なべて世はこともなし
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2006年05月03日(水) BMW嫌いです。

Q州のSnigel家の実家、諸般の事情により車が数台あります。…と言っても私が大金持の御曹司…なんて訳はなく、人が捨てたようなおんぼろな車が数台あるだけの話なのですが。


私が日本に着いた翌日のこと。ちょっと出かけようとオヤジに車を貸すように頼みます。


私:「車貸して」
父:「そのマーチに乗って行っていいよ」



…見るとおんぼろのマーチが家の前に止まってます。あまりのボロさに引いていると


父:「嫌ならそこのビーエムに乗って行ってもいいよ」


…BMWですか。


私、アイルランド反ビーエムの会の会長を務めています(10秒ほど前から)。もし読者さんの中にBMWのオーナーがいたら申し訳ないけど、少なくともアイルランドにおいては、BMWの運転手ほど、乱暴で攻撃的でジコチューでアホタレな運転手はいないと断言します。


「オレは道の王者だぜ」と言わんばかりに傍若無人な運転をするアホタレどもをケーサツはびしびし取り締まるべきだと思います。例え1キロのスピード違反でも検挙し、例えほんの数秒の駐車違反でも車輪止めをつけるべきだと声を大にして叫びたいわけです。


中年の主張はそれくらいにして、場所はQ州に戻ります。オンボロマーチか、それより年式は古くてもBMWか。悩んだ挙げ句に、なんとなくBMWのキーを手にした私。これが間違いのもとでした。そんなにBMWが嫌いならマーチを選らんどきゃ良かったと後悔してます。


で、車に乗り込もうとして唖然。ドアを開けた瞬間に私は凍りついてしまいました。






ガ、ガ、ガ、ガルウィング?


こんなアホなドア、西部警察(だっけ)の中でしか見たことがありませんでした。こんなもんが世の中に本当に存在したんですか?こんな車をどっかから拾ってきたうちの父とは一体…。しつこいですが、この時点でマーチに乗換えときゃ良かったです。


ともあれ、苦労をしてドアを閉めて出発。うちから高速道路を走り、某所へ。なるほど、BMWはエンジン音もいいし、加速感もいい。などとBMW大嫌いを標榜しつつ、運転を楽しみ始めた私。高速を降りてすぐの交通量がほとんどない国道を走っていると、道端から旗をもった制服姿のオッサンが飛び出してきました。「止まれ」とかいう旗を持ってますな。


ビバ!春の全国交通安全運動


そう。スピード違反で検挙されてしまったわけ。この片側2車線でなんの障害もない下り坂は50キロ規制らしく、そこを私は71キロで走っていたそうな。あのー、私はそれなりに気をつけていたのですが…アイルランドだったら絶対100キロ近いスピードで走っていたと…などとは全く言い訳になってませんが。以下、捕まった私はもちろんですが、捕まえたほうにも災難という名のコメディーが始まります。


まず、車から降ります。例のガルウィングで。お巡りさんの目は点になってます。すごく恥ずかしい


警官:「ええと、スピード違反です。あの下り坂の終わりにカメラがありまして、その前を50キロ規制のところ71キロで走行されてました。恐れ入りますが、こちらの車の中でお話を伺いますので、お運びいただけますか」


で、バンの中にて…。


(別の)警官:「恐れ入ります。免許証を拝見できますか」


私が提示したのはアイルランドのAA発行の国際免許証。何せ日本の運転免許証など当の昔に失効してます。お巡りさん、かわいそうに完全に困惑してます。そりゃそうだ。国際免許証がここで出てくるなんて思ってもなかったろうから。


警官:「国際…免許…ですか?」
私:「そうですが、何か?」
警官:「ええと、あの、海外にお住まいですか」
私:「はい」



警官は上司に相談。で、上司は無線でおそらく本署と話している模様。あからさまにパニくっているのがわかり、笑える。


警官:「あの、日本の免許証は?」
私:「アイルランド発行のこちらの国際免許で運転してます」



また警官は上司と相談。


警官:「Snigelさん。あの、パスポートはお持ちですか」
私:「はい?なんで日本人の私が日本国内でパスポートを持ち歩かなきゃいけないんですか」
警官:「…そうですよね」



また上司と相談。すると、上司がじきじきに出てくる。


上司:「Snigelさん。あなたのケースは実にまれなケースなんですよ。国際免許で運転されている方はたいがい外国人でパスポートの携帯が義務づけられているわけですが、あなたの場合、もちろん日本人ですから…日本人ですよね?」
私:「見ての通り、日本人です。ついでに言えばO分県人です。
上司:「そうなると、当然パスポート携帯の義務はないんですが、ただ、この国際免許が有効かどうか確認できないわけですよ」
私:「2006年4月1日発行って書いてあるじゃないですか」
上司:「そうなんですが、これが日本上陸の日付の証拠にはならないんですよ(意味不明)。そういうわけなんで…」



おっと、これは違反揉み消しか?ラッキーと心の中でほくそえんでいると…


上司:「パスポートを持って本署に出頭してください」


がくっ。世の中そんなに甘くないのねん。


考えてみれば、明日アイルランドに帰るとか言えばよかったものの、ばか正直な私は、翌々日に高速を使いかなりの時間をかけてパスポート持参でO分県警の某警察署に出頭。青切符を窓口に提示してしばらくすると、交通課の署員が出てきて…


署員:「あのー、Snigelさん、今日は、どういった御用で」


お前らが来いといったんだろうが!


そんなわけで、青切符一枚、15000円なり。まあ、点数が無関係なのがおいしかったといえばおいしかったですが…。なんとなくおんぼろマーチで走ってたら、例え同じスピードでも検挙されなかったと思うのは間違っているでしょうか。


教訓:やっぱりBMWはろくな車じゃない(どうしてそういう結論に至る?)




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