なべて世はこともなし
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|アイルランド真実紀行へ
2001年12月13日(木) |
新説?アメリカ人の方がヨーロッパ人より物分かりがいい? |
時代に乗り遅れていることこの上ないのですが、いまさら映画「ハリーポッター」を見てきました。
…目が輝きっぱなしでした。
いいですよね。冒険ものというか子供向け映画の王道を行ってます。私にとってこのテの映画の黄金律は「日常の中から非日常が生まれてくるのではないかと期待を持たせることができるかどうか」です。
…これじゃまるでどこかの売れない評論家のようで訳がわかんないですね。ええと、例えばドラえもん。ご存知の通り、のび太はドジでマヌケなやつ。子供時代、そこに自分を投影した人も多いはず。で、そんなドジでマヌケなのび太の机の引き出しからいきなりタイムマシンに乗ってドラえもんが出てくるわけです。つまり、日常のありふれた風景の中から非日常が始まるわけです。
ハリーポッターにしてもそう。ほとんど虐待に近いような扱いを受けていた少年が実はとんでもない魔法使いだったという設定。ドラえもんなら、「もしこの引き出しからドラえもんが出てきたらすごいだろうなあ」というありえない期待を持たせ、ハリーポッターなら、「もしボクが魔法使いだったら」というありえないことを想像させて夢を見させてくれる…そんな映画でした。ま、そんな夢を見るには既にトシを取りすぎているんですが(それでこんな評論家口調になっている)。もし機会があれば是非見て欲しいと思います。
で、話はがらっと変わります。なぜか私のまわりには航空会社に勤めている人間が結構います。ご存知の通り、アイルランドには世界のいろいろな会社のコールセンターが集中しており、航空会社もその例外ではないのです。で、某航空会社で働く女性と最近話をする機会があったのですが、あの同時テロの時の話をポツリポツリと教えてくれました。
ご存知の通り、9/11のテロの後、数日間に渡ってアメリカ国内のすべての空港・空路が閉鎖され、アメリカに向かっていた飛行機はカナダなどにダイバート(目的地以外の空港に着陸)させられ、お客が足止めをくらうという事態となりました。で、当然、各航空会社の電話も「いつになったら飛べるのか!」「今うちのダンナはどこにいるの!」なんて問い合わせが続き、電話が一時鳴りっぱなしになったそうな。
その騒動は「当事者」となったアメリカンやユナイテッド以外の航空会社以外の会社でも当然あり、社員総出で電話対応をした会社も多かったらしい。それでもお客の側からすると電話はつながらないし、つながっても実際にオペレーターと話ができるまで数時間かかったとかいう日まであったらしい。
で、当然お客も怒っている人、半ば諦めている人、図々しい人、いろいろだったそうですが、話を聞いた彼女の説によると、「ヨーロッパ人よりアメリカ人の方がはるかに物分かりがいい」らしい。
例えば…
お客:「いったいいつになったらヒコーキが飛ぶんだ!娘がカナダで足止めを食らっているんだ」 オペレーター:「申し訳ございません。ただいま、アメリカ航空局から民間機の飛行は一切禁止されておりまして、今後の状況はどうなるかまったく分かりかねます」
ま、オペレーターの返事はきわめてまっとうなもの。彼女だっていつヒコーキが飛ぶかなんて分からない。で、彼女の説によるとアメリカ人は、
アメリカ人:「そうだよね。仕方ないよね。早く飛ぶようになればいいね」
と結局諦めるそうな。
ところが、彼女が電話を取ったヨーロッパ人はそうはいかない。ひどいのになると…
ヨーロッパ人:「そんなことはニュースを見て分かったおる。こんな非常事態だ。軍用機を飛ばして娘を連れてこい!」
これにはさすがの彼女もキレたそうな。
オペレーター:「そうなりますと、XX国の空軍の管轄になりますので、そちらの方とお話いただけますか」
…そりゃそうだ。一航空会社が軍用機を飛ばすかどうかの決定権を持つ訳がない。
そうかと思うとこんな人もいたそうな。
オペレーター:「おはようございます。XX航空カスタマーサービス部のXXです」 客:「…」 オペレーター:「おはようございます。XX航空カスタマーサービス部のXXです」 客:「…」 オペレーター:「もしもしー?」
よく聞いて見ると、電話の向こうからはかすかに寝息が聞こえる。…そう、お客は待ちくたびれて電話を持ったまま眠ってしまったらしい。この日は最悪の日で、電話の待ち時間は数時間に及んでいたんだそうな。
…いずれにせよ、こんなことは二度と起こって欲しくないですね。
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