いいことあった
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◆日常

いいことがたくさんあった日。

朝ケロを預けてから電車に乗り、新宿の伊勢丹へ。

しばらく前に白磁のご飯茶碗にひびを入れてしまい、代わりを買おうとずっと探していた。先月銀座で探した時は有楽町阪急はいつの間にか食器売場がなくなっていて、プランタン銀座のあんなに広かった食器売場もなくなって東急ハンズの中の小さな売場だけで、二十年近く前はデパートの食器売場は私の大好きな場所だったのに、暫く行かない間に様変わりしていて驚いた。(まあこの二十年行く用事がなかったあたりに様変わりした原因があるんだろうが。)
家人もケロも似たような白磁のお茶碗なので、自分だけ厚くて重たい陶器のご飯茶碗だと嫌で、「新宿の伊勢丹ならあるかも」とは思ったが、あるかどうかわからない茶碗を探しに行くのを躊躇していたところで、丁度いい用事があったので今日辿りつけた。

で、結果。あった。ありましたっ!あれこれ売場を見て回って、丁度セールになっていた有田焼のお茶碗を発見。1個しかなかったが、これは私のと同じものではないか!?というくらいにそっくりなものであわてて手を出し、大事に抱えてレジへ。1個しかなかったのがまた不安で、今日誰かにバッグをぶつけられたらどうしようとか、バッグを落としたらどうしようとかいらぬ不安でどきどきして紙袋からバッグに入れ替えたり、バッグの中で位置を変えたり。

それから地下へ降りて、パン屋さんでお買い物をしてからまた電車へ。

◆着物

また電車を降りて、本日のメインR邸訪問。今日の私は人間トルソー。

R隊長は伯母様のお着物を受け継いだのをきっかけに、ご自宅で着付けを習っていらっしゃる。「教えてもらうとやはり色々違うんだろうなぁ」と遠くからぼんやり思っていたら、その念が通じたのか、他装の練習台になって欲しいと声を掛けて頂いたのだった。
一度は時間が合わないからと涙を飲んでお断りしたものの、私の都合のいい時間に合わせて時間をずらして頂いたのでもう楽しみで楽しみで今日の日を迎えた。

着付けマダムにご紹介頂き、猫好きの私にと招き猫の貯金箱をプレゼントされた。嬉しい。また小銭貯金して着物買わなくちゃ。にこにこ。

基本的には立って着せ付けてもらうだけだったが、もんのすごく勉強になった。着物を着せて頂くのは成人式以来。着物に興味が湧いてからは初めてだったし、自分で着ている時は意識しない要所要所をR隊長が教わるのを聞かせてもらい、更に怒られる(注意される)のはR隊長持ち、というお得なポジション。(すみませんR隊長。)それにいつもあーでもないこーでもないと鏡で背中を見ながらしょってるお太鼓を人が着付けてくれるって、何て楽なんでしょう!

肌着と足袋、長襦袢は持参のものを使い(長襦袢の背中には腰紐をつけていただき)、着物はRさんの伯母様のすばらしい作家物の紬のぼかし色無地を着付けて頂いた。これがもう羽織っているだけで幸せになるような軽さと光沢と張りと風合いで、眼福肌福。そして張りはありつつかさばらないので、着付けてももっさりしない。こりゃあ皆が欲しがる筈だわ。

着付けも上手くしてもらってるし、抱き幅の寸法が丁度よかったのか衿あわせがすごく綺麗になっていた。後であの着物の抱き幅を教えてもらおう。

以上、記憶違いがあるかもしれないが着付けマダム式着付け。(文責私。間違いも全て私の責任。)

