローカルバスを使った時には90分券で1.7ユーロで家に帰れる。それに対し、タクシーは40ユーロ。ね、だいぶ違う。
というわけで、できるだけ早く空港から脱出したい。ところが、預けた荷物が待てど暮らせど出てこない。ようやく出てきたのは午後11時5分。こりゃ間に合わないわ。あまり好きじゃないけどタクシーで帰ろう…と思って出口に向かって唖然とする。
タクシー待ちの行列がターミナルビルの外から中まで伸びている。
こりゃ下手したら1時間待ちとかになるんじゃないかと思い、低性能の自前の脳を活用して考える。あ、そうだ、町までバスで行ってそこからタクシーに乗るというテがあるわ。そうすれば、このばかばかしいタクシーに乗るための行列をパスできる。ホントに度胸のある人は、長期滞在者用の駐車場に行く無料シャトルバスに乗り、そこから流しのタクシーを捕まえるという離れ業もありますが、作者はそのようなことは推奨しません。推奨しないんだってば。
というわけで、747(ダブリンバスが運行する街までの直行バス)のバス停に行くと…うわっ、こっちも5−60人は並んでるわ。で、通りの向こうのAir Coachのバス停も同様。一体全体どうなっちゃったんだ。この空港。こんなに大人数の人が待っているのを見たことがないぞ。
根本的な問題としては、なんでこんだけ運行本数の多い空港なのに鉄道がないのよ?出発地のHannover空港なんて、ホントにローカル空港なのにS-bahn(ドイツの近郊列車)が毎時5分と35分にHauptbahnof(中心駅)と空港からきれいなパターンダイヤで出ているぞ。たとえいつも空気だけを運んでいるような感じでも。
ともあれ、747はすでに乗車中で、列がゆっくりと動く。が私の数人前になって、ダブリンバスの係員が
係:「手荷物のみのお客だけ!スーツケースのある人は次のバスに乗って」
と言い出す。なんかイラついた私は41(ローカルバス)のバス停に移動。確か11時15分にバスが来るはずだと思ったわけ。
ところがこっちにも軽く5−60人の人が待ってまして。何が起こったのかは知らないが、いくら正月とはいえダブリン空港のバス停がこんなに混んでたことは見たことないぞ。
で、41が待てど暮らせど来ない。ついに11時30分になる。終バスが11時45分ごろ通過予定なのでこれ、バス停にいる人を積み残すことになるぞ…と思っていたら、ダブリンバスにしては上出来としか言いようがない、なんと臨時バスがやってきた。人が殺到する。
バスはバックしてバス停の正しい停車位置に止まろうとしたが、さっきの係員が誘導に来ないし、乗客がドア付近に殺到したのであきらめて本来の正しい位置から大分離れた場所で客扱いを始める。おーい、マジメにバス停付近で待っていた私の立場はどーなるんだよ?
かくして、その臨時バスに人が殺到しているのをちょっと出遅れた感じで見ていると、遠くの方にSwordsからきた41がわざとバス停から離れたところに停まってお客を降ろしてさっさと発車しようとしている(よくやるんだよ。こいつら)。
ゴルァ、待てい!!と25キロ超のスーツケース、およびラップトップコンピュータを持って死力を尽くして走る。こんな莫迦なことをしているのは私だけと思ったら、後ろに10人以上の人が同じようにスーツケースなどの荷物を抱えて走ってる。客観的に見てかなり笑える光景です。
で、ようやくバスを捕まえて運賃を払い乗り込むと、この運転手さんが仕切る仕切る。
運転手さん:「はい、スーツケースは必ず棚に入れて。ほら、そこ、通路に置かない。いや、そこは車いす用のスペースだからダメ。ほら、そこが空いてるでしょ」
そんなことをしているのを見ていたら、さっきの臨時バスが行き先表示もないまま私の乗ったバスの横をかすめて発車していく…何のために走ったんだ。オレ。
そんなこんなで、バスはようやく発車。日付が変わって15分くらいして市内のちょっと手前のバス停で降りる。もうこの時点で着陸してから1時間30分が経過。移動距離はわずか10キロ。ヒコーキならパリくらいにとっくに着いてるよ。
で、バス停で降りて、とりあえずスーツケースをバス停の陰に隠し、タクシーを捕まえる。あ、アイルランドの流しのタクシー、特に夜間は当たり前のように乗車拒否をするんですよね(タクシー近代化センターでも作ればいいのに)。荷物があったら面倒くさがってタクシーが止まらないと思ったわけ。その作戦が功奏してか、すんなりタクシーを捕まえることに成功。
で、スーツケースを載せようとしても、運転手は降りてこようともしない。仕方ないから自分でトランクを開けてスーツケースを積む(結構空しい)。で、乗って気がついた。運転手さん、えらい爺さん。
私:「XXX(うちの住所)までお願い」 運転手:「あい?」 私:(ゆっくりと)「X X X」 運転手:「YYYホテル?」
誰もそんなこと言ってねえよ。ちゅうか、この爺さん、今にして思えば、志村けんがコントでやるようなじいさんだったな。
私:「わかった、道は教えるから取り合えずZZZに向かっていって」
かくして、タクシーは動き出したのだが、何だか知らんがこのじいさん、教習所もびっくりなくらい安全運転。40キロ以上は出さないのだ。そのうち自転車に乗ったじいさんが歩道から追い越してゆく(これはウソ)。
さらに、まっすぐ行けばQuayに出るという交差点で、わざわざ左折。もしかして、ボろうとしてるのか?いいよ。別に。チップはもちろん払わないし、苦情を言うよ。
とか考えてたら、今度は、なんだか車線をずっと割って走ったり、やたらと中央線に寄ったりとか、まともはとても言いかねる運転をする。
もしかして、この運転手、酔ってる?
いや、まさかね。さすがのアイルランドでも乗務中のタクシー運転手が飲酒運転はしないでしょう。
…なんて思っていたら、なんと狙ったようなタイミングで、警察が飲酒検問をやっている。タクシーだから素通り…と思っていたら、悲しいですね、アイルランドではタクシー運転手は信用されてないようで、路肩に停車を命じられる。
警察:「こんばんは。あなたはタクシーですか?」
…見てわからんのか。黄色い天井のサインがお前の目にはいらんのか?
警察:「はい。このストローに息を吹き込んでくださーい。はい、まだまだ、もっと息を吹き込んで。はいオッケーです。呼気中のアルコールは…0ですね。A Happy New Year」
…って、あんた、酔ってなくてこんな運転をしてるの?むしろ、飲酒運転をしてくれてた方がここまでの運賃がチャラになってありがたいんだけど。
私:「タクシーの運転手さんに飲酒検問をするなんて、タクシーの運転手さんが、飲酒運転をするわけないですよねえ」 爺さん:「あい?」 私:「飲酒運転をするタクシー運転手さんているわけないですよね」 爺さん:「いやー、いるらしいよ。わしは乗車前はシャンディ(ビールをソーダで割ったもの)も飲まないよ」
わかった。話しかけて悪かった。だからもう少し早く走ってくれ。
結局無事に家に着いた。運賃は18ユーロ。空港からタクシーを捕まえるより半額程度ですんだからよかったけど、それでも着陸後2時間もかかるってやっぱ異常だよ。
というわけで、今年もよろしくお願いします。ちなみに作者、非常に多忙です。明日、土曜日も休日出勤が確定いたしました(とほほ)。
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