なべて世はこともなし
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2003年05月23日(金) 交通違反。アイルランドでは「逃げ得」が通用するのか??

東欧出身の大学院生、仮にアダムとでもしておきましょうか。彼のお話です。彼の趣味は旅行。チャリンコで出かけることもあれば気のおけない友人とレンタカーを借りてトランクにテントをつんで旅行することもしばしば。で、彼は去年のある週末、仲間内でレンタカーを借りて西へと出かけていきました。


で、その日の夜、どういういきさつだかは知りませんが、夜中の1時ごろ、某国道を70-80マイルで走っていたそうな。アイルランドの制限速度は特に指定がない限り60マイル。つまり10-20マイル(16-32キロ)の速度超過ということになる。ただし、その国道は「どこまでもまっすぐで、真新しい舗装で、道幅も広くて、キャッツアイ(路面にある反射板)も完備されていて」(本人談)速度超過をしていることに対する罪悪感や恐怖感はまったくなかったそうな。


この次に何が起こったかは賢明は読者諸氏はすでにお分かりでしょうが、そう、当然に出てきたのがケーサツ。彼は速度超過で検挙されてしまいました。


夜中の1時にネズミ取りをしているというのはまことにご苦労な限りですが、このケーサツ官氏、彼の免許証(アイルランド発行)を見て、さっさっさと反則切符を書いてアダムを放免。「どこへ行くの」とかいう感じの尋問はまったくなし。ちなみに反則金は60ユーロだそうな。日本に比べりゃ安いけど、まあ学生の身には痛いことは間違いない(私にも痛いが)。


で、彼がダブリンに戻ってきて1ヶ月後、彼の元にこんな手紙がやってきた。


「アダム氏。

あなたは超えてはいけない線を越えて運転していたことが監視カメラによって撮影されました。罰金25ユーロをすぐに払ってねん。

ケーサツ」



よく意味が分からないという方、ご安心ください。私にもわかりません。この文章を書くに当たってアダムにどういう意味か何度も聞き直したのですが、「ボクにも分からない」(本人談)というお話。なんだか知らないけど、何らかの違反を固定式のカメラで検挙されたそうです。この話、ちょっとつじつまが合わないのですがその点はあとで触れます。


このケーサツの手紙はまずはレンタカー会社に届けられてから、レンタカー会社から住所の開示を受けてアダムの家に届けられたことが予想されます。つまり、「レンタカーだから捕まっても大丈夫」というのは間違いということになります。まあ、日本の住所まで追ってくるかどうかは知りませんが…。とりあえずちょっとした役に立つ情報ではないでしょうか。


ともあれ、よく分からんこの手紙、彼は放置することに決定。それにしても週末に2度も検挙される彼っていったい…。


すると忘れた頃、今度は


「アダム氏

あんたはO月X日に犯した違反についての罰金を払ってないでいかんがね。O月O日までに罰金を納付しなかったら裁判所行きになるがね。

ケーサツ」




O月O日って…もう3週間も過ぎてるじゃん。


知ーらない♪


…それっきりだそうです。


ちなみにこの話は点数制度が施行される前の話ですので現在どうなってるかは知りませんよ。この日記を読んだおかげで裁判所に行く羽目になったとかいう苦情は一切受け付けませんのであしからず。


去年の秋からだったと思うのですが、ついにアイルランドでも交通違反の点数制度がスタートしました。システムは日本のそれによく似ています。スピード違反で-2点。で6点を確か2年のうちに失うと1年間免停。そんな感じだったと思います。


ただし、いまだにそれを手作業でやっているのでまともに機能していないそうですが。


…というニュースが流れて「逃げ得」と思った輩が増えたのか、そのあとケーサツは慌てて


「払わなかったら違反の点数を倍にするペナルティがあるけんね」(なんで広島弁だったり名古屋弁だったりするのかは突っ込まないでね)


とムキになって主張してますが、さあ、本当のところはどうなのだか。


んでもって、これは数週間前の新聞記事。記事によればアイルランドには20台のオービス(固定式の速度違反取締カメラ)があるそうな。高い機械なので日本同様相当数のダミーが紛れています。さて、ここで問題。アイルランドにあるオービス20台のうちホンモノは何台あるでしょう?


3台
6台
9台



正解は3台だそうな。つまりカメラの前を制限速度以上の速度で駆け抜けても検挙される可能性は15%以下。かなりの運の悪さということになる。


この事実をすっぱ抜かれたことに慌てたケーサツは


「でも3台のカメラは随時入れ替えているからどこにホンモノのカメラがあるかは分からんがね!」


と言ってます。まあ、罰金がどうこうではなく安全運転を心がけましょうと小学生の作文並みに強引な結論を導いて今日の日記はおしまい。


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