なべて世はこともなし
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|アイルランド真実紀行へ
2002年07月22日(月) |
今日の日記はコールセンター(サポセン)に勤める方に捧げます |
現在の会社に勤めるようになって早半年。自分で言うと身も蓋もないが、人並み以上の仕事をし、自分なりに頑張ってきたつもり。…それが思いっきりアダになってしまった。悪夢はスーパーバイザーのこの一言から始まった。
「悪いんだけど、来週1週間『お客様係』の手伝いをして。人手が足りないんだ」
「お客様係」。早い話がコールセンター「サポートセンター」略して「サポセン」なんて呼ばれているようですが。まあ私の会社はコンピュータ関係ではないし、こっちでより一般的な用語「コールセンター」で今後は統一しますが。
私Snigelあえてはっきりと書きますが
電話が大嫌い
です。
確かに英語だからというのもないわけではありません。私の英語力なんて知れてますからそれで電話がいやだというのは確かにあります。とはいえそれ以上に「顔が見えない」ということが嫌なのです。これは日本にいたときも同じ。
電話をかけることはそうでもありません。だいたいの要点を押さえておけば話は割に簡単に進みます。が、反対に電話を取るとなると…。こっちはどんな話が始まるのかまったく想像がつきません。しかもコールセンターに電話をかけてくるときは何かよくないことが起こっているときに他ならないわけで。
そんなばかなことを考える暇がないほど電話はかかってきます。しかもこの電話にはあからさまに波があります。これはスーパーのレジ係をしたことのある人なら分かるはず。ある瞬間にはお客さんは全然いないのに、その数分後にはお客さんの行列ができている。それと同じ。しばらく電話がかかってこないと思ったら、突然相当の人数の人が待っている。
私が何の仕事をしてるのか、具体的に書けないのがもどかしいのですが、私の担当のお客様たち、世界のまさにそうそうたる「一流」と呼ばれる会社に勤める人ばかりです。はっきり言えばある程度の所得がないとうちの会社のサービスは受けれません(私の収入では逆立ちしてもだめですが)。なのに!どうして電話であそこまで子供じみた反応ができるのか。これは謎です。
これは某大手カメラ店に勤めていたときに感じたことですが、電話の向こうにいる人間と、目の前にいる人間は例え同じ人物であっても別人です。例えばこんなことがありました。電話の向こうは気難しそうな中年男性。
男性:「お前のとこで買ったカメラ動かないじゃあないか!今すぐうちまで新しいの持ってこい!」
そりゃあまあすごい勢いで怒ってます。まさに手がつけられない状態。仕方がないので新宿くんだりから新京成線に乗り向かったのは某松戸の住宅街。そこで言われたこと。
男性:「ああ、これはわざわざ遠いところまで申し訳ない。お茶でも飲んで行かれますか?」
まさにへ?状態。受話器を耳から1メートル話しても怒鳴ってるのが聞こえるような怒鳴り方をしていた人とは同じ人とは思えない。何度も客先訪問(クレームの相手先訪問)をしましたが、これは私にとって100%の確率で、「電話で怒っている人も、実際に訪問すれば怒っていない」という法則が成り立つのです。これが私が電話を大嫌いになった理由の一つ。
翻って今日の私。やはりこの法則はヨーロッパでも立派に成り立つようで、まあ電話の向こうには頭のいい5歳児のだだっこがいるようなものでして。「できません」とひとこと伝えるのに費やされる空虚な時間。とりわけイギリス人は何か難癖をつければ何とかなると思っている節が強い。何でもない状況なのに、「責任者を出せ!」なんて怒鳴ってくれたり。
午後3時。私はこれまたハードクレーマーのイギリスの男性客とやりとりをしていた。
私:「ですからこの件に関してはもうしばらく現状維持という方針で行くのが一番かと…」 客:「んなことはどうでもいいんだ。私は今、すぐ、XXして欲しいんだ」 私:「おっしゃっていることは理解できます。私どものやりかた…」
♪はっぴーばーすでーとぅゆー ♪はっぴーばーすでーとぅゆー
突然オフィス中に響き渡る「♪はっぴーばーすでぃー」の声。誰かの誕生日らしく、ケーキを持った数人が部屋に入ってくる。
うるせー!こっちはクレーム対応中だー!
とミュートボタン(保留ボタン)を押して叫びたくなるのを必死にこらえつつ私はお客様に
私:「ですから私たちの方針としては…」
と続けると
客:「あー誰かの誕生日なんだねえ。どうもタイミングが悪かったねえ」
と言ってクレームは終わってしまった。「…はあ、あんた怒ってたんじゃあないの?」と突っ込む暇もなく電話は切れた。
とりあえず今日は精神的に疲れました。今日メールをくださった皆さん、作者は日ごろ以上に感謝しています。まさに「癒し系メール」の数々には感謝するばかりです。…ただお返事については今週末までお待ちいただけると嬉しいです。なにせ作者は完全にテンパってますので。
それにしても、サポセン、コールセンターで働いている皆様、私は素朴に皆様のことを尊敬します。
(この話同時進行につき続く)
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