なべて世はこともなし
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|アイルランド真実紀行へ
2002年05月08日(水) |
上には上がいる!驚愕の遠距離ネット恋愛の鉄人 |
うちに帰ってみると、おとといネットで買ったドイツ行きのチケットが届いてました。チケットを目の前におき「んなもんに350ユーロ(4万円)も出すなんて俺も酔狂だなあ」なんて考えつつ、夕食のサラダをつついていると、台所に入ってきたのはうちのもう一人の住人のチェコ人。なんだか地に足がつかなそうな感じ。トリニティで博士号を取ろうとかいう秀才肌の彼にしては、この浮かれかたは変。というか、玄関前に自転車を鍵もかけずにおいておくこと自体もはやアイルランドでは自殺行為なのに、置きっぱなし。何かあからさまに浮かれている。
私:「どうしたの?」 彼:「明日ボクチェコに行くんだ」
へ?そんなこと言ってたっけ?
私:「え?そんな話知らなかったんだけど」 彼:「うん、今日決めた」
は???なんじゃそりゃ?
私:「どのくらい行くの?」 彼:「4日間」
は?????いったいどうしたの?
彼は一通り説明してくれたのだが、これがまた信じられない話でして。自分の彼女が誕生日だからと350ユーロも払ってドイツに行く私がアホタレとすれば、彼は最バカ。どうか私と一緒に呆れてやってください。
信じていただけるかどうか、彼、ネットで知り合った女の子に会いたくなって、居ても立ってもいられなくなって、私と同様350ユーロも払って明日チェコくんだりまで行くんだそうな。
私:「で、彼女と知り合ってどのくらい経つの?」 彼:「1週間か10日」
絶句。つまりなんですか、ネットで出会って1週間の女の子のためにチェコくんだりまで行くんですか?
私:「で、彼女とはどのサイトで知り合ったの?」 彼:「いや、アイルランドは退屈だから(素敵な女の子と知り合えない)、ネットにチェコ語で『夏にチェコで一緒に遊んでくれる人募集』って自分のホームページを立ち上げたらすぐ…」
くらくらしてきた。つまりナンパサイトを立ち上げたとたんに、女の子が連絡してきて、で、その女の子に会いに行くわけですか?ちなみに私、この「アイルランド真実紀行」を立ち上げて1年が経ちますが、女の子から告られたことなど一度もありません。ま、私の場合、そういう目的でやっているわけではないから当然といえば当然ですが。
彼は頼みもしないのに自分の部屋から嬉しそうに彼女の写真を持ってきた。なるほど、きれいな人だわ。私の趣味じゃないけど。
彼:「わかる?この写真を見てるだけじゃにっちもさっちもいかないんだよ。だから会いに行くの」
…ええい、もうチェコでもザンビアでもウルグアイでもどこでも行ってくれい。ただねえ、おじさんに一言だけ言わせておくれ。「遠距離恋愛なんてするもんじゃないよ」金ばっかりかかって仕方ない。
ちなみに。わたしとMausiがつきあい始める前の話ですが、ドイツで出逢った私たちは、しばらくの間メールとインスタントメッセージのやりとりをしていた時期がありました。で、別にどっちが惚れたとか、クサい言葉のやり取りをしたとかそんなことはなくて、ただ単にその日あったこととかそんな他愛のないことを話していたことを思い出します。
実は彼女とその次に逢った時にはそういう関係になっていたという事実からすると、ネット上での恋愛は可能だと思います。が、ねえ、あのー、私の場合は、一度直に会った人との関係を深めるのにネットという手段を使っただけで、会ったこともない、しかも知り合って1週間しか経たない、1000キロも離れた人のところに会いに行くというのはすごい話だと思います。もし、写真はまったく別人で、ネカマに騙されているだけだったりしたら彼はどうするんだろう?
彼、来週の月曜日に帰ってくるそうです。彼がどんな顔をして帰ってくるか楽しみです。
もうお気づきと思いますが、アイルランドの女性はそれほど私たちにとって魅力がないのです。彼は1年間、私は4年の長きにわたって住んでおりますが、アイルランド女性とつきあったことはございません。イタリア人だベルギー人だスウェーデン人だデンマーク人だとつきあってもアイルランド人とはつきあったことがないのです。すいません。国籍はちょっと水増しして書きました(←こらこら)。
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