なべて世はこともなし
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2007年12月16日(日) で、こちら本題。なんだかこちらも消化不良

Ryanair。


この航空会社は善しにつけ悪しきにつけヨーロッパの航空業界に革命を起こしたと思います。だってさ、


どーやったらロンドンまでの日帰り往復が20ユーロ(3200円)なのよ?


ダブリンからロンドンまでの航空券を買うと、税金やセキュリティチャージなどだけで50ユーロ(8000円)かかる。それなのに、それを20ユーロで売るというのはつまり、赤字なわけ。これ、日本だったら公正取引委員会あたりから不当廉売か何かで怒られそうな気がするけど、そんなことは起こらない。それどころか、20ユーロよりもさらに安い、往復2セント(3円)というあり得ないこともしてたな。


で、このことは前にも何度もこの日記で糾弾ネタにしているけど、確かにこの運賃は安いのだが、とんでもない罠がいろいろと用意されているのだ。


まず、欲しくもない旅行保険(5ユーロ)が勝手についてくる。ただし、これはキャンセルできる。ここからがひどい。まず、預託荷物なしで空港で搭乗手続きをすると片道3ユーロ(480円)の手数料。なんじゃそりゃという方、これを避けるためにはインターネット上でチェックインしろというわけ。





さらに、預け入れの荷物があると一つにつき片道6ユーロ。そしてクレジットカード使用手数料(なんじゃそりゃ)片道3ユーロ。それから、こちらも頼みもしないのにPriority boarding(ヒコーキに先に乗る権利)6ユーロと、まあケツの毛を毟るがごとき守銭奴ぶり(ただいまの放送に一部不適切な表現がありました。お詫びして訂正いたします)。とにもかくにも、何もしないと、預託手荷物なしでも19.5ユーロ(3120円)がかかる仕掛け。そこにクレジットカード手数料が6ユーロ(960円)。


ただし、私の場合、ロンドン日帰り、つまり、預託手荷物はない、かつ、インターネット上でチェックインできるのでその手数料もかからない。旅行保険もいらない。とどのつまり、上のすべてをキャンセルして運賃20ユーロプラスクレジットカード使用手数料6ユーロ、締めて26ユーロで往復できるわけ。


…と思ったら、世の中そう甘くない。オンラインチェックインを使い、空港でのチェックインをバイパスできるのはEUのパスポート保持者のみ。つまり、日本のパスポート保持者の私は選択の余地なく手数料6ユーロを払わなければいけないわけ。


これっていいのか?


つまりね、EUのパスポートを持っていない人は無条件に6ユーロの手数料を払わなければいけないってのは人種差別になるんじゃないだろうか。


たとえば、空港の入国審査で、EUパスポート保持者とそれ以外が分けられるのはやむを得ないと思う。事務手続きの都合上と言われれば納得できるもん。だけどさ、金がかかってくるとそうも言ってはいられない気がする。おかしいと思いませんか?EU発行のパスポートを持っていないという事実だけで、余計な金を払わなければいけないというのは。どなたか勇気のある方、このくされRyanairを提訴してみては。かなりの確率で勝てるような気がします(←じゃあお前がやれよ)。


ともあれ、運賃20ユーロとクレジットカード手数料6ユーロ、そして空港での搭乗手続き手数料6ユーロ、計32ユーロを払った私は席を予約。運賃は20ユーロのはずなのに…。なんだか納得できない。


ちなみに、なぜにロンドンを選んだかというのは実に単純な理由でして、ほかに、土曜日に日帰りで往復20ユーロで行ける場所ってのがなかっただけのこと。とはいえ、Stanstedなる空港、行ったことがない。だいたい空港から市内までどのくらいかかるんだ?


というわけで、調べてみると、バスが数社運航されており、通常運賃片道8ポンド。所要75分。電車は通常片道15ポンド(3300円)。所要45分。…なんだか遠くて高いな。


12月8日(土曜日)午前4時50分。家を出る。ダブリンは雨。空港に着いたのは5時半過ぎ。フライトは6時半。


チェックインを済ませ、指定のゲートに行ってみると、まだ出発30分前なのになんだか考えられないくらいの人がすでに行列を作っている。なんだなんだと思ってみていると、なんと、ロンドンに気だけじゃなく、マンチェスター行きも同じ搭乗口になっている。


