なべて世はこともなし
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|アイルランド真実紀行へ
午後5時には真っ暗なアイルランドからこんばんは。
うちの会社、イギリスにも多数お客さんがいますが、それ以上にヨーロッパ大陸に目を向けています。で、ご存知の通りヨーロッパの大陸部は時差が+1時間あります。…これって考えてみると変ですよね。イギリス・アイルランドより西にあるスペイン・ポルトガルは1時間遅れててしかるべきなのに実際には1時間進んでいる。そんなことならヨーロッパじゅう同じ時間帯に統一してしまえばいいのにといつも思います。
なぜかというと、この会社、上にも書いたとおり、大陸にお客さんが多数いますので、社員の半分は午前8時に仕事を始めます。ドイツやフランスはこの時点で午前9時。通常の始業時間です。ゆえに午前8時から電話がかかってきます。…というわけで、私の月の半分の始業時間は午前8時です。たとえドイツ語が話せなくても。
ところが今週のように午前11時から始まる週もあったりするわけです。つまり8時からに比べて3時間遅く始まる。これ、当然の帰結として、3時間帰るのが遅いわけで。
午後4時。
「じゃあね。おつかれー」
と半分の人が事務所から消えます。
午後5時。
「それじゃあね。ごくろうさまー」
とさらに半分の人が事務所から消えます。
残ったのは、私のように7時まで勤務の人間数人と、家がどこにあるのか忘れてしまったらしいドイツ人(それくらいいつも会社にいる)とサービス残業を強要されている(仕事の段取りが悪いからという説もあり)一部の上司。
その時点ですでに日はとっぷり暮れています。私の中ではもう午後7時くらいの感覚です。私の中ではもう一日は終わっています。
ええ、夜にお仕事をされている皆様、「歴史は夜作られる」と夜の盛り場(死語)のネオンライトの元に通われる夜の女王(死語以前に意味不明)の皆様、大いにやってくださいませ。ただ、私にとって、一日は日暮れの時点でほぼ終わりです。
というわけで、午後5時から7時までの長いこと長いこと。外を見れば真っ暗。会社の中はまばらな人影。元からないやる気がますますなくなる方が自然です。
というわけで仕事をしてるんだか何をしているんだか分からない長い2時間が過ぎ午後7時。よせばいいのにジムに行く。
ジムなんて退屈です。同じ器械をぐるぐる回したり、持ち上げたりを繰り返すだけ。何が面白いんだかさっぱり分からない。…そんな私をジムに向かわせる唯一の動機は
「毎月50ユーロも払ってんだからお金がもったいない!」
だけです。いつも考えています。
「このペースでくと月末までに8回ジムに行くわけか。ちゅうことは1回あたりのコストは6ユーロちょいか。もう少し頑張らんとな」
こんなことを考えながら訳のわからん器械をぐるぐる回してます。…アホですな。
で、ジムの閉館時間、午後9時にジムを追い出された私。私の感覚ではもう真夜中。急に一刻でも早く帰りたくなり珍しく高速を使い帰宅。
家に帰ると…
ピーヒャラピーヒャラ
ズンドコズンドコ
…別にちびまるこちゃんのテーマソングを書こうとしているわけではありません。私と薄い壁を隔てて隣の部屋に住むひでかすがまたトラディショナルアイリッシュミュージックのテープ(今時テープ)とともに、わけのわからん笛や太鼓(バウロンっていうんでしたっけ)を吹いて(たたいて)遊んでいます。うるさいですが本人の楽しそうな顔を見るとfont oclor="aqua">不憫でうるさいとはなかなか言えません。
ピーヒャラピーヒャラ
ズンドコズンドコ
トウルルル
ピーヒャラピーヒャラ
ズンドコズンドコ
トウルルル
ピーヒャラピーヒャラ
ズンドコズンドコ
トウルルル
ひでかすのバウロンに紛れて聞こえる音。電話?
案の定電話が鳴っている。
私:「もしもし?」
相手:(あいさつなし)「何で電話にすぐでないのよ!」
声の主はひでかすの彼女。彼女は私のこともよく知っているのでこういうふうにいきなり始めますが、別に彼女が無礼者というわけではありません。たぶん。ともあれ、電話にすぐでなかったのは聞こえなかっただけで…
私:「ばっきゃろー。この音が聞こえんのか」
と受話器を中にかざす。
ピーヒャラピーヒャラ
ズンドコズンドコ
ひでかすの彼女:「ああ、そういうことね」
彼女はすべてをご存知です。
私:(ひでかすの部屋のドアをグーで叩きながら)「電話じゃ、ゴルァ」
…次の瞬間ようやく静寂の時間が戻ってきました。ひでかすの彼女、いいタイミングの電話だったよ。ありがとう。
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