なべて世はこともなし
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|アイルランド真実紀行へ
2002年12月16日(月) |
恐怖。仮免許で一生運転できるアイルランド |
アイルランドの交通規則を語る上でどうしても外せないもの。それはProvisional Licence(仮免許)。
日本で言う仮免許は、教習所で一定の教習を終え、ある一定の技能を持った者が路上で運転の練習をするために発行されるもの…だと思います。まあこういう書き方をするとアイルランドの仮免許も同じといえば同じです。
ところがアイルランドの仮免許は、なぜか有効期間が2年。この間、(例えば乗用車なら乗用車のカテゴリーの)免許を持った人が同伴していれば、路上を走ることが出来ます。で、この「2年間」という期間が実にクセモノでして。だって2年ですよ。2年。そんなに長い期間運転できるなら、別に本免許を急いで取る必要はないじゃないですか。
で、2年以内に本免許の試験に落っこちるなどして本免許が取れなかった場合どうなるか。これがミソ。
さらに2年間の仮免許期間が延長されます。
で、その2年間でもさらに免許が取れなかった場合。テストに受からなかったことを証明すればさらに2年間延長できます。
…本免許を取る必然性がないじゃん。
まあ不便な点を強いて上げれば誰かが同伴していなければいけないという点。ところが、最初の2年間を除けばひとりで運転してもいいのです。
…本免許を取る必然性が全然ないじゃん。
…と言うわけで、言い方は悪いですが、本免許を取れないのに路上をひとりで運転しているという狂暴な運転手がアイルランドには多数存在します。そんな運転手がイナカ道を100キロ以上のスピードでぶっ飛ばすのですから事故が多くて当たり前です。自動車保険が高くて当たり前です。
そんなLドライバー(仮免許保持者をこう呼びます。LはビックのLではなくLearnerのL)を横に乗せていた時の話。彼女は左の標識を見てひとこと。
なんでここでピクニックをしちゃいけないのかしら。
アイルランドにお住まいでない方のために解説すると、これは「高速道路(としての規制区間)の終わり」です。この標識は私が知る限りヨーロッパ内共通のようですが。ですが、決して、テーブルとベンチではないのです。
…ちゅうかあんた一生免許取らない方がいいよ。マジで。
そう言いたいのを必死でこらえました。
こういうマジボケって、どう対応していいのか困りますよね。笑い飛ばせれば楽なのですがそうすると彼女が傷つくし。
そういえば私がまだ純情なイナカの少年だった中学生の頃。場所は社会見学の途中の貸切バスの中。郡部に住む私たちは同じQ州の片田舎にしてはちょっとは発展している某市にやってきました。ちなみにあちこちうろうろするのがその頃から趣味だった私はその某市もよく知っていましたが、中にはイノシシが出没するとんでもない山奥に住んでいる女の子も同じクラスにおりまして(いったいSnigelはどんなとこに住んでいたんだろう…)。彼女、通路を挟んで私の反対側の席に座っておりました。
で、彼女の側にででーんと現れたのは
白亜のお城。
別名ラブホテル
ほら、イナカの方に行くと、高速のインター界隈にラブホテル街があるじゃないですか。それもなぜだか自由の女神がでーんと建っていたりとかやたらとメルヘンチックな建物だったりとか。で、そのラブホテルも例外でなく、(たぶんハリボテなんだろうけど)国道から見ると白亜のお城。なんだか意味もなく目立ちます。
で、彼女、とっても明るい性格をしておりまして、ついでに良く通る声を持っておりました。で、バスの中に響き渡る大声で(本人は隣りに座っている女の子に話しかけているつもり)
彼女:「ねえねえユウコー、あの建物なーに?」
隣りに座るユウコは小声で…
ユウコ:「ホテルよ。ホテル」
すると彼女は心底感心した声で
彼女:「ええ?あれがホテルー。私あそこに泊まりたーい」
バスの中の空気が凍りつきました。その後誰かが彼女に真実を教えてあげたのか(まあ、ユウコの言うとおり「ホテル」というのが真実なんだけどさ)、それは私の記憶には残っておりません。そんな彼女も風の噂では、親方日の丸の官公庁に就職、結婚後もバリバリのキャリアウーマンとして働いているそうな。
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