なべて世はこともなし
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2006年10月24日(火) 未更新お詫びSP:アラン島へリベンジに行く

まず業務連絡。


相変わらず家にはインターネットがありません。もういい加減キレてますので、別の方法でインターネットへの接続を考えてますが、どうなるかは未定。で、こうやって会社からこそこそ更新してるのですが、ここに来てさらに問題発生。


掲示板が閲覧不能サイトに見事にノミネートされました。


掲示板。見れません。お返事、書けません。


管理ができない掲示板を放置しておくのもまずいのでリンクをはずそうかとも思ったのですが、こと「よしなごと掲示板」については需要があるようなので、とりあえずこのままで行くことにしました。かくして、現状は管理不行き届き状態であることをお詫びしつつ、でも悪いのはくされ(以下略)と主張するものであります。


もし、管理者不在の隙を狙って掲示板が荒れるようであれば、やむなく利用停止としますのでご了承くださいませ。また、「お返事はいつでもいいよ」という心の広い方は、どんどんカキコしてくださいませ。ともあれ、本日はお詫びの意味も込めて通常の3回分の分量で、アラン島リベンジ編をお届けします。


アラン島。


このホムペで「あそこにだけは行くなかれ」と口角泡を飛ばし主張している場所ですが、あの記事を書いてからもう6年。書いた本人も何を書いたか忘れているあの場所へ私はリベンジに行ってきました。そう、6年も経てば、おいしかったレストランはまずくなり、まずかったレストランは淘汰されて潰れていたりもするはず。6年前のくされ島と現在をとことん比較しようと言うのが今回の目的。ともあれ、まずは、6年前に書いた記事をご覧くださいませ。


かくして、引越しの直前…だから1ヶ月くらい前のある日、思い立ってアラン島へ行ってきました。今「思い立って」と書いたけどホントに思い立ってのこと。年休を取ってぼーっとしてたら突然思い立って昼すぎにダブリンを発ったのだ。


ごく正直に書くと、その時点ではくされアラン島になぞ行くつもりはなかった。ゴルウェイにでも二泊して、遊ぼうと思っていたのだが、ゴルウェイ着いたのが午後5時。アホな私は気がついてしまった。「イニッシュモア島行きの最終のフェリーに間に合う」


で、小雨降る中をアラン島行きのフェリーが出るドーリンに向けて走る。夕方のラッシュに巻き込まれたりして、フェリー乗り場に着いたのは午後6時。


フェリー乗り場から1キロくらい離れているところには「アラン島行きフェリーフェリー駐車場一日5ユーロ」と、何もないイナカでぼったくりとしか言いようのない値段を掲げた駐車場なども通過。アラン島に着く前からすでに島がさらに観光地化されて擦れてきていることを感じさせる。


アラン島に行くフェリー会社は2社あるのだが、頭の悪いことに二社とも最終のフェリーがドーリンを出るのは午後6時半。さてどっちのフェリー会社にしようか。


(写真は帰りに撮影。行きはすでに薄暗く、雨が降っていた)


…とまあ、ほったて小屋が二軒並んでいる。左のほうが、見ての通り大きくトイレやカフェまであって(ただし倉庫化していた)見ていると人はみんなそっちに吸い込まれていく。こうなるといつも少数派でいたいと思うあまのじゃくな私は小さな方のフェリー会社を選ぶ。



フェリーは、がらがらーすかすかー(ひでかす語録より無断使用)。


テーブル席を確保してふと見ると



む、あの6年前に私を釣った「釣師」Noelオヤジは未だに観光客を釣っているらしい(しつこいけど読んでない方は6年前の記事を読んでくださいませ)。


フェリーが動き出す。海上に出ると、雨脚はますます強くなり、着く前から鬱。着いてみると、雨はさらに強くなり、来たことをとことん後悔。しかも、地元民も観光客もみんな雨は想定済みで雨を跳ね返すようなウィンドブレーカーなどを着ているが、私とお連れのMausiはそのような準備をしてない唯一のアホ観光客。


雨に濡れ惨めな気分で埠頭を歩き、港のすぐ脇にあるB&Bへ飛び込む。



このくされB&Bは入り口に「空室あり」と書いてあった。確かに書いてあった。


私:「(今晩)空き室はありますか(ちゅうかあるよね。そう書いてたんだし)」


ところがこのおばさん、私たちのみずほらしい身なりを一瞥して一瞬の間の後に


おばさん:「悪いけど、空室はないの」


よほど「じゃあ表にあった表示は何だ!」とケンカを売ろうかと思ったが、所詮これがアラン島。怒るだけ損ねというわけで、激しい雨の降りしきる中を再び外へ。


二人とも機嫌は最悪。まあ、お約束どおりといえばそれまでだけどひどい雨と強風。で、そこから2分ほど歩いた別のB&Bへ。そこにはすでに私たちとは別に2組の客が飛び込みで入っていったところ。


