なべて世はこともなし
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|アイルランド真実紀行へ
2002年04月08日(月) |
買うぞ車!渡しに船のローンに隠されたアホタレアイルランドの銀行の罠とは?(その3) |
最近なぜだかComplain letter(苦情の手紙)を書くことが多いような気がします。この前は例のクリスマスのドイツへの旅の騒動でブリティッシュミッドランドに書き、今回はつける薬のないくらいアホなBank of Ireland。しばらく前に書いた通り、ある日突然私のところに「お金貸します」という手紙が来て、私が聞くと、「そんな手紙は送ってない」といわれ、翌日は「その手紙は間違って送った」と言われ、最後に「あなたは転職したからだめよ」と言われ、結局ローンが断られたというお話(詳しくは3/6と3/12の日記をご覧くださいませ)。
だいたい電話をかけるたびに言うことが違うというのは(アイルランドの常識ではなく)世界の常識に鑑みて人をばかにしている。そこで私はBank of Irelandに思いっきりComplain letterを書いてやった。Complain letterを書く時の基本は出来る限り上層部の人間に書くこと。そうすることで目に触れる人の数が圧倒的に増えると、昔行ったTBSのプロデューサー岡庭昇氏の講演会で氏が言っていたので、その通りに本社のマネージャーあてに手紙を書いてやった。
で、以下が手紙の全文。(英文ですが、この先の話を理解していただくためにもぜひ目を通してください)
14th March 2002 The Manager Bank of Ireland Lower Baggot Street, Dublin2,
Dear Sir or Madam,
I am writing to you to complain about your poor customer service related the banking 365 service. All relevant documents are enclosed for your attention.
I received a letter from you on 6th March quoting that a motor loan had already approved (letter1). I phoned to your customer service (1850-365-100) on the following day and I was told that the offer quoted on the letter had already gone by one of your representative. She disclosed me that she received numerous phone calls regarding the same letter I received. Then she advised me that all I could do is to apply the motor loan with the normal criteria. I therefore applied for the motor loan verbally over the phone.
On 12th March, I received another letter from you (letter2). In this letter, it is informed that you declined my application for the motor loan. I called to the customer service immediately to enquire and was told by another representative that there is no record that you sent the first letter (motor loan approved) and was also told that my application would be approved if I change the request amount.
Then one of the team leader told me that the original letter had accidentally sent and the motor loan is NOT approved from the beginning. She promised me to call me back on the following day and then she told me that my application had declined as I changed the occupation recently. And there is no chance this application would approve no matter if I change the request amount.
As you can see form this story, I was told the totally different story each time. "The offer is already gone" "Such letter had not sent" "The letter had accidentally sent" I have to predict that changing my occupation is not the reason why you declined my application. Even so, there is no logical explanation that why pre-approved motor loan had declined.
As you can clearly see from my experience, the level of your customer service is far below my expectation and it seems they are simply unable to handle my query. I therefore ask you to investigate the following questions.
1. If the first letter (motor loan approved) was sent accidentally or not. 2. Why my application had declined despite it was already approved. 3. If my motor loan will be granted if I change the request amount.
I would like to think the level of your customer service is not as low level as I experienced. In order to believe so, it is essential to receive you prompt reply. I trust you I will receive your reasonable and respectable reply within 10 working days from the date I sent this letter to you.
Regards,
___________________ Snigel (Mr.)
読んでいただけましたか?まあ、多分私の見つけられないスペルエラーや文法的におかしいところがあるでしょうが、誰の手も借りず自力で書いた手紙なので間違いはご愛敬ということで勘弁を。
で、これに対し、驚いたことにまったく期待はしていなかった返事が来たのです。私はBank of Irelandのばかさ加減をアイルランドにご在住およびアイルランドに興味をお持ちの皆様のためにここに思いっきり晒しあげにします(これまた英文ですが、ぜひ読んでくださいませ)。
読んでいただけましたか?結局、何だか知らないけど、私の信用状況がやたらと下がったらしい。名誉のために言っておきますが、別に口座が激しくマイナスになったとか、おぞましい借金があるとかそんなことはありません。つまり、この手紙をもってして、なぜ私のローンが断られたかはわからない。しかも、カスタマーサービスが私に言った口からでまかせについては触れられないまま。一言で言えば私の質問にはまったく答えていない。で、「お前が悪い」というニュアンスを手紙全体ににじませつつ、しゃあしゃあと
やっぱり9490ユーロ(およそ120万円)貸します。えへっ
と書くのは人をばかにするにもほどがあるのではないかと。まあ、返事が来て、しかもお金が借りれるというのはある意味での勝利ですが、なんだか余計に腹が立ってきたというのが正直なところです。
で、最初に話は戻るのですが、以前はComplain letterを書いてもなしのつぶてというのが今までの定石だったのですが、最近はキチンと返事が来る。まあ、よく考えると、まともなComplain letterを書けるようになったということなのかな…とも思うのですが。
で、ここから話は実は上と矛盾する内容になります。どうも最近カスタマーサービスとして働く身として(厳密には違うんだけどさ)、クレームに対して人々が耐性を持ってきたのでないかと思います。例えばこんな話をどこかのサイトで読みました。
某大手のハンバーガ屋に行ってチキンナゲットだかなんだかを注文したところソースが入っていなかった。で、苦情の電話を入れたところ、その店のマネージャーがタクシーでソースを持ってきたそうです。私に言わせるとこれだけで驚き、かつそこまでしてくれたことでもう文句は言いませんが、この人は「ナゲットが冷めた!」とさらにいちゃもんをつけ、結局、1万円の商品券をもらった…と自慢げに書いていました(私の記憶で書いてますので詳細は少し違うかもしれません)
この話から見て取れることは、私の感覚では「ソースをタクシーで持って来る」といういわば過剰なカスタマーサービスに対して、顧客は感謝をするどころか暗に金品を要求する。つまり、顧客を満足させるために今まで以上の過剰なサービスをする。単純にいえば風邪薬のようなもの。飲めば飲むほど効かなくなるのでだんだん強い薬を飲まざるをえなくなる。たぶんこのチキンナゲットの例では、これに味を占めたこの人は、次回またクレームをつけ、しかも今回以上の結果を要求するであろうことは推察に難くありません。
で、他人事のように行っていますが、私の場合もそうです。私にとって、Complain letterに対し返事が来ることはもはや当たり前です。で、以前なら書かなかったであろうComplain letterを書くことで何らかの結果が得られることを知った私は、たぶん今度何かあった場合再びComplain letterを書くと思います。で、更によい結果を要求すると思います。「文句は言ったもん勝ち」ということを知ってしまったわけです。今回も、内容はともかくBank of Irelandから返事が来たことを感謝すべきなのに、その実彼らに出来る最大限の誠実さを「晒しあげ」とか調子に乗ってここで暴露してしまっているわけです。
今の仕事にしてもそう。クレームを受ける側の人間として言えることは、理不尽なクレームをつけた人の方によい結果が出て、規則にしたがって黙っている人はあからさまに損をしています。何だかおかしいと思いつつ、自分が消費者の立場に立つと、結局、クレームを起こした方がいいと気がついてしまった私はまた再びComplain letterを書くと思います。結局、自分もさらに強い風邪薬を求めている人間にすぎないのです。そう考えると、行き着くところ「自己矛盾」と言わざるを得ません。うん、結局何が言いたいんだ?私は?
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