なべて世はこともなし
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2002年11月27日(水) ストで思い出したエアリンガスの事件

数日前の話ですが、フランスの航空管制官の組合だかなんだかがストを起こしたらしく、ダブリン発のフランス行きをはじめとした一部ヨーロッパ行きのヒコーキが一日すべてキャンセルになったらしい。エアフランス(シティジェット)あたりがまたお客をひどい扱いをしたんだろうなあ、と思っております。あ、Ryanairはひどくて当然ですが。ともあれ、フランスで足止めを食らった方、いらっしゃいましたらお見舞い申し上げます。


ともあれ、なんとなくですが、フランスってしょっちゅうストをやっているような気がしませんか?しかもやることが派手。トラックで高速道路を封鎖したりだとかろくなことをしない。…あ、これ、作者の偏見かもしれません。


で、この話を聞いてだいぶ前に読者様からしいれたこんな話を思い出しましたのでご報告です。私が直接体験した話ではなく聞いた話ですので若干の脚色あり…と話半分で聞いてくださいませ。


場所はベルギーはブリュッセルズの国際空港、つまりまともな方の空港の話(ちなみにまともでないのはRyanairがハブに使う郊外のミニ空港)。ここでうちの読者様の女性がエアリンガスのダブリン行きのヒコーキを待っていたそうな。悪天候だかストだか忘れたけどヒコーキはかなり遅れていたらしい。で、前のヒコーキに乗れずに足止めを食らっていた人もいたらしい。


で、遅れつつも搭乗開始。元々の客が少なかったのかヒコーキの中は半分くらいしか埋まっていない(この辺、作者も記憶で書いてますので信憑性はあまりない。しつこいけど話話半分でよろしく)


いざ離陸!という段階になり突如機長が機内放送。


「乗客の皆様こんばんは。本日はヒコーキが遅れましてご迷惑をおかけしております。さて、現在パリにおきましてもたくさんの乗客の方が足止めを食らっております。一部の乗客の方はかなりの長時間ヒコーキに乗れない状態になっております。というわけで、このヒコーキはパリ経由でダブリンに向かいひとりでも多くのお客様をダブリンまでお連れします。お急ぎのところ恐縮ですが…」


前代未聞。ブリュッセルズ発直行ダブリン行きのヒコーキをなんとパリ経由にして運行するそうな(ああ、この場に居合わせたかった)。


作者自身がホントかなとにわかに信じられなかったこの話、実はこの続きがあります。ヒコーキはほどなくパリに到着。スッチーさんは


「ブリュッセルズからご搭乗のお客様はこのまま機内でお待ちください。」


と乗客を機内で待たせる。すると、例のパリでもジャージ姿だったと思われるジャージ軍団がどかどかヒコーキに乗り込んできた。


満席になる。


…ちゅうか席が足りない。


世界中のどの国にも未だに吊革付のヒコーキというのがないところを見ると、ヒコーキは座って乗るもののようです。だけど席が足りない。ここでスッチーさんがとった行動とは、これがまた人智を超越している。


「すみませーん、ビジネスクラスのA・C席にご着席の皆様、一度席を立ってください。」


エアリンガス他、B737やA320などの単通路型の小さなヒコーキの多く、ビジネスクラスとエコノミークラスの差はほとんどない。というか、「今日は前から3列がビジネスクラス」とか「今日は前から10列目までビジネスクラス」といった感じで弾力性のある運行をしている。で、ビジネスクラスとエコノミークラスの席が同じだとみっともないので(ホントか)、一列にエコノミークラスでABCDEFの6席あるところ、B席をつぶしてその分ACDEFの席を広くしている。つまり、ビジネスクラスにはB席は存在しないわけ。よーわからんという人はこのページを見てくれい。


で、スッチーさんは慣れた手つきでシートをよいしょっと通路側に引っ張り出し、あーら不思議ビジネスクラスのシートはエコノミー席に早変わり。と、ヒコーキはビジネス席のない総エコノミー席になりダブリンに向かいましたとさ。


まあこの話、ありえない話ではないような。まあ、「そこまでして乗れなかったお客を大事にするとはさすがはエアリンガス」と思うか、「遅れてるヒコーキをわざわざパリ経由にしてさらに遅らせるとはざけんなエアリンガス」と思うかはあなた次第です。ただ、私は一言だけ言わせてもらいたい。


座席の数くらい数えてお客を乗せようよ。エアリンガスさん。



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