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2011年02月16日(水) おかあさん…(´;ω;) と思った日

遅まきながら、我が家のバレンタインデーのご報告をさせていただこうと思います。
もうね、人んちのバレンタインデーなんて、すごくどうでもいいと思うんですけども。
ワタシなら興味ない  ような気がします。
「バレンタインデーなのに別れ話になっちゃいました・・・」とかですとね、性格悪いせいか「何があったんですかな」とか読んじゃうんですけど。

ということで、別れ話も出なかったので、バレンタインデーの報告はやっぱりやめておきます。
ゲリラ度だけご報告しますと、今年のはそれは全然なくて(いや、どうかしら)、普通においしかったです。
ちなみにどんなモンが出てきたかと言いますと、「オランジェット」とかご立派な名前のついている、オレンジを煮たヤツにチョコがかかっているという、ワタシの好物でございました。

結局報告してるんじゃんね(°▽°)
ホントはもっと長くしたかったんですけど、やってみたら2行で済みました。
この調子ならば、ワタシのTwitterデビューも近いかもしれません。

さて。
では、バレンタインデーよりも、ワタシにはよほど大事件だったことを書き連ねさせていただきます。
「書き連ねる」とかいう言葉を見る限り、ワタシのTwitterデビューはやはりないのかもしれません。


その夜。
ワタシは午前4時頃ベッドに入りました。
前の日も睡眠時間が不足していたので、へろへろしながら眠りに期待いたしました。
しかし、目がさえちゃって眠れない・・・。

そこで、少し体を疲れさせるとするか、と思い、寝ているきょんをたたき起こし、無理矢理アダルトタイムに持ち込んでみました。
というのはもちろん大ウソで、無駄に寝返りうって、寝不足のときにありがちな「小さな小さな雑音が音楽に聞こえちゃってやかましい現象」と闘っておりました。

しかし、ワタシの「眠れないー」なんてたかが知れておりますので、そのうち寝ちゃったんですわ。
ノンレム睡眠に入ったと思われた頃、ワタシは枕元の携帯の着信音で起こされました。

携帯見たら、おかあさんからですよ。
時間は朝の6時21分ですよ。
いつもは「じょりぃは夜遅くまで仕事してるから、朝の早い時間にはなるべく電話しないように」してくれているおかあさんから、この時間に電話ですよ。

な、なにごと?!

と、寝ぼけた頭で慌てまして。
そして寝ぼけた頭で短い時間にいろいろ考えてみたところ。

ああ(・∀・)
確か今月、おとうさんとニュージーランド行くとか言ってたから、たぶん今日が出発の日で、「言うの忘れてたけどこれから成田向かいまーす」とかな電話だなきっと(´∀`)そうだそうだ、なーんだ
娘のワタシはいつもお金なくてガソリン入れるためにガソリンスタンドに出かけるのすら一大事なんですが、両親はなんだかちょこちょこ海外へ遊びに出かけております。
ホントは家族じゃないのかもしれませんワタシ。
とはいえ、脳の手術後は「国内旅行ももう難しいかな…(´・ω・`)」なんて言っていた母が、また海の向こうまで遊びに行く元気が出てきたのはけっこうなことであります。

なんて思いながら、安心して電話に出ることに

したんですが、なんか操作間違えて切ってしまいました。

寝ぼけていたせいか、なかなかかけ直す操作がうまくいかず、3度目のトライでやっとつながりました。
ホント眠かったらしいですワタシ。

「もしもしー?」とワタシ。

「おはようー。今日も元気?」と母。

「うん」 ? なんじゃこりゃ。

「学校行くんでしょ?(´∀`)」


は?


と一瞬思ったんですが、今仕事でちょうど学校関係のあれやこれやがありまして、その仕事を受けるかどうするか悩んでいたので、ああそのことかなと思いましてね。

「うーん・・・まだ悩んでるんだよね」と答えた  ところで気づいたんですが、

ワタシ、母にその話、してない(・_・) なんで知ってるのかし?

と思ったところで

「悩んでるってどういうこと?」と母。

「あー、なんでもなかった。( ´∀`)アハハー」

「とにかく、学校行くんでしょ?」 <しっかりしなさいよ、くらいの雰囲気で

「え?」


・・・なんだろこれ・・・。


「・・・学校って?」とワタシ。

「今日だよ。 学校あるでしょ?」 <ちょっと口調が強くなった母



中年と呼ばれる年齢の23歳の娘にむかって「学校あるでしょ?」とあたりまえのように言い放つ母。
しかも、10代の娘にでも言い聞かせるような口調で。
しかも唐突に。
しかも朝の6時21分に。



これは。



おかあさん、   


ボケちゃった   の   ?    もしかして。




脳手術後の経過が良くて海外も行けるようになってよかったね、なんて思ってたそばから、
脳の具合がよろしくなくなっちゃってるっぽいっつーか



ボケちゃったっぽすぎる。



なんと答えて良いのかわからず、無言になるワタシ。
電話の向こうの母も無言。
ワタシの心臓はドキドキしてきちゃいました。


すごく長い無言タイムのように感じてましたが、たぶん実際は5秒くらい経ってから、母が言いました。


「・・・じぇにぃちゃんでしょ?」


なんだなんだ。
じぇにぃとは、ワタシの姪の名前です。
母にとっては、孫。


「・・・じょりぃだよ・・・?」 とワタシ、おずおずと。

「あ、かけ間違えちゃた!! ごめんごめーん」



ワタシがどんだけ安堵したことか!!!!!