果たして空きがあるかと思っていると、すでに観光シーズンを過ぎてB&Bはフェリー同様がらがら・すかすからしく部屋は空いていた。



おかみさん:「一泊ひとり32ユーロ」


高い。高いよ。が、すでに骨まで濡れてしまった二人。部屋を見せてもらうことすらせずにそこに泊まることに。


このB&Bは、まさにB&B用に作られたもの。羊羹のような形の建物の中心に廊下を作り、左右に狭い部屋を割り振ったもの。合理的であることは認めるが、味も素っ気もない。私たちの部屋もベッドが部屋の半分を占拠している状況で、狭い。


で、濡れた体を温めるべくシャワーを浴びようとしたのだが、まあ、シャワーは友人が言うとこの「老犬のおしっこ」。ちょろちょろとしたお湯とも水ともつかないものがシャワーから滴る程度。体を洗うのが精一杯で体を温めるどころの騒ぎじゃない。しかも、窓のないバスルームからは湿気がまったく逃げてゆかず、トイレットペーパーなどはべとべと。なんで外に向かって窓を作らなかったのか…構造欠陥としか言いようがない。


ともあれ震えきった私は、部屋の暖房を強めようとするが部屋の暖房はすでに最強。そして、部屋は寒い。これの意味するところは、この部屋には濡れた体を温めるすべはないということ。靴下は変えたものの、濡れた靴を気持ち悪く履き、雨の中をお隣のレストランへ。そのレストランを選んだ理由は単純。B&Bから一番近かったから。


入った瞬間に、ダメダメな雰囲気が漂う。まず、テーブルクロスがビニールなところ。さらに客がほとんどいない。普段なら絶対入らないような状況ながら、外は激しい雨。これ以上濡れたくない。かくして、座る。


メニュー。


高い。高すぎる。ビニールクロスのテーブルでメインコースが20ユーロ超ってのは一体全体どういう了見なんだ?かくして、唯一安かったピザを注文。味は…うーん、可もなく不可もなく。


こうして6年前の経験をまったく生かせずに、アラン島での楽しい楽しい一日目は終了。



この日の一番の被害者。私の車の置き傘。アラン島にて殉職されました。


翌朝。




アンビリーバボーな快晴。一体全体どーしたんだ。これ。


6年前に果たせなかったレンタサイクルにて島巡りをすべく港のレンタサイクル屋へ。





チャリンコを西に向かって漕いで漕いで漕いでたどり着いたのは当然の帰結として島の西の端。







こういう写真を見ると、わかる。この写真をどっかのホムペで見たらオレ、絶対にアラン島に行きたくなる。この風景はやっぱり人を惹きつけるものがある。それは認める。


途中、Seven Sistersという観光地へ(注:イギリス南部のあそことはたぶん関係ないと思う)。…というか、観光客用のミニバスが集まっていたからその場所に気がついていって見ただけ。


そこに停まっていたミニバスの一台。



出たな。釣師Noel、ここで会ったが…覚えてない。こんな顔のオッサンだったっけ?少なくとも、稼いだ金で車を買い換えたな。


ところでこのSeven Sistersに着いて気がついたのだが、昨日の雨はとんでもないものだったらしい。



Seven Sisters冠水。


さらにSeven Sistersの先の道は…




完全冠水。通行不能。


道の左の場所はサッカーだかのグラウンドながら、完全に冠水。Seven Sisters脇の掘っ立て小屋でアランセーターを売っていたオッサンによると、昨日までまったく水などなかったのに、一晩で完全に冠水してしまったそうな。

そして断崖絶壁の南側の海岸へ。







ええ?どうよこれ?いかにも「アイルランド的なのよ」といわんばかりの息を呑む絶景。なるほど、こういう風景がある限り、アラン島を訪れる人が絶えることはなさそうだ。



島の天候の厳しさを体で表す木。自然に生えた木ではなさそう。


そして、港まで戻ってきて6年前にも来たカフェ(6年前は「コーヒーショップ」と表記)で昼食。カフェの椅子に座った瞬間に運動不足のオッサン体の全身を疲労感が駆け抜ける。今から島の反対の端に行こうと思っていたが、カフェに座った瞬間にそんな気分は完全に失せた。



カフェとスーパー。

 
で、島の中心の散歩。6年のうちでの変化。カフェの隣のスーパーになんとまあ



ATM登場!


さらには



ファーストフード店登場!


季節営業で、かつ、マクドナルドなどではなく、ゴルウェイに本拠地を置くスーパーマックスの小さい店というのがせめてもの救いかもしれないけど、ついにこの島にはファーストフード店が登場するまでになってしまった。ダメダメ度がますます増してしまったアラン島へおいでませ。


今回の結論:アラン島は弁当・テント持参で人と会うことさえ避ければそんなに悪くないかもしれない。ただし、天気がよければね。


そして…これ、どー考えても、リベンジというより、返り討ちだ…。




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