なべて世はこともなし
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|アイルランド真実紀行へ
2004年05月01日(土) |
EU拡大を議長国ダブリンからお茶の間レベルで見る |
なんでも本日2004年5月1日は歴史的な日だそうです。EUが東に拡大して、新たにポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー、スロベニア、エストニア、ラトビア、リトアニア、キプロス、マルタの10カ国が加盟して、計25カ国になったそうな。待て待て待て、ポーランドからスロベニアまではドイツの東にある国で、あとはバルト3国で、キプロスとマルタにいたってはどっかの島だったような気がするがどこだっけ?そりゃ、私がアホなのは認めますが、道行くアイルランド人に聞いたって、この10カ国を全部言える人が一体何人いるやら。
このEUの拡大でいちばん懸念されているのが雇用問題。つまりですね、企業の新たな生産拠点が、賃金の安い東へ東へとシフトしてるわけです。特にアイルランドで今まで税制上での恩恵を受けていた会社が賃金の安い東へ東へと移動して雇用が減る恐れがある点。逆に労働者が逆に西になだれ込んでくることにより、雇用が減る恐れがある点(これには一定の規制がかけられるようですが)。こういう問題をどうするつもりなんだか今度うちの近所のパブで飲んでるアハーン君(首相です)に聞いてみようかなあ。
冗談はさておきですね、現在アイルランドはEUの持ち回りによる議長国です。かくして、ダブリンにて記念式典が行われたわけです。ちょっと今までのアイルランドからは考えられないくらいの厳戒態勢が敷かれてました。通勤路として通りがかったPhoenix Parkは不審者を警戒してサーチライトが置かれ、警官もうようよ。(ちなみに金曜日以降は立入禁止になっているようです)。シティセンターにも警官がうようよ。…と言っても日本の厳戒態勢の比じゃないですが。
これで、思わぬ被害を被ったのが私。この土曜日は、3週間ぶりに土曜勤務の任から解放され、ようやくぼさぼさになった髪を切りに行けると喜んでまして、行きつけの美容室に予約を入れておいたわけ。ところが土曜日になってケータイに電話がかかり
「ごめーん、土曜日は臨時休業」
なんでも300人とも言われるEUの拡大に反対する過激な運動家がダブリンで問題を起こすことが懸念されていて、臨時休業にしたんだそうな。私にとてもEU拡大はその程度の問題です。…たぶん多くのアイルランド人にとっても同レベルではないかと自分を中心にて世界が回っている論理で考えてしまうのですが。
かくして、映画を見てきました。Monsterというやつ。何でも主演女優のCharlize Theronがこの映画でアカデミー賞やゴールデングローブ賞を取ったそうな(あ、ネタバレは避けるので安心して読んでね)。
彼女の役どころは売春婦。中島みゆきの「ふたりは」がぴたりとはまりそうな路上で生きる売春婦なわけですが、彼女がひょんなことからレズっ子の女の子と出会い、彼女と恋をして、売春から足を洗おうとするのですが、社会が受け容れてくれない。で、当座のお金のためにやむなく売春をしたところ…(以下ネタバレにつき自粛)。
このCharlize Theronはメイクも手伝って、本当の売春婦のよう。で、その悪女ぶりも際立っていて、とても演技とは思えない。そんな彼女は実は、The Italian jobに出演してて、その時の美しい彼女とは誰がどう見たって同一人物とは思えない(興味のある方は上の公式サイトへのリンクから比較して見てください。誰がどう見ても同一人物には思えない)。本当にこの女優のすごさを感じさせられますよ。各賞の受賞もうなずけます。
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