なべて世はこともなし
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2004年12月01日(水) ひでかす、交通事故に遭う

師も走る、師走です。今日のラジオでクリスマスソングを聴いて、なんだか今年も大したことをしないまま終わってしまう気配でちょっと鬱です。


そんな中、ひでかすからSMS(ケータイへのショットメッセージサービス)が入りました。原文のまま紹介します。


Had an traffic accident. I’m not injured. More news later.(原文ママ)


交通事故?…まったく穏やかではありません。こういうことを聞くと、頭の中で勝手に妄想が膨らんで、しまいにゃ、Beaumont Hospitalの救急病棟でギプスで固められたひでかすの姿を想像してしまうのですが、よく考えたらひでかすは「怪我をしていない」と言っていた。


で、夜になり家に帰ってきて、ことの顛末を聞きました。


ひでかす、会社に行くためにミニバス(日本的にいえば「マイクロバス」)の一番後ろ左の席に乗っていたそうな。で、ミニバスは細い道からT字路を右折するために、左右の交通が途切れるのを待っていたそうな。ちなみにこの左右の道は、片側1車線ながら結構な速度で途切れなく車が流れている忙しい道です。


つまり、バイクなんかと違って、出足の悪いミニバスは、誰かが道を譲ってくれることでもない限り、左右両方の往来が運良く途切れるまで延々待つ羽目になることもあります。


で、ひでかすが乗ったこのミニバス、ちょうど右からの交通がほんの数秒途切れます。ただし、ちょっと向こうにはすでにトラックが来ているのでほんの数秒の隙間。そこに、左から来た別のトラックはパッシングをして道を譲るという合図。当然このチャンスをミニバスの運転手さんは逃すはずもなく、さっと右折しようとします。


ところが、左からのパッシングをして道を譲るはずのトラックがなぜか減速せずに突っ込んできます。すでにミニバスは右折を開始しており、衝突は不可避。しかも、このままだと、ひでかすが乗ったバスの左後ろから衝突することになりそう。


さすがに人生が走馬灯のごとく流れるということはなかったそうだが、それでもそのほんのコンマ数秒は本当にゆっくりゆっくり流れたそうな。まず、ひでかすが思ったことは、「このままだと、顔面に割れたバス後面のガラスが直撃する」。で、その認知に対して彼が取った判断は、「頭を下げろ!」で、その結果の行動として、とっさに隣りの乗客の膝の上に頭を手で抱えて乗せたそうな。その一瞬にひでかすは思ったそうな。


この膝がいけてる女の子のだったらよかったのに。


そう、隣りの席にいたのは、いけてる女の子などではなく、むさ苦しい男だったそうな。ひでかす、人生ってそんなもん…ってそういう問題じゃないだろうに。


そして、ひでかすが万全の準備を整えて、激突の瞬間に備えたその刹那、果たしてミニバスとトラックはぶつかった。ただし、「激突」などではなく、バスの車内に軽い衝撃が走った程度。ガラスが割れることもなかった。


火災を恐れて、ひでかすは他の乗客と避難。車外から事故現場を見ると、思いがけず小さな事故だったそうな。仕方がないから、ひでかすは歩いて会社に行った。


その日の夕方、ひでかすは事故の真相を聞いて脱力をする羽目になる。ひとつ疑問が残りませんか。なぜ、左から来たトラックの運転手は、道を譲る気などないくせにバスに向かってパッシングをしたのか。


その答え。


トラックの運転手は対向車の同僚のトラックの運転手にあいさつをしただけだった。


…ありがちな事故、なんですかねえ。


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