なべて世はこともなし
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2006年07月18日(火) SUVに乗る資格なし?タイヤ交換すらできないアホタレな私

過去日記にすでに何度か書いてますが、北アイルランドはいいとこです。


…むろん私はカソリックとプロテスタントの対立だとか、そういう部分に話を持っていくつもりはありません。私が北アイルランドが好きな理由。


ビールが安い!


…それだけかい!という方、はい。それだけですよ。だけど、それだけのために、高速道路を1時間かけて、買い物に行くアホタレというのも実在するのです。


で、ひとりで行くのも退屈なので、例のスウェーデンから臭い缶詰を持ってきた友人を連行することに。めんどくさいから、この人のことを今後は「缶詰男」と呼ぶことにします。


で、この缶詰男さん。北アイルランドは昔々にツアーバスで行ったきりという状態で、北アイルランドはほとんど初めてといっていい状態。いいオッサンなのにはしゃいでます。


缶詰男によると


北アイルランドは道がいい。


言われるまで気がつかなかったが、確かに舗装の表面がアイルランドより滑らかで、路面の凹凸が少ない。帰りに境界を越えた瞬間に舗装の質が悪くなり、アスファルトからゴーッという音が聞こえてきて笑ってしまった。


さらには


店員にやる気がある。


そりゃ、Sainsbury'sしか見てないからじゃないですか。


ともあれ、8ケースのビールをはじめとして食料品を買い込み、いざ帰宅!と思ったら、缶詰男が言うのだ。


缶詰男:「今から高速道路を走るんだから、空気圧をチェックしといたほうがいいよ。ほら、タイヤの空気が減っているよ」


…そっか、タイヤが4つちゃんとついているというだけじゃあ不十分なのね。というわけで、車の中に常備してある空気入れで空気を入れ始める。


右後輪に空気を入れているときに、私は見てはならないものを見てしまった。


タイヤに釘が刺さってるよ。


(タイヤを取り外した後に撮影)



誰だ!北アイルランドの道がいいって言ったやつ!日本の道じゃ釘が刺さったことなど一度もないのに、(北も含めて)アイルランドの道じゃ、もうこれで、今の車になって3回目だぞ!どーなってんだよ。


はい。こういうときは、慌てずあせらずタイヤ交換。


実は、この車でのタイヤ交換は今回がはじめて。何せ、AAに年会費を2万円だか払ってるんだから、困ったときはすぐに呼ばないと。


ところが、この缶詰男はその昔にはスカイラインからジムニーに至るまで、ありとあらゆる車に乗っていたカーマニア。この男のプライドをして、タイヤ交換くらいでAAを呼ぶことはできないらしい。「大の男がタイヤ交換一つできないのは恥ずかしい」というのも実にごもっともな理由でThey Quays Shopping Centreの駐車場で急遽タイヤ交換と相成りました。


私の車、Rav4という小型のジープです。小型とはいえ、ジープなので乗用車に比べると車高が高いです。そこがこの話のポイントになりますのでご留意を。


この缶詰男によると、後輪のタイヤ交換の際は、後輪の近くのジャッキアップポイントにジャッキを当てるのだそうな。


私:「え?どうやるの。やって見せて」


…某国総理も真っ青の丸投げ。


缶詰男がジャッキを当ててジャッキのレバーを上げはじめる。…が、ボディに後づけしたと思われるサイドバンパーのおかげでジャッキポイントにうまくジャッキが当たらない。で、苦労してジャッキを最大のところまで揚げたところで問題発生。


ジャッキの高さが足りなくて、全然タイヤが持ち上がらない。


これは困った。なんで、純正のジャッキの高さが足りないんだ? 一体トヨタはいつからアイルランドの会社になったんだ?…などと悪態をついても始まらない。


私:「AA呼ぼうか?」
缶詰男:「いや、ジャッキの下に板を敷いて高さを上げればいい。というわけで、どっかに行って板を探しておいで」
私:「はーい」



数分後、厚さ3センチ程度のコンクリート片を見つけて持ってかえった私。で、それをジャッキの下に敷いて(つまり、ジャッキの高さを3センチくらい嵩上げして)再度挑戦。


今度は、そのコンクリート片が功を奏して、車がかろうじて、若干、ほんの気持ち持ち上がった。


ばんざーい。ばんざーい。


というわけで、さっそくタイヤを外す。


タイヤを外して気がついたのだが、ジープの場合、乗用車と違いスペアタイヤも同じタイヤ。で、そのスペアタイヤをつけようとしたのだが、とんでもない事実発覚。


スペアタイヤのほうが、ほんのわずかに大きい。


と言っても、走行に影響が出るほどの違いじゃない。言われてみて、タイヤを横に並べてまじまじと見つめても気がつくか気がつかないかくらいの小さな違い。だけど、その差が致命的になる。つまり、


ジャッキで車が十分持ち上がってないから、スペアタイヤが取り付けられない。


(ちょっとやらせっぽい、頭を抱えるSnigelの図)



私:「はい。AA呼ぶね」


最初からAAを呼ぶのと、出来る限りのことをして、やっぱりできないとたかがタイヤ交換でAAを呼ぶのとどっちが恥ずかしいかは一概には決められませんが、ともあれ、AAに電話。


ところが、Newryは、いくらダブリンから1時間でたどり着けるとはいえ、北アイルランド。理屈の上では外国です。これが何を意味するかというと、AAに電話するのも一苦労。


0800(アイルランドの1800、日本の0120…つまり通話料金無料の電話番号)で始まるAAのヘルプラインに電話。これ、どうやら、「イギリス・北アイルランドにいるアイルランドのAAのメンバーのための電話番号」らしい。まずは、AAのダブリンオフィスにつながり、会員資格を確認後、イギリス本土のAAのオフィスに転送されるという、書いててすでに面倒くさくなるようなことをしている。


まず、ダブリンオフィスに電話がまわされ、この電話がイギリス本土に回される。どうやら、イギリス本土ではNewryがどこにあるか知られていないらしく、


係:「にゅーりー?どうスペルするんですか」


と聞かれる始末。


係:「では45分から1時間で来ますから」


で、待つこと1時間。来ない。


(さっきの写真を反対方向から。一体何本のビールを
買ったんだ?というツッコミはなしで。
右に写っているのが缶詰男[画像処理済])



AAに電話。


さらに30分。来ない。


AAにまた電話。


さらに30分。まだ来ない。


結局AAが来たのは2時間30分後。正確にはAAではなく、Newryの地元の修理工場のおじさんでした。


この間に缶詰男よりさんざん説教をされまして。いわく…


缶詰男:「まず、この邪魔なサイドバンパーを外しちゃいな。邪魔なだけでまともにジャッキアップもできない。それから、DIY店に行って板を買って追いで」


うちに帰ってひでかすにこの話をすると…


ひでかす:「お前、純正のジャッキの高さが足りないとかありえると思う?」
私:「ん?」

ひでかす:「お前、ジャッキを当てる位置を間違ってたんだよ。ジャッキを正しい位置に当ててれば、もちろんタイヤ交換できたよ」

ガクッ。あのただぼーっと待った2時間30分っていったい…。それ以前に、缶詰男さん、ジムニーにまで乗っておきながら、なんでジャッキアップポイントを知らないんですか(←自分のことを棚に上げた暴言)。


今日の教訓:タイヤ交換を自分でしようなど無駄なあがきをせずに、さっさとAAを呼びましょう。


…こんなことを言っている限り、私には成長はないな。タイヤ交換くらい覚えようよ>自分自身。




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