なべて世はこともなし
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2007年12月21日(金) 年末スペシャル。JADEでの忘年会に行く

もう、例年恒例となりました年末スペシャルです…が、今年は致命的に時間が足りません。明日から冬休み(=元日までアイルランドから逃亡)なのですが、今晩は最後の忘年会(あ、クリスマスパーティーと言われているようですが、どっちかというと、私には「忘年会」のほうが正しい言い方のような気がします)。


で、今は本来仕事をしなければいけない勤務時間内なのですが、その実、3割くらいの人はすでに休みに入っているし、残りの7割の人はまったく仕事をする気がないし…というわけで、堂々と日記の更新に取り掛かりました。本日の日記、いつも以上に推敲、誤字脱字チェックなしですので、なにか文脈がおかしかったり、漢字の間違い、根本的な人生の間違いなどがあった場合もご容赦を。


話は今月のはじめごろに戻ります。私の勤める会社の課の同僚があちこちに電話をかけまくってます。


同僚:「テーブルの予約をしたいんですけど…14日の金曜日なんですが…え?人数?25人です。え?まったく無理?そうですか。どうも」


そんな会話を仕事そっちのけでえんえん繰り返しているわけ。もう少なくとも20件は電話をかけただろうか。でも、ことごとく、無理。当たり前じゃ。クリスマス前の金曜日に25人分のテーブルを直前になって予約しようなどシロート考えでも無理。ついに同僚は私に泣きついてきまして(なんで私なんだという疑問は残りますが)。


私:「私がよく行くレストラン、個室もあるけど、あまり勧めないよ。料理は絶品だけどあまり場所がよくなくて(裏通りであまりいい感じじゃない…だから逆に隠れ家的なんだけど)、建物もボロいよ。だけどどうしようもなかったら当たってみたら」


そう、私のお気に入りのレストランJADE(この過去日記は必読)。個人で行くにはオススメだけど、会社のパーティにはどーなんだろ。例えて言えば、毎年高級フランス料理に行って忘年会をやっている連中を、ホントにおいしい庶民的な居酒屋に連れ出す…と言えば感じが分かってもらえるでしょうか。たとえどんなにおいしくても文句を言いだしそうです。


その後、私は自分の席を離れて数分後に戻ってくると…


(本文とはカンケーないんですけど、ここまで書いた数分後に何と会社で停電発生!その回復に追われた私は結局会社での日記の更新を断念。ここからは自宅で書いてます。あと1時間で日記を書きあげて、ついでに荷造りもして出かけるなんてチメー的に無理なんですけど…)


同僚:「Snigel。JADEに予約、取れた…と思う」
私:「何、その、『思う』って」
同僚:「いやー、すんごい訛りでよくわかんなくて。Snigel、悪いんだけどもう1回電話してくんない?」



やだねー、こーゆーの。絶対相手は気を悪くするよ…と思いつつ電話すると、案の定(確かにわかりづらい英語で)


相手:「予約はできてます」


…そうだよねー。ごめんよー。そりゃ気分を害すよねー。しかも、私だって中国人じゃないんだから、英語で会話するんだから根本的に問題の解決になってないような気が…。それにしても、クリスマス前の金曜日に予約が取れるJADEって一体…。


それにしても、かなり不安になる。いくら他の場所が開いてなかったとしても、あの独特の雰囲気の場所はどう同僚たちの目に映るのだろうか。特に、うちの副社長あたりはそのあまりに庶民的な雰囲気に怒り出すんじゃないだろうか。不安になるが、なんのことはない。私は幹事ではないので私に責任はないのだ!と言い聞かせていると一斉メールが届きまして…


「忘年会の場所が決まりました。Snigel推薦の中華料理店です」


…お前、すでに責任転嫁モードに入ってるだろ。場所の評判が悪かったらオレのせいになるんだろ。


そして、当日。


お世辞にもいい場所とは言えない場所にあるこの中華料理店JADE。予約時刻きっかしに行ってみると、3階のカラオケつきの個室にはすでに数人が来ていた。しかし、どー見ても25人が収まるとは思えない。幹事を捕まえて聞いてみると実は15人ほどしか来ないという。しかも、心配していた副社長は欠席。副社長には悪いがラッキー。


そして、場が異様なほど静か…なのだ。なんだかビミョーな雰囲気が支配している。ウェイトレスさんが来たのでとりあえずビールとワインを頼む。数分後、飲み物が届いたのだが、場の雰囲気は変わらず。それをウェイトレスさんが気にしたのかカラオケの音量をBGMがわりに上げる。中国の演歌風の怪しい曲が大音量で流れ、画面に目をやると、怪しい中国人カップルが雨の中ひとつの傘の下で向かい合っている。ビミョーな雰囲気にターボがかかる


