なべて世はこともなし
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|アイルランド真実紀行へ
2002年11月29日(金) |
拝啓:アイルランドで歩行者をされている皆様 |
アイルランドは冬。日が昇るのが遅くなり、ついでに日が暮れるのが早くなってきました。つまり、私が出勤する頃はまだ暗く、私が退社する時はもう暗い。しかも雨が多い。さらに走るのは町中…と車の運転に関して思いつく限りの悪条件が揃っています。
ちょっと今日は、とりわけ語学留学などでアイルランド、ダブリンに来て間もない方、さらにこれから来ようという方にお願いがあります。
イギリスもそうですがアイルランドの歩行者は(歩行者だけじゃないような気もするが…)信号を守りません。みんな赤信号で渡ってます。まあ、これ、信号に根本的な欠陥があるからに他ならないですが。
マニアックですが、日本の信号の多くは「歩車一体型」で、アイルランドのすべての信号は「歩車分離型」です。なんのこっちゃって?今説明します。
たとえば。日本のどこにでもあるような普通の信号機つきの四つ角。歩行者用の信号が青になると同時に自動車用の信号も青になります。つまり歩行者は車に注意しながら横断することになります。当然青信号で渡っていたのに左折して来たトラックにはねられた…という事故も後を絶たないわけです。
それにひきかえイギリス、アイルランドの信号のすべては「歩車分離型」の信号です。つまり、歩行者用の信号が青の場合、車が信号無視でもしてこない限り横断中にはねられる心配はありません。ほら、日本でも駅前とか人通りが多いところは歩行者用の信号が青の時は車の信号は赤という信号があるでしょ。あれです。あれ。公安協会だかなんだかも安全性の高いこのテの信号を増やそうとしているそうです。
…じゃあアイルランドの方が進んでいるのね…と考えるあなたはとっても甘い。S&Bカレーの王子様より甘い。この「歩車分離型」の信号の欠陥に気がついていない。
問題点、何か分かります?まあちょっと考えれば分かると思うのですが、信号のサイクルが歩行者用の信号が青になる分長くなります。例えば普通の四つ角。日本の「歩車一体型」では本線用の信号が青→支線用の信号が青→(本線用の信号が青に戻る)で1サイクルになるのに対し、アイルランドの「歩車分離型」では本線用の信号が青→支線用の信号が青→歩行者用の信号が青→(本線用の信号が青)となるわけです。ね、サイクルが長くなる。
サイクルが長くなるということは赤信号の時間が長くなる。赤信号の時間が長くなるということは車にとっては渋滞が増えるということ。…これに対するアイルランドの行政のやり方はとってもわかりやすい。
ならば歩行者用の信号を最初から取り付けなければいい
…最近変わってきてますが、未だに歩行者用の信号がないところ、多いですよ。うそだと思うならO'Connell Bridgeのひとつ下流のButt Bridgeに行ってもらえば分かります。ここ、ダブリン一乗降客数の多いTara Streetという駅の前。なのに歩行者用の信号4つあるべきところ2つしかついてないですよ。Tara Streetの左側を歩いてきた人はトラックにはねられないように祈りながら走って渡るしかないんですよ。
そういうわけでかどうかは知りませんが、アイルランド人、道路横断にかなりの度胸がついています。ちょっとでも車と車の隙間があればすっと渡ってしまいます。で、さっきの「歩車分離型」の信号、赤信号の時間がやたらと長いのでみんな車と車の間隙を縫って渡ってしまいます。せっかくの歩行者用の信号が青になった時にはすでに歩行者は横断してしまっている…ということもしばしば。さすがアイルランド、どこか抜けているんですよね。
で、話は最初に戻ります。私の通勤している時間帯、ダブリンは暗いです。ついでに雨が降ってたりするともう視界はほとんどありません。そんな中
無理矢理飛び出して人の前を横断するんじゃねえよ。ボケッ
はい。上の一文が書きたいがために今日の日記を書いています。運転する側として言わせていただきますが、はっきり言って歩行者、見えてませんよ。特に対向車のライトの影になって視界に入っていないことが多いです。ましてや雨だとますます見えてませんよ。確かに雨の日、濡れるのは嫌ですから無理矢理横断したくなるのも分かりますがますますキケンです。
一番嫌な歩行者は、横断歩道でもない場所で無理矢理横断しようとしてセンターライン上で待ってるやつ。あれが一番見えません。しかも動きが予測しづらいので恐いです。数日前のどしゃ降りの日の朝もセンターライン上にいた女の子にかなりどきっとさせられました。ましてやベビーカーを押しながら無理矢理横断する若い母親など私の感覚では信じることができません。
どうかこのホムペをご覧の皆様、支離滅裂な運転をするアイルランド人、あるいはCDを取り替えようとして追突するようなアホな私にはねられたくない方、青信号まで待てとはいいません。でも、どうか命いらずなアイルランド人のマネをして無理な横断をするのは止めてください。あなたが思っているほどあなたは路上で目立ってません。どうか自分の身は自分で守ってください。
特に保険をかけていないで来ている人。知ってました?ヒコーキでの遺体の搬送は法外な料金を請求されますよ。どうせ死ぬならちゃんと日本の実家の畳の上で安楽死しましょうよ。…とまあ、最後にいらんことを書きましたが、本日はちょっとまじめに交通安全に対するお願いでした。…ああ、早く春が来ないかな。
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