なべて世はこともなし
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|アイルランド真実紀行へ
2001年10月21日(日) |
五里霧中どころかアイルランド中が霧に覆われた日曜日 |
づづがれだだああああ。
日曜日。引っ越しのお手伝いをするために、クルマでLimerickまで行った来たんです。アイルランド第三の都市Limerick、なぜだか知らないけど、おいらにとってもっとも疎遠な都市の一つ。あまりいい話を聞かないし、観光都市としての性格を持った都市でもない。てなわけで、いつも素通りするばかり。未だに、町を歩いたことがないのです。
で、今回の目的はお引越しのお手伝い。このお引越しをすることになった彼女(この話、書いていいかどうか聞いてませんから、名前は仮にA子さんとしときましょう)、アイルランドで有効の車の免許を持っていない。という訳で、急遽、おいらに白羽の矢が立ったわけです。
で、日曜日の早くから移動をしようというわけで、土曜日の夜10時に空港まで行き、いつものレンタカー屋で車を借りた。で、ターミナルから月ほども遠い駐車場に行ってみると、ん、ルノーのラグナ。あれ、これって、前回(1か月くらい前)借りた車と一緒じゃん。で、よく見るとナンバーも一緒。つまり、まったく同じ車。唯一の違いは、
いつの間にか傷だらけになっている。というか、角が削れてるぞ。角が。
どうも、おいらの友人のイタリア人のような運転をするやつが多いらしい。レンタカーって、下取りの査定値は最低だろうなあ、などと考える。
よく考えてみたら、前回借りたのはCクラス。で、今回はそれより1クラス低いはずのBクラス。うーん、これは2度目のアップグレードか…とひとりでほくそえむ。
で、エンジンをかけてみると…あれ?
ABSの警告灯が点滅してる。消えない。よく見ると、左後ろのタイヤに異常を示しているぞ。
仕方なく、月ほども遠い到着ロビーのレンタカー屋のカウンターに戻ると、
「ああ、あの車はねえ、なんだか問題が多くてねえ。もうすぐ修理に出すとこなのよ。大丈夫よ。問題ないわ。でも、どうしても気になるなら、車変えてあげるけど。あとはオペルのアストラしかないわ」
はい、排気量の差により、この問題をあえて無視してルノーで行くこと決定。うちに帰るなり、うざい警告灯の上にシールを貼って見えなくしたおいら。でもさあ、ひとことだけ言わせてくれ。
そんな車 客に貸すんじゃねえ!
で、翌日。朝の9時に早々とトランクいっぱいの荷物を載せLimerickへ向かい出発。助手席には、おいらのたっての希望でひでかすを強制参加させる。
ダブリンを出てNaas(ダブリンから南東に30キロ程度)に差し掛かった頃から、キリが出てきた。だんだんと濃くなって、前が見えなくなってきた。で、幸いLimerickに着く頃には霧は晴れた。
で、A子さんの当座の宿に荷物を降ろして、時間もあるからと観光に出発。向かった先。どこだと思います?Limerickから足を伸ばせる観光地。
Shannon空港
どこが観光地なんでしょうねえ。近所には何とかとかいうきれいな(と言われている)湖や、「アイルランド一かわいい」村、などたくさんあるにもかかわらず、行ったのはShannon空港。何を考えているのかよくわからない3人。
LimerickからShannonへ向かう道は、田舎のくせに片側2車線の快適な道。そこを70マイル(112キロ)くらいで走ってたら、(高速じゃないので制限速度は60マイル=96キロです)右側の車線を他の車が80マイル(128キロ)くらいで追い越していく。はるか先まで行ったところで、そのおいらを追い越した車に道路の端から人が出てきて手を振る。すると右側車線を走ってたその車、わざわざその人のために車を止める。
「へえ、アイルランドのヒッチハイクって、こんなふうにして車を止めるんだ」
なんて感心していたら、何のことはない、道に飛び出してきたのは警官。そ、ただ単に、スピード違反で捕まったのでした。
話はShannon空港に戻る。おいらがShannon空港に興味を持った理由は、いま、この空港がやたらと新聞に登場するから。このShannonという町、町には何もないものの、Shannon空港という一昔前にとても栄えた空港がある。この空港、要はたとえばアメリカやカナダから大西洋をはるばる飛んできてヨーロッパに入る最初の空港だったりするので、一昔前は、給油の為の経由空港として結構栄えていたらしい。考えてみたら、アラスカのアンカレジとよく似ているかもしれない。
で、今でもこの流れからか、何もない町にもかかわらず、アメリカからの飛行機がけっこうこのShannonにやってくる。で、そのおかげで、結構大きな工業団地やビジネスパークがオープンしたらしい。
で、そこにヒットしたのが9/11のテロ。このおかげで各航空会社が、減便を発表。で、いの一番に被害を被ったのが、このShannon空港。要は、飛行機が来なくなりそうな気配。そうなると、この町自体が空港と共にすたれていくのではないか…というのが最近の大きなニュースなわけ。ではshannonとはいったいどんなところなのか…一度見てみたかったのだ。
空港に向かう道路で妙なものを発見。突然、野原の真ん中に信号が一つ。別に交差点があるわけでも、片側交互通行なわけでも、横断歩道があるわけでもない。ただぽつねんと信号がひとつ(近い将来写真を公開しますね)。この信号、通過して気がつたのだが、どうもこの道路が滑走路端にあるため、飛行機の離発着の時に信号が変わり、道路交通を遮断するらしい。
ひでかすいわく、ジブラルタルには同じ原理で踏み切りがあるんだそうな。びっくりするだろうなあ、踏み切りが閉まって、電車が来たと思ったら、実は飛行機だったとか(実際そういう世界らしい)。
で、ターミナルに着いてみると、何のことはない、田舎の地方空港。どうも最近ターミナルビルを改築したらしく、ビル自体は広々としてダブリン空港よりはマシ。で、展望デッキに行ってみると、またもやキリ。飛行機が離陸して数秒するともうキリの中に消えていく。なんだか何をしているのだかよく分からない。それにしても、どう見てもイナカの地方空港に、大型機が何機も駐機している姿は異様だった。
で、1時間ほどの滞在の後、向かったはCliff of Moher。途中、お土産にアランセーター(の安物)を買ったりしつつ、Cliff of Moherへ。霧が晴れて天気がよかったので、眺めは素晴らしかった。でも、おいらここにすでに何回来たんだろ?
で、ここも何回来たか分からない、Doolinという村のパブで夕飯を食べ、午後8時ごろLimerick着。11時までに車を貸さなければいけないので、そろそろ帰らないといけない。ダブリンまで150キロ以上あるので2時間以上かかる。
で、ダブリンに向けて快走していたのだが、途中から、
キリ。
キリ。
キリ。
何にも見えなくなってしまった。当然スペードダウン、霧はだんだん濃くなって、前の車のテールランプがかろうじて見える程度になってしまった。ダブリン近くで霧は晴れたが、思い切り時間がかかり、空港に着いたのは11時2分前。タッチの差で間に合いました。
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