なべて世はこともなし
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2006年01月17日(火) 中庭の象、会社の停電(意味不明なタイトルでんな)

ここ数日、眠れません。…とかいうと深刻な悩みでも抱えているのかと思われる向きもあるかも知れませんが、そうではなく、ただ、眠れないのです。おとといの夜(昨日の朝)は、朝の3時半ごろ目が醒めてそのまま眠れなくなり、あ、眠くなってきたなあと思ったらすでに会社に行く時間。


…かくして、会社で脱脂綿みたいになった頭で一日過ごし、家に帰ってきて、11時くらいにはやばやと眠ろうとすると、ベッドに入った瞬間に冗談のように目が冴えてしまい眠れない。眠ったのははっきりとは覚えてないけど夜中の3時くらいだったような。おかげでかなり本を読めましたがそういう問題じゃあなくて、とにかく日中眠いのだ。


そんな、頭のな中がぬいぐるみさん状態(脱脂綿が詰まった状態)で仕事を片づけてるんだか増やしているんだかわからない状態でいると、同僚のナイジェリア人がにこにこしながらやって来た。彼女、まだ入社して1年も経ってないけど、他がみんな辞めてゆくせいかすでに中堅どころの仕事をしている。けっこうかわいいし性格もいいので私のお気に入りの同僚のひとり。ただ、お気に入りかどうかは別にして、このにこにこには裏がありそうだ。


私:「どしたの?」
彼女:「私、木曜日から2週間ほどナイジェリアに帰るの」
私:「何、お土産は何がいいかわざわざ聞きに来てくれたの?」(←ジョークというか皮肉というかですな)
彼女:「…そうじゃなくて、もし、良かったら、私のいない間、私のクライアントを引き受けてくれない?」



…やはりな。彼女のクライアント、ひとつ、なぜ彼女が持っているのかわからないくらいの大口のがあって、しかも面倒と来たもんだ。しかも、彼女以外にこのクライアントの勝手を知ってるのは私だけだから、まあ、私が引き受けるのは構わないんだけど…眠い。


彼女: 「…おみやげ、何がいいの?」


うっ、無知な私、ナイジェリアといって思いつくものがない。彼女、前にコーヒーは採れないようなこと言ってたような気がするし、サンコンさんはケニア人だ(違ったっけ)。意味不明なことを考えて私の口から出てきた言葉は


私:「うん、象さんがほしい。うちの中庭で飼う」


さすが頭は脱脂綿。言うことが違う…というか幼稚園の園児並みの発想というか。


彼女:「わかった。BA(英国航空)に、象さんを荷物として運べるか聞いてみるわ」


で、脱脂綿の頭はそれ以降数時間にわたり、「もしうちに象さんが来たら」を考え続けることになる。


「いいよなー。象さんがうちにいたら。朝、起きて窓を開けたら(注:私の部屋は中庭に面した二階です)象さんが目の前にいて、窓からえさを上げるなんてオツなもんだな(キリンじゃあるまいしそんなにでかいわけないっちゅうの)。やっぱ、散歩にもつれていかなきゃいけないかな。その時は象に乗って散歩に行けるのかな。うん、なんか、カッコいいぞ(意味不明)。でも、近所のガキなんかが見に来るだろうな。あ、だったらいっそのこと見学料を取ってエサも1ユーロで売るべか。あ、エサ、あのでかい図体だからさぞかし食べるだろうなあ。近所のくされTescoに頼んだら、売れ残りの野菜を提供してくれるだろうか。まて、フンの問題はどうする?ああ、知り合いに無職になったやつがいるからそいつを飼育係に雇うか。あ、そもそも、あのでかい図体の象をどうやって中庭に入れる?だとすると、小象のときから…」


だいたい、ワシントン条約かなんかで保護されているはずの象をダブリンに輸入なんてできっこないし、中庭で象を飼うなどナンセンス極まりないのですが、頭が脱脂綿の私はそんなことすら気がつかない。昼休み、プールで泳ぎながらもずーっと象のことを考え続ける。プールから上がってシャワーを浴びつつも目を閉じて象のことを考え続ける。


で、目を開けたら…そこは真っ暗だった。あれ?何が起こったんだ?と、ほんのわずかな間思ったが、事態はすぐに読めた。


停電。


さあ、この「住みやすさナンバーワン」の国で起こった、過去数ヶ月のうちで何回目の停電だろうか。ただし、非常用電源に切り替わったらしく、窓のないシャワー室とはいえ漆黒の闇にはなってない。更衣室も何とか自分の手許が確認できる程度の明るさをかろうじて保っている。


そこに、ジムの係がやってきた。


係:「いやー暗くてすいませんねえ。どうやら、ここいら一帯すべて停電のようです」


今、ここいら一帯と言った?…ってこたーあーた、うちの会社も停電なの?


ジムを出てみると、なるほど、みんな真っ暗。興味本位でSPAR (コンビニ)へ行ってみると、なるほど、店内は真っ暗なのに、昼休みのせいかお客で一杯。一体レジはどーなってるかと思うと、おお、感心、点内の電灯はすべて切れているが、レジだけは作動して、通常通りスキャンしてる。ただ、手許のおつりの確認はどーするんだ?


で、野次馬根性で会社にも戻ってみると、暗い事務所の中でみんな所在なげに話をしている。おおっ、やっぱりここも停電だよ♪



会社の中もまっくら。私の人生のお先も真っ暗。




私は暇つぶしに、朝、無料でもらった新聞のSodokuを始める。が、いつまで経っても電気は戻ってこない。電気がようやく戻ってきたのは、停電が始まって1時間以上経った午後2時ごろ。


…ちゅうか(いつものことだけど)1時間も平気で停電するなよ。


で、電気が戻ってきたはいいが、ITの担当者がやってきて、


担当:「あ、まだ、コンピュータの電源入れちゃ駄目。システムの復旧をするから」


で、さらに、待つこと1時間30分。なんでシステムの復旧に1時間30分もかかるかシロートの私には相応もつかないのだが、午後3時30分になって、マネージャーが…


マネージャー:「今日はもう、帰っていいよ。悪いけど」


…だったら、停電が始まった1時前の時点でそういってほしかった。…まあ、いつ停電が復旧するかわからなかった以上、マネージャーの判断は妥当だったのですが、結果論でいえば3時間ほど無駄にしました。


で、帰り際に、件のナイジェリア人の同僚がやってきまして、


彼女:「ねえねえ、知ってた?ナイジェリアには象はいないわよ」


…。


さらに、別の同僚がやってきて、


同僚:「ねえねえ、どうしてSnigelが眠れないか教えてあげようか?それは満月だからよ」


…いつから私は狼男になったんだ?


今日こそは眠れることを祈ってます。アホな象の妄想をしないためにも。




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