なべて世はこともなし
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|アイルランド真実紀行へ
2002年05月21日(火) |
ワタシガイジンコトバワカリマセーン |
朝、カーテンの向こうは5月の快晴の空(アイルランドでも「五月晴れ」というかどうか自信がないからその言葉は使わない)。おおすばらしいと思いつつサングラスをスーツの胸ポケットに収めて会社へ。
午後5時。定時に退社。
どしゃ降りの雨。
…アイルランドではいつものこと。朝の天気を見て一日の予定を立てようとするとたいがい予定が狂うことになる。
で、珍しく定時にやってきたくされAlan Martin Coaches社のバスで町へ。町に着いても雨足は弱まる気配もなく。
で、アイルランドの雨の最大の問題点は傘が役に立たないこと。激しい雨が降っている時はたいがい強風もセットでやってくる。そのくせアイルランドの傘は弱い!というか折り畳み傘が主流で日本みたいなジャンプ傘をあまり見かけない。というわけで、風で壊れた傘をそれでも使っている人が多数。
で、私の乗るバスにはバスシェルター(屋根)がない。50メートルくらい離れたパブの軒先でバスを待っていると、バス停の前には長蛇の列。そこにやってきたのはすでに7割方お客の乗ったバス。
走れ!とバス停へダッシュ。
ダブリンバスは乗車は2列乗車というのが暗黙の了解。左側は運転手に現金を払う人用。右側はプリペイドカード・定期をカードに通す人用の列。当然右側の列の方が流れが速い。私は20人ほどが並んだ現金用の左側の列ではなく5人ほどしか並んでいない右側のプリペイドカードの列に。普段は現金で払うのだが、こういう時のためにいちおうカード(2回使える回数券) も財布に忍ばせていたりする。結構準備のいい人間なのかもしれない。私は。
バスの中を見るとすでに満員に近く、運転席近くまでお客が立っている。やばいなあ、乗れるかなあと思っていると私の前のおばさんはしっかり乗る。がおばさんはすでに中には進めず、カードリーダーの前に立ち止まる。すると運転手は、
運転手:「はい。ここまで。カードをもう通さないでね(カードを通すとお金が引かれるので)」
と言う。私は知らん顔してカードリーダーの前に立ちはばかるおばさんの脇からカードを通そうとする。
運転手:「カードをもう通さないでって言ったんだよ!」
ほぼ同時に
カードリーダー:「ピッ」(←私がカードを差し込んだ)
片手を伸ばしおばさんの脂肪を押しのけ何とかカードを通す。すると
運転手:「もう満員なの」
私は初めて運転手に気がついたような顔をして、そして、出来る限り無邪気な顔をして運転手にこう目で訴えかける。
「え?ボクになんか言ったの?ボクちゃん英語わかんなーい」
で、さらにおどおどした目で
「え?ボク降りなきゃだめなの?なんで?ボクお金払ったのにボクわかんなーい」
と再び目で訴えかけつつ、カードをちらりと見せる。
…運転手はやれやれと言う顔をしつつ諦めた様子。ドアを閉めて発車。私の勝ち!
うん、私が女だったらたぶん「オバタリアン予備軍」と呼ばれていることだろうなあ。…っていうか「ボクちゃんわかんなーい」とか目で訴えて通用する年齢じゃあもはやないだろうに。
このようにあまり機会は多くないにせよ、見た瞬間からガイジンであるという事実を逆手にとって利用することは可能です。普段「こいつはガイジンだから英語は話せんべえ」というふうに扱われるのは不快ですが、どうせそう思われるならそれを利用してやらないテはないかと。
実は以前も同じようなことをしたことがあります。バスの中でジャンキーらしき男に話しかけられ、うざかったので、英語が話せないふりをしました。するとジャンキー氏諦めた様子。こちらも私の勝利。
で、忘れた頃に鳴る私のケータイ。
私:「Hey How's going mate? I haven't talked to you for ages. What's going on now?」
はっ!私は英語が話せないはずだった。横でジャンキー氏は私のことを睨んでましたとさ。
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