・肌襦袢の上にタオル2本と腰紐を縫い合わせた補正具をつける。裾避けの紐はゆるく結ぶ。
・衣紋抜きのついてない化繊の長襦袢は衿から20cmくらい下に、裏に力布をつけて両端に()のようにRを付け、幅10cm位腰紐を縫い付ける。
・伊達締めで押さえ、腰紐を下にぐっと引いて衣紋を抜いて結ぶ。(ここ順番があいまい。)
・着物を羽織り、背中心を合わせ、背縫いと右衿の下の方を持って長襦袢に衿を合わせる。必要ならクリップで止める。
・両剣先を持ち上げて裾線を決め、裾が下がらないようにしつつ上前を脇に合わせて下前の巻き具合を決める。紬は下前を10cmほど上げて裾つぼまりにする。
・位置がずれないよう腰紐を締める。下前が下がりすぎていないか締めてから上前をめくって確認。下がっていたら腰紐の上から衿を上に引く。
・身八つ口から手を入れて後のおはしょりをとんとんすーっとして綺麗に折る。
・広衿の場合剣先で1cm折れるくらいに折り、下前を合わせる。上前も同じように合わせて腰紐を締める。
・おはしょり部分の処理。伊達締めの上で前後身頃とも脇にタックをとるようにし、下前のおはしょりのもたつきは(人に着せる時は押さえといてもらえるが、自分で着ててやわらか物だと大変だな)伊達締めの下に入れるように。上前の衿先は下前のもたつきを包むように整え、伊達締めを胸の上からすべらせるようにたるみを押さえつつ締める。
・帯を締める。ここは見えなかったので省略。しかし帯枕を前帯の上縁に乗せるようにぐーっと締めたのは分かった。てはお太鼓を作る時にもう一度締めるように横に引くと長くなる。
・帯締めは横に引くように締める。
・帯揚げは前後の耳部分を引くようにし(中心が伸びると布が傷む)、左右それぞれに綺麗に整え、結び目を綺麗に整えて体の中心で結び、帯の中へ。

・・・こんな感じかな?明日は忘れないうちに着付けの練習してみようっと。

2回着せ付けてもらって、そろそろ時間だったので少し早いがR邸を辞去。R隊長にお借りした「図書館戦争」を読みふけって乗換を一つ逃して行きとは別ルートで帰ったが、乗り継ぎも上手くいって普段より早くケロを迎えに行けた。楽しい経験をさせて頂いてR隊長と着付けマダムに感謝だわ。

◆読書

有川浩「図書館戦争

この方のお話はこの前Y/Gさんがウェブで期間限定公開と紹介していた「フリーター、家を買う」を読んだのが初めて。
その時にも思ったんだけど、今回も思った。キャラクター設定が類型的で深みが感じられない。会話が薄い。設定通りのセリフを喋ってる感じというか、オンライン小説(アマチュアの)を読んでいる感じだ。文章は上手いし面白いと思うんだけど、何かが足りない。それが何かは分からない。でも深刻な事態もそれを収拾するために設定されたようなご都合感がある。なぜだ。文句を言いつつすごい勢いで読んでる。

でもでも。
「今日、この子の誕生日で、好きな本を一冊買ってあげるって約束してたんです」
高くていつもは買えないから、
に涙してしまった。どうやら本を愛する気持ちが私のツボらしい。

有川浩「図書館内乱

文句を言いつつ2冊目。この人の話は文章はつるつる読みやすいけど、同じシーンの中で視点が突然ずれる箇所があって、そこがひっかかる。三人称とはいえ、いきなり別の人の心中が語られるのは変だよ。シーンを分けるか、心中をストレートに書き砕かないで表現してくれ。

相変わらずストーリーの本流は深刻だけど主人公は軽い。検閲についてとか、貸出記録についてとかは、実際に起きた事件が下敷きになってる気がする。そういう意味では現在のリアルな図書館問題と繋がって、「読まなくちゃいけない」人がいるのも分かる気がする。ここにとりあげられている司書業務が実際とどのくらい違うのか(戦闘以外で)、私には想像しかできないが、司書の皆さんが本と自由のために戦っているのは素晴らしいと思った。


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