なべて世はこともなし
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2001年07月07日(土) USITにて(その2)

おしらせ:タイトルが「USITにて(その2)になってますが、(その1)は4月の日記で全く別の話です。

街に行ってきた。ドイツ語のコースのおかげで毎日街を「通過」するのだが、今日は数時間滞在した。サマーセールが続き、かつ観光のシーズンということもあったか、曇天の空の下、街には信じられない人ごみ。街につくなり帰ろうかと本気で思った。

んで、今日街に行った目的は、USIT(学生旅行社)。例によって例のごとくドイツ行きのチケットを買ってきた。今回は今月の終わりから10日ほどの予定。ドイツ語のコースが終わった頃に合わせているので、ちょっと自分をドイツ語を試してこようなどと、自信過剰なことを考えている。

で、最近日本でも銀行などでよく見る順番待ちのチケット発給機。これがUSITにもあるのだが、チケットを取った瞬間おいらは絶句してしまった。

98人待ち。

をいをい、何時間待たないかんねん。土曜日で忙しいことは承知してたけど、まさか100人待ちとは…。ま、その場でずっとぼーっと待つほどおいらはヒマ人ではないので、そのまま買い物に出かける。…が、いかんせんものすごい人の数。靴を買おうと思ったArnott’s(デパート)はまるで三越のバーゲンのような混み方(言うまでもなく売っている商品は比較にならないくらいしょぼい)。何も買わずにそそくさ退散。

んで、結局買ったのはBoot’s(マツキヨをこぎれいにして値段がもう少し高いという感じの薬局)でとまらない鼻水対策の薬とスプレーだけ。何をしてんだか。

それからUSITに戻るも、まだすごい混みよう。見れば午後3時30分にして新規の順番待ちチケットの発給をやめてしまったらしい。新たに来た客には「この電話番号に電話して」とテレセールスの番号が書かれた紙を受付で渡しているが、普段でも15分待ちは当たり前のテレセールス。この状況下ならおそらく1時間待ってもつながらないだろう。

待つこと数十分。チケットを取った時点から計ると1時間30分後、おいらの順番がやってきた。

おいら:「忙しいみたいだねえ」
おねえさん:「もう死にそう!」

相手のカウンターの女性は小柄な人懐っこい笑顔を持ったあからさまにスペイン人のおねえさん。英語もなかなか訛りが強いが、同時に分かりやすい英語でもある。しかも、「もう死にそう!」なんていいながら、にこっと笑ってくれる。おお、日本のハンバーガー屋では無料ながら、アイルランドの店員に持ち合わせていない「笑顔」をこのおねえさんは持っているぞ。その笑顔が本当に素敵だった。その一点だけでおいらは彼女に超友好モードでいくことにする。

おいら:「とりあえずね、(カウンターに貼ってあった小さなカレンダーを見ながら)29日土曜日出発で、戻りが8/8火曜日。行き先はHanover」

彼女はおいらの言うことをメモ、ところが、HanoverをHANなどと書くので思わず言ってしまう。

おいら:「HanoverはHAじゃなくてHAだよ!」

何のことかわからない方。世界のどこの空港も「スリーレターコード」と呼ばれるものを持っている。たとえば、成田はNRT、関空はKIXという感じ。荷物のタグなどに必ず書いてあるので、よく行く空港のコードは覚えていた方が便利。インターネットでの航空券予約などの時に威力を発揮する。実際おいらはこれを知っていたおかげで、荷物が間違えてドバイ(よくは知らんが中東のどっかでしょ?)に送られるのを防いだ。(ダブリン)となるべきところが、(ドバイ)になっていたのだ。

おねえさん、目を丸くして、「あなたスリーレターコード知ってるの?」
おいら:「うちの住人ひとりはルフトハンサ、もうひとりはXX(エッセイ「世界一周」にも出てきたアメリカの航空会社)に勤めているしね。あと…」

ここから二人で仕事そっちのけで雑談開始。彼女はオーストラリアに行く途中東京に立ち寄ったことがあり、そのときに日本人の親切さと正直さに驚いたとか、航空業界の裏話とか。はっきり言って、パブで仲のいい友達と話しているような錯覚に陥った。おいらに彼女がいなかったら間違いなく飲みに誘った。大体彼女もさすがはラテン系、陽気でおおざっぱ。笑いながら、

おねえさん:「そんだけ知ってんなら、Hanoverにどこの航空会社が飛んでいるか分かるよね」
おいら:「一番安いのはBD(ブリティッシュミッドランド=イギリス第二位の航空会社)で可能性があるのはLH(ルフトハンサ)かな」

そんなことを客に聞く方も聞く方(自分が知識がないことを暴露しているようなもの)だが、笑顔で答える方も答える方。で、運賃が出てくる。…さすがははいシーズン、高い!

おいら:「高いねえ。ショルダーシーズン(繁忙期と閑散期の中間)なら200ポンドくらいで飛べるのに」
おねえさん:「エアフランスも調べようか?」
おいら:「いや、例えただでもエアフランスだけでは飛ばない(きっぱし)」

いつか書こう書こうと思っていつまで経っても書けないネタの一つに、エアフランスネタがある。この航空会社、飛ぶたびに不愉快な思いをしたり、ひどい目に遭ったりする。前回2月にパリに飛んだ時に本気で頭に来て、フレクエントフライヤーズカード(マイレージカード)にはさみを入れて叩きかえしたことがある。この話は長くなるのでまた今度。

で、おいらはこのひどい体験の話を始め、更に雑談は加速。

おねえさん:「私もエアフランス大嫌いなの!

この一言でおいらたちはカウンターごしにがっちり握手。もはや、客と店員の関係ではなくなっていた。その後、いろいろフランクフルトなどに行き先を変えるも、なかなか時刻が合って、安いというのがないので、結局最初のチケットに。

おいら:「いや、もうダブリンも3年目でね」
おねえさん:「あれ、学生証の学校名東京になってるけど











はい、私は正直に話しました。どうやって学生証を手に入れたか。ただ、さっきも言ったとおり、二人の関係はすでに「友人」で、おねえさんとその学生証入手の仕方を話しながら爆笑。ただ、おいら、上の発言は失言でもなんでもなくて、このおねえさんなら話しても大丈夫だろうという確信があったから言ったのだ。なお、学生証の手に入れ方はさすがにここでは書けません。ただ、「日本人は正直」というおねえさんの考え方は軌道修正させられたに違いない。

で、チケットを発行してもらいチケットを手に最終確認。

おねえさん:「じゃ、出発が29日で…」
おいら:「土曜日だよね」
おねえさん:「いや…日曜日
おいら:「え、ここのカレンダー、え?これ2000年のカレンダーやんけ!!!!」

そう、おいらが見たカウンターのカレンダー、何と2000年のだったんです。どういう旅行代理店やねん!…という訳で二人で爆笑しながらやり直し。USITを出た時に気がついたことは、カウンターで40分ほど過ごしていたという事実。ふつうなら15分もかからないだろうに。後ろで待ってた方、………すいませんでした。

追記
こんなメールが来ました。

>ところでUSITにて、その笑顔0円のおねえさん、HANがどこだか知っていたのかな?
>(おなじみ、もしもシリーズ)もしもそのちけっと、HAJじゃなくてHANだったら……まず、チケットが高くなり、飛行時間が10倍くらいになり、そして、Visaがないために強制送還されるでしょう。そう、そこはベトナムのハノイ(でも、マイルはたまる)。






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