それにしても、搭乗30分前から行列をしているこいつら、何考えてんだ?実質40−50分のフライトで少しでもいい席を確保するために30分も前から立っているってのはまったく理解できない。もっとも、「完全自由席」というこのくされRyanairの方針自体が理解できないのだが。





こちら、行きには撮れなかったので帰りの便の写真。搭乗口前に座り込んでいい席を確保しようとされる皆さま。御苦労さまです。


しばらくすると、搭乗口の係がマイクを使わずに


係:「みなさーん、マンチェスター行きの方は、こちらA14ではなく、D70が搭乗口だよー。」


ぞろぞろと歩き始める人たち。そこに流れるアナウンス。


アナウンス:「マンチェスター行き、最終の案内中です。まだ搭乗されていない方は今すぐにD70からご搭乗ください」


…って、歩いて10分は余裕でかかるここにざっと100人くらいの人がいるよん。このヒコーキは、はたまたここの人たちはいったいどーなったのか。よくは知らんが、たとえば私が英語が全く話せなくて海外が初めてとかいう状況だったらきっとパニクるな。あの、ヨーロッパに不慣れな観光客の方、この会社は避けた方が正解だと思います。


で、マンチェスターはほっといて、ロンドンStansted行き。しっかりと特等席の非常口席を確保。あ、この席、「優先搭乗」などせずとも後の方に乗っても確保できます。キャビンアテンダントさんがこの席に立ってますので、その人に「どけ」と言う勇気があれば…ですが。





こちら機内。黄色いヘッドレストが安っぽく、ほかの会社には出せない趣です。ちなみに、救命胴衣はシートの下ではなく頭上にあります。以前、救命胴衣をアホに盗まれてこういう方法にしたんじゃないかと勝手に想像していますが。





なんか、非常用設備のカバーが取れているような気がするけど、きっと気のせいですよね。


離陸後、ヒコーキの中でIrish Independentを読んでたら思わず笑ってしまった。





ガキ、ヒコーキでおしっこをしてタイホ(超意訳)


莫迦だなー、と思いつつ読み進めて見ると…


やっぱりガキはアイルランド人で、航空会社はRyanairだわ。


記事によると、ダブリン発のCharleroi(ベルギー)行きのヒコーキの中で、若い男5人組が乗務員の指示に従わずそのうちの一人がヒコーキの後部ドアーのあたりで放尿。それが起こったのがダブリン空港の誘導路上で5人のうち二人がヒコーキから降ろされ逮捕。


ええい、アホかい!


でもね、なんか想像がつくんですよ。何が起こったか。以下、私の勝手な想像ですが、飲みすぎたか何かでトイレに行きたくなった莫迦ひとり。トイレに行かせろと客室乗務員に要求するものの、ヒコーキはすでに誘導路上におり拒否される。それに逆切れして騒ぎになり、そのうち我慢できなくなりトイレに行くがトイレのドアーは施錠済み。で、やむなく後部座席のところで放尿。逮捕…大方、当たらずしも遠からずだと思う。


恥ずかしいことを告白すると、私、一度誘導路上でもうどうしようもなくなったことがあります。ヒコーキの離陸が1時間くらい遅れて、もう少しで離陸するだろうと我慢し続けていたものの、機長が非情にも


機長:「今、誘導路上におよそ10機のヒコーキが離陸の順番待ちをしてます」


とのアナウンス。私、諦めて、運良く目の前にいた客室乗務員さんにお願いしました。


私:「あのートイレに行ってもいいですか?」
乗務員:「いえ、もう当機は誘導路上におりますので」
私:「承知してます。すぐに終わります。どうしてもおねがいします」



とちゃんとていねいに言ったら、


乗務員:「直ちに用事を済ませてくださいね」


と言って、トイレの施錠を解除してくれました。そう、ちゃんとお願いすればそれなりに対応してくれると思うんですよね(もっとも、私の場合はまだ離陸まで数分あるという状態でしたが)。ま、上のガキの話は私の想像にすぎないのですがね。


その後、ロンドンに着いたら、雨。結局ほとんど何も買わずに帰りましたとさ(って、お前途中で書くのが嫌になっただろ。


あ、この先で書こうとして挫折したこと。市内行きはStansted Expressで市内へ。これ、Ryanairのサイトから予約すると片道15ポンドが10ポンドに。帰りは、Easybusなる怪しいバスで、片道2ポンドでした。





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