なべて世はこともなし
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2002年08月08日(木) そりゃお世辞だとは分かっていますよ...

「Snigelはかっこいいね」


とフランス人の女の子に言われて一日気分が良かったです。


えーえーえー、お世辞だと分かってますよ。そりゃあもう疑う余地なくお世辞です。でもねえお世辞でもウソでもそういうことを言われると嬉しいもので。


だいたい子供のころから非モテ系で、バレンタインのチョコレートをもらったことすらない。そんな暗い人生を送ってきたんだから、一度くらいかわいいフランス人の女の子から「かっこいい」と言われたって罰はあたらないでしょ?ね?ねっ?


でも帰宅前にこのいい気分は見事に壊されてしまいました。突如スーパーバイザーがにこにこしながらやってきた。嫌な予感がする。案の定…


「Snigel、どーしても人が足りないの。明日一日だけまたコールセンターに行って」


やだ。…とはっきり言ったのですが


「そんなこと言わないでー。前回やってくれたときも評判良かったし。本当によくやってくれたし。お・ね・が・い」


…そこまで言うのならと、けっきょく押し切られたものの、はっと気がついた。


評判が良かったって、どうしてわかるねん。


だってお客様はクレームを言うことはあっても誰かが良かったということはまず言わない。しかもあんた私がコールセンターをやってた週はどこかスペインだかに行ってたでしょう。


またハメられた。Snigelはお世辞に弱い。困ったアホタレだと自分で思う。


お世辞に弱いで思い出したけど、かなり昔の話ですが、ラッセンの絵を売りつけられかけたことがあります。


クリスチャン・ラッセン。ほら、クジラだの何だのの版画を書く人。よく「ラッセン展」とかいってチラシが入ってたりしませんか?あれ。私が大学生のころ結構好きだったのでそういうチラシが入るたびに行っていた。


で、ある日、八王子の某所でまた展覧会をやっていた。で、そこで熱心に絵を見ているとおねえさんがやってきて、


「熱心にご覧になってますね。芸術に造詣が深くてらっしゃるんですね」


という見え透いたお世辞から始まって、お世辞のオンパレード。いつの間にか別室に連行され、あと少しでいくらだっけ、60万だかする絵を売りつけられるとこでした。むろん最後に断りましたが(なんで小汚いアパートにそんなすごい絵を飾らねばならんねん)。あれも私がお世辞に弱い証拠のような。だいたい私はドラえもんすら描けないのに芸術に造詣もクソもあったもんじゃあない。お世辞とは分かっていても…。全く進歩のない人間だと自分で思います。




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