なべて世はこともなし
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|アイルランド真実紀行へ
昼下がり。私の電話が鳴る。電話機のディスプレイには
「英語ヘルプライン」
の表示。
まあオフィスの電話だから当然だけど、会社の電話機にはディスプレイが着いていて、内線か、直通の外線か、はたまたヘルプラインでさばき切れなかった電話が転送されてきたかはすぐに分かる。で、この場合は私がいちばん歓迎しないヘルプライン。このヘルプラインの電話がかかってくると私は仕事を中断しなければいけないし、厄介な爆弾を抱え込む可能性も大。特に仕事が忙しい時には電話線をハサミで切りたくなる。…とはいえ出ないわけにはいけないので例によって空元気な声で
私:「XX社でーす」
と答える。
で、たいがいの場合は機械的に
お客:「…ちょっとお伺いしたいんですが…」 私:「お客様番号をいただけますか?」 お客:「12345678です」
12345678とコンピュータに打ち込むと、ぽんとお客さんの個人情報が現れる。
私:「Smithさんですね。はい、どのようなご要件でしょう」
…と会話が流れる。私も慣れたものでほとんど頭は空白のままで会話を進めることができる。
で、ほとんど百回に一回以下の確率だが、お客様番号を打ち込むと日本人の名前が出てきたりする。当然私はその瞬間から日本語に切り替える。当たり前。なんで日本人同士で英語を話さねばならんねん。するとたいがいのお客さんは驚いて
お客:「あれ、日本人の方ですか?」
と言ってくる。そりゃそうだ。この会社、日本では知名度ほぼ0。とても日本人が勤めているとは思えない会社。実際、日本人、というかヨーロッパ人以外の人間は私だけだし。お客さんの電話が私にあたる確率と、同時にお客さんが日本人である確率はかなり低いと思う。
ところが一度…
お客:「なーんだー、やっぱ日本人の方だったんですね。そうじゃないかと思ってたんですよ」
…悪かったな。発音が悪くて。
このお客様には私は愛をこめて…
私:「私もそう思いました」
と言わせていただきました。
まあ実際のところ日本人の英語はわかりやすいですね。なんとなくそうじゃないかなと思う。母国語が同じだから仕方ないといえばそうなのだが。
そうかと思うと、内線が鳴り…
同僚:「Snigel、お願いだから電話に出て。日本人のお客さんなんだけどまるで要領を得なくて」
なんて泣き付かれたこともある。で私が電話に出ると
お客:「私はChan Won Liです」
…中国人やんけ… なんてことも何度かありましたが。なんだか知りませんが、私は「訳のわからん言語担当」になっているようです。
で、私の書きたいことはこれじゃあないのです。電話が鳴り、いつも通りお客様番号を聞き、「どのようなご要件でしょう?」まで話が進んだ。そこでお客さんは…
お客:「あなたの名前は?」
うーん。これ、私が一番嫌うパターン。まず名前を聞かれる。実はこれ、コールセンターに電話をかける時に実は有効なテクだと思います。名前を覚えられていると思うといい加減な対応ができなくなります。まあ、過去日記にも書いた通り、適当なことをほざいて電話の最後に名前を聞かれ、日本人のくせに「クリスティーンでーす」なんて言ったツワモノの女の子のことも私は知ってますが。
私:「Snigelですが…」 お客:「ああ、Snigelさんね。で、XXがOOした件なんだけど、あ…書類を用意してないわ。持ってくるから待ってて」 私:「ああそうですか。じゃあ同時に私もお客様の顧客情報を確認しますね」
…実はこの一言が大きな間違いだった。
1分経過。
2分経過。
3分経過。
4分経過。
相手はずっと無言。私は5分が経過した時点で電話を切る。そりゃそうだ。私だって忙しいんだから5分もボーっとしてられない。
ほどなくして内線が鳴る。
同僚:「今まで話をしていたという人から電話が入ってるよ」 私:「…つないで…」
私:「ええと、どういったお話でしたっけ?」 お客:「あなたが調べものをするからって言ったからずっと待ってたのに突然電話が切れたわ」
…おわかりいただけたでしょうか。実はお互いに「何か調べものをしている」と思ってぼーっと待っていたのです。5分以上も国際電話で。5分もぼーっと待つ私は超越したアホタレと思いましたが、お客もそれに勝らずとも劣らないアホタレだったようです。
PS: 某サイトでこんなホムペが紹介されており、私は会社で笑い死にしそうになりました。まずはこちらをクリックして一通り閲覧した後こちらをクリックすると私と同様笑い転げることになるでしょう。ただし、電話回線の方は重過ぎるので諦めてください。
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