なべて世はこともなし
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|アイルランド真実紀行へ
2002年04月13日(土) |
羽毛布団じゃないけど、「二倍二倍」で土曜出勤 |
土曜日。先週に続いて土曜出勤してました。非公式ながらも上層部から、「給料(今日の分)倍出すから、来てー」といわれ、「給料倍」という甘美な響きに私はつられてしまったわけです。しかも、「最優秀新人賞」という名のもとに「臨時ボーナス」も出るという何の根拠のない噂もあり、こうなったら私は今度のドイツ行きのチケット代分くらいは稼ぎ出してやろうと頑張ってしまうわけです。
実は会社にはとんでもない数のバックログ(日本語でどう言うかは知らんが、要するにやるべき仕事がたまってしまった状態)が発生しており、2週間ほど前から上層部が真っ青になり、トレーニングの中止だの給料の増額など、ありとあらゆる手を使ってこのバックログをどうにかしようとしておりまして。で、結果、何とかなったらしいのです。
この会社、いい会社です。この私たち下層階級(ヒラ社員ともいう)の努力を認めて、今度の金曜日に会社持ちで某Temple Barのレストランで「バックログ(ほぼ)解消祝賀会」をやるそうです。ただで飲み食いできるとはすばらしい。そう、私はモノに簡単に釣られるタイプ。
今時人手が足りないとか、忙しいとか言っているのは、ダブリン中探してもどうもうちの会社だけではないか…そんな気がしてきます。例えばうちの会社、町の外れのとんでもないところを開拓して、一大ビジネスパークを作ろうとしたらしいのですが、兵どもが夢のあと…開発途中のこのビジネスパーク、テナントが入居しているビルを探す方が大変です。どのびるもがらんどう。
完全にガラス張りのビルの中が完全にがらんどうとしているだけで空しいのですが、輪をかけて、誰もいないビルの前で噴水が水を上げているのがさらに空しい。で、日本では「公共事業の硬直性」が何とかかんとかと言ってますが、日本だけの話じゃあありません。誰も入居者のいない風さらしになっているビルの横に、さらに新しいビルを建て続けています。ここ、そのうち、「アイルランドのバブルの遺物」として観光名所になる日も遠くないのではないような…。
ここだけではなく、ダブリン港のエリアも再開発が進んでいます。今まで、「アンダルシアに憧れて」の中に出てきそうな怪しい埠頭の倉庫街だったところ(どういう例えなんだろう)に、突如現れた金融街。で、税金の優遇で呼び寄せられたヨーロッパ各国の銀行・金融関係のそうそうたる企業たち。ここも今後いったいどうなるのやら。
ちなみに今ではEUないから来た人間(つまりビザのいらない人間)ですら仕事探しに四苦八苦しているようです。木曜日も仲のよいイタリア人と会い情報交換してきたのですが、まったく仕事が見つからないそうな。そんな話を聞くのは今回が初めてではなく、最近人に会うたびにそんな話ばかり聞いています。あっという間に発展したアイルランド、瓦解するのもあっという間なのではないでしょうか。ガイジンゆえに気楽に言えますが、瓦解は、もうすぐです。…あるいはもうすでに始まっているのかもしれません。
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