そのうち誰かがカラオケの音量を下げ、ターボのかかったビミョーな雰囲気は先ほどまでのビミョーな雰囲気レベルになるが、なんか、居心地が悪い。


それから全員がそろったところで、幹事がワインとビールを追加しつつ、メニューをよこせとさっきとは別のウェイトレスさんに言う。


ウェイトレスさん:「メニュー?今日はコース料理になってますよ」
幹事:「聞いてねえよ!」



そう、どうも意思の疎通が全くできてなかったらしく、レストラン側はコース料理を出す予定で、幹事はそんなことを聞いてなかった模様。ますます空気が…。


ウェイトレスさん:「マネージャーを呼んできます」


そこにやってきたのはマネージャー。いつもの中国人のおじさん。この人、話し出したら止まらない人なのだ。ちなみに、私はドアを背にして座っており、つまり、ドアのところに来たマネージャーさんからは私の背中しか見えない。


マネージャー:「ここのコース料理はオススメでして、パーティーのお客さんにも喜んでいただいてまして、うちは中華料理店で唯一なんとか百選にも選ばれてまして、ニューヨークタイムズにも記事が載り(ホントかよ…とえんえん続く)」


マネージャーさんの必死さが伝わってくる。中華料理屋さんが裏でどういう食材管理をしているか知らないけど、たぶん15人分の用意した食事が無駄になったら被害甚大だろうなあ。が、しかし、みんなの反応は結構冷やか。マネージャーさん、劣勢に立たされる。


そこで私は冗談で、演説中のマネージャーさんにカラオケ用のマイクを渡す。


マイクを渡されたウェイターさん、アイルランド人ばかりのテーブルにある意味顔見知り(常連)の私の顔を見てそれこそ地獄に仏を見たような表情を見せまして…


マネージャー:「ああ、毎度ー」
幹事:「知り合いかい!」



やむなく私はマネージャーさんの側に立つことに。


私:「いや、ここの料理はホントにおいしいから(←これは誰にでも胸を張って言える。ホントにおいしい)、マネージャーさんを信じていいと思うよ」


この一言でとりあえずその場は丸く収まる。


が、それからが悪かった。忙しかったのかこの日に限って何だか知らんがサービスが遅いのだ。中華料理の偉大なところの一つはスピードだと思うのだが、なんだか遅い。さあ、小一時間近く待ったろうか。スターターが来るまでに。











こちらスターター。いや、だいたい中華料理なんだからコース料理にしなくてもよさそうなものだが。一部写真に撮れてないのもあります。だってピラニアのいる川に肉を投げ込んだような状態になったもんで。


それから、メインコースが来るまでも長かった。隣の席にいたマネージャーは私に真顔で


「まさかこれで終わりじゃないよね」


…大丈夫ですよ。メインコースはちゃんと来ますよ。…たぶん。


また、それからかなりしばらく待ってようやくメインコースがやってきた。いつも頼む綺羅星のごとき定番商品がこれでもかというくらいに出てきました。














いつも通りおいしかったです。特に豚の角煮は絶品…なのに、アイリッシュには評判が悪かった。


それから先のことは書きたくない。酒がまわってカラオケが始まると収拾のつかない状態に。システムディベロッパでいつもおとなしいおじさんが急にマイクをつかんだら離さない妖怪マイクオヤジに大変身。最初のビミョーな雰囲気はどこへやら。みんな歌う。歌う。私はこっそりと写真とビデオの撮影にいそしむ。


ところで、ここのカラオケ、日本の曲も数ページありますが…




歌える曲なんかねえぞ(ちゅうか、アイルランド人の前で日本の曲など歌う気はないけどさ。それ以前に、誤字脱字が例によってツッコミどころ満載状態です。


かくして、終バスを逃した私はLUASとタクシーを乗り継いで帰宅。


翌朝。聞いたところによると多くの人たちはカジノに行ったらしく、疲れ果てた表情。で、疲れ果てた表情の連中に昨日の乱痴気騒ぎの様子のビデオを見せると…


「Snigel、お前よー、酒の席にカメラを持ち込んじゃいけないよ。もう、お前、ITのパーディーには出入り禁止」


…だそうです。もちろん後半は冗談なのですが、酒の席にカメラを持ち込むとあまり快く思わない連中がいるようです。そりゃそうだ、私のカメラに納まっている模様を会社のイントラネットに乗っけたりしたら、いいお笑いの種になりそうだわ。ホントはここに晒し上げにしたい気分だけど、新年早々クビになるのはイヤだから今日のところはやめておきます。


数時間後、副社長室に呼ばれまして…


副社長:「Snigel君。昨夜はみんなを変な中華料理屋に連れていったんだって」


…やっぱオレのせいかよ。


時間切れです。皆様、よいお年を。さよーならー。





作者はたぶん1月1日までこのページの管理を放棄してます。それでもコメントを下さるというありがたい方はこちらへ(掲示板へのリンクです)。




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