「じぇにぃちゃんにかけようと思って、じょりぃさんにかけちゃったみたい」と母。
「あははははは。じゃあ、じぇにぃちゃんにかけ直してあげてー」
「ごめんね、朝から。じゃあね」


よかったあああああああ・゜・(ノД`)・゜・。ボケてなかった・・・


と、そのときは思ったものの。

なんかまだドキドキしちゃってましてね。また眠れなくなっちゃった(・_・)
とりあえず、じぇにぃちゃんにかけようとしてじょりぃにかけちゃってとんちんかんなこと言ってた、というのはわかりましたが。
ワタシと姪の名前は最初の一文字が漢字も読みも一緒なもんで、母の携帯に並んで登録されている可能性がありますから、これはまあ間違えちゃうのはわかります。
それでも、こんな朝早い時間に、孫のじぇにぃちゃんに「学校行くでしょ?」って、母が電話をかける意味が、わからん。
どういうことだろう。
おかあさん、大丈夫なんだろうか。
ドキドキドキドキ。

でもまあ、そのうちまた寝ちゃったんですけどね。


で、本格的な朝がきて、ワタシの一日の活動も始まりまして。

おかあさんに電話して、今朝のはなんだったのか確認してみたほうがいいのかなぁ、なんて思うワタシ。
しかししかし。
確認するのがなんか怖いーーー。

しかしひとりで勝手に想像して心配しててもしょーがないですし、ホントにボケちゃったのだとしたら早いうちに治療を始めるほうが有効ですしってことで、午後になってから勇気を出して電話してみました。
とはいえ、やたらな話し方をして「おかあさん、ボケちゃってない?」みたいな心配が伝わってしまったら、ボケてるとしてもボケてないとしてもなんだか気の毒だと思い、あらやだどうやって話そうかしらとか思ったりして。

「あれからじぇにぃちゃんに電話つながったの?(・∀・)」 と切り出してみました。

「あ、今朝は悪かったねー(笑) まだ寝てたでしょうに。お騒がせいたしました(笑)」

あ、この調子なら大丈夫そうかな。

話を聞いてみましたら、夜から朝にかけてけっこう雪が降って、道路にも積もりましてね。
なもんで、学校まで遠いじぇにぃちゃんを心配して、「お父さんとお母さんが忙しそうなら、おじいちゃんが学校まで車で送ってあげるよ?(´∀`)」って電話をしてあげたんだそうです。

わかってみればね、
朝起きて積雪を見て孫のことを思い、しかも雪道に車出すぜ!という、かなりしゃっきりしたじーさんばーさんということで何の心配もいらなかったという話なんですが。

「学校あるでしょ?」って強い口調で言われたときゃー、あたしゃもう、全身の毛穴が開いちまったっつーの。
しかももしこれ、うちの母がボケたらこういうボケかたなんじゃないかって、妙にリアリティがあったんですよね。


ということで、ホントにびっくりドッキリしちゃった、ワタシにとっては大事件だったんですが。(事件にもなってなかったわけですが)
しかし、めずらしい体験ができて、これはラッキーだったかもです。
「母親がボケるかも」って心配は、そりゃワタシだっていくらかは覚悟してますが、それでもうちの両親は同年代の方々と比べてもまだまだしゃっきりしている…ように見えるので、まあ、対岸の火事だったんですよ、ワタシにとって親のボケという事態は。
それを、一瞬とはいえ、ものすごいリアリティをもって体験することができたのは、なんだか貴重でした。
「あれ?もしかして・・・ボケた?」って感じたら、ワタシ、頭が真っ白になって二の句が継げなくなるんだな、ってことがわかりました。
それは今までに感じたことのない感情だった、ということも知ることができました。
死んじゃった、とか、重い病気にかかっちゃった、というのとはまた違う感情でありました。
親御さんが痴呆症になってしまったかたの気持ちが、ほんのちょっっっっぴりだけわかった気もします。
無理矢理ひとことで表現するなら「せつない」感じでした。一瞬にして津波のようにわき上がった、不透明なせつなさ。無理矢理言えばですけど。
毎日お世話するようになると、せつながってるヒマもないんでしょうけれども。

そんなわけで良い予行演習にはなりましたが、できればボケずにずっといてほしいなあと思います。
そのためにも、ワタシはこれからも「この子大丈夫かしら・・・心配」てな具合に、親が気を許す間のないダメ娘でい続けようと思います。


やー、ホント、びっくりしました。 がっぷ。




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