なべて世はこともなし
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2002年01月13日(日) アイルランドで歯医者初体験(その2)

さて、なんだかおざなりになっていた歯医者のお話です。


行ったのは、いよいよ明日からドイツに行こうという12/21のこと。4時のアポに間に合うために、2時30分きっかりに会社を出た私は最寄りのDART駅へ。DARTに乗ると相変わらず空き缶やポテトチップスの袋、訳の分からんべとつく液体などが床に散らばり汚い。


で、貫通路に近い窓際の席に座り本を広げた私。とにかくDARTの雰囲気が嫌いなものだから(なぜかバスは我慢できる)本に集中することで下界との干渉を一切シャットアウト。隣りと向かいの席に誰かが座ってきたが一切無視。とにかく、本というシャッターを使い自分の世界に入っていた。


なのに…そのシャッターを破ってくるやつがいる。隣りの席から私の本をじいーっと見つめてくる人間がいるのだ。で、


「いい本だろ?それ?」


で、声の主をみると、服じゅうペンキだらけの男がひとり。で、よく見ると、私の座る4人かけの席、私以外の3人はペンキだらけの男たち。そう、私は気がつけばペンキ屋に囲まれていた。


私は無難に、


「うん、すごくいい本だよ。読んだんだ?」


なんて言って本に戻ろうとする。すると三人の男から矢継ぎ早に、


「どこからきたの?」
「どこへ行くの?」
「アイルランドはどうだい?」



などと質問攻め。


で、当たり障りのない答えを返していると。


「日本の女とアイルランドの女とどっちがいい?」


というこのテの事態の時に定番の質問がやってくる。なぜかは知らないが、アイルランドでワーカークラスの人間と話すと必ずこの質問が来るのだ(万国共通という気がしなくてもないが…)


私はバカな答えをしてしまった。


「うーん、よくわかんないなあ。今の彼女もドイツ人だし」


すると3人同時に大声で


「ドイツ人?!?!?!」


…おいおい、ドイツ人の彼女を持つことはそんなに驚きなのか?男のひとりが、


「大変だねえ」


と本気で同情してくる。…待ってくれい。ドイツ人だと何がいけないんだ?


実は次の瞬間私はとんでもない下ネタジョークを飛ばしこの3人を床にダウンさせることに成功するのだが、書いてみるとあまりに品がないので割愛(いちおうこのホムペ、女性読者の方が多いし、女性にそっぽを向かれたくないのです=正直な気持ち)


で、ようやく40分かけてDARTはBrayの駅へ。そこからいつもの歯医者へ。


で、歯医者に約束の時間の5分前に着くと受付のおねえさん、


「ごめんなさいねえ。今日は予定が押していて、ちょっと遅れそうなの。コーヒーでも飲んで4時30分にまた来てくれる?」


…コーヒーでも飲んでって、私が会社できちんと歯を磨いてきたのを真っ向から否定するような発言を。私は読みかけの本も気になるし、そのまま待合室で待つことに。


で、実際に治療が始まったのは4時40分頃。


例のだだっ広い診療室に入ると、センセイが


センセイ:「おお、待たせて悪かったねえ」
私:「いいんですよ」
センセイ:「(助手に向かい)おお、見てごらん。一時間も待たされたのに彼は文句一つ言わない。これこそ武士道だよ。日本のサムライの道だねえ」



で、さっそく麻酔を歯茎に打つ。


前回に続いて今回と二回続けて起こったので自信を持って書くが、どう考えてもアイルランドの麻酔の方が日本のそれより強い。だいたいセンセイは麻酔の注射を打つ時、日本ならぴっと歯茎に射してぴっとすばやく抜くが、こっちでは


ブスッ











と抜くまでにかなりの時間針を刺しっぱなしにするのだ。


仮説:アイルランドの歯医者は日本の歯医者よりもはるかに下手である。ゆえに、より強い麻酔を刺す。


…あくまで仮説で論証はまだです。できる限り自らの体を持って論証をしたくないものだと思います。


で、そのまま一度待合室に戻り麻酔が回るのを待つ。


10分後、再び診療室。


この日確信を深くしたのだが、このセンセイ、やたらめったら、"Well done"という言葉を使いたがる。


"Well done, Snigel. Now wash your mouth."
"Well done Snigel. You are very patient man."



といった具合。二つ目のには思わず、


"That's why we call ourselves as patient!"


などと言ってしまった。


で、治療は30分程度で終了。


帰りのDARTの中でいろいろ考えたのだが、どうも私は日本の歯医者よりもアイルランドの歯医者の方に好感を覚える。理由はただ一つ、センセイが自分にじっくり時間をかけてくれる気がするから。30分という短い時間ながら、センセイがじっくり私の面倒を見てくれる。考えてみると日本の歯医者はセンセイが診療台をあちらこちらと駆け回っている。確かに、時間当たりの効率という点で考えると日本の方がはるかに高いのだが、その効率ゆえに、自分の治療がきちんとされているか不安になるのだ。


ま、予約に1ヶ月待たされることを考えると、どちらがいいかはにわかには断じがたいのですが…。




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