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2011年01月24日(月) |
ワタシもオトナになってしまったものだ |
何についてそう思ったかといいますと、『木綿のハンカチーフ』についてですよ。 ものすごく唐突ですが。
太田裕美が歌ったこの歌、ワタシ、子どもの頃は
「このおんなのひとかわいそうー」
と思って聴いていたんですよ。 悲しくて、でもいいうただなー、せつないねー、なんて思って聴いていたんですよ。子どもごころに。
しかし、大人になった今、歌詞をよくよく聴いてみましたら。
子どもの頃の、ワタシはいなくなっておりました。
まあちょっと、問題の歌詞をご覧になってください。
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木綿のハンカチーフ
(詞 松本隆)
恋人よ 僕は旅立つ 東へと向かう列車で はなやいだ街で 君への贈り物 探す 探すつもりだ
いいえ あなた 私は ほしいものはないのよ ただ都会の絵の具に 染まらないで帰って 染まらないで帰って
恋人よ 半年が過ぎ 逢えないが泣かないでくれ 都会で流行の指輪を送るよ 君に 君に似合うはずだ
いいえ 星のダイヤも 海に眠る真珠も きっとあなたのキスほど きらめくはずないもの きらめくはずないもの
恋人よ いまも素顔で 口紅もつけないままか 見間違うようなスーツ着た僕の 写真 写真を見てくれ
いいえ 草に寝ころぶ あなたが好きだったの でも木枯らしのビル街 からだに気をつけてね からだに気をつけてね
恋人よ 君を忘れて 変わってく 僕を許して 毎日愉快に過ごす街角 僕は 僕は帰れない
あなた 最後のわがまま 贈り物をねだるわ ねえ 涙拭く木綿の ハンカチーフください ハンカチーフください
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さて、ねちねちと検証してみます。
まず、
恋人よ 僕は旅立つ 東へと向かう列車で はなやいだ街で 君への贈り物 探す 探すつもりだ
の部分ですが、ここはまあ、さして問題ないような。 言いたいこともありますが、未来と新しい土地に向けて希望にあふれる無邪気なオトコ、というだけの感想です。
これを受けた女性、
いいえ
まず否定。
これはいけません。人対人のコミュニケーション術として、ものすごく失格。 フィギュアスケートで手ぇついちゃうくらいの失格。 きょんの話に対して「それより」ってまずつけちゃうワタシくらい失格。
ここは人として、恋人として、「わー、ありがとうー」くらいは、まずは言いたい。 「あ、なんか買ってくれるならねー、あたし、あれとこれが欲しいー☆」とちゃっかりおねだりするくらいの方が、ワタシ的にはかわいいです。
あなた 私は ほしいものはないのよ ただ
ほしいものはない、と、一見謙虚な姿勢を見せつつ、「ただ」という但し書きつき。 まず謙虚にしている分、「ただ」に続く言葉というのは、「これだけは聞いてちょうだいよね!」という強い印象になるという高等技術を使っております。
都会の絵の具に 染まらないで帰って 染まらないで帰って
せっかく行くんだから、ちったぁー染まらせてやれよう。 「あの人だっさいわよねー」「田舎丸出し」「都会に染まるもんか、ってこないだ独り言言ってたわよ」とか、まわりの女性に陰口言われたらかわいそうぢゃありませんか。 あ、それが目的なのかしら。 「あたし以外のオンナにかまけさせてなるものか」みたいな。 ということを感じてしまう、大人になったじょりぃなわけですよ。
さて2番。
恋人よ 半年が過ぎ 逢えないが泣かないでくれ 都会で流行の指輪を送るよ 君に 君に似合うはずだ
ここもですね。さして問題はないような。 都会で浮かれて、田舎じゃ見ないようなシャレた指輪見つけて 「ふふ。こんなのあいつ、見たことないだろうな。オレの都会的イケてる具合を誇示するためにも、いっちょ送ったれ('∀^v)」 という程度の、無邪気で自己顕示に満ちたオトコの行動、というだけのことです。 かわいいもんです。ワタシかなり悪意に解釈してますが。 もしかしたら単に「わ。いいじゃんこれ。あの子に似合いそうだな。喜ぶといいな(*´∀`*)」って送っただけかもしれませんが。
さて。 女性はなんと返すのでしょうか。
いいえ
またもやまず否定。 繰り返しますが、これはいけません。 ここはいらなくてももらっておいて、気に入らなければオークションで売り飛ばすなり質に入れるなりするべきです。 ちなみにワタシならどんなのもらってもたぶんうれしいですけど。 なんかやっぱ、気持ちがうれしいじゃないですか。ねえ。
あなた 星のダイヤも 海に眠る真珠も きっとあなたのキスほど きらめくはずないもの
あなたのキスがいちばんよ、と伝えるのはけっこうなことだと思います。 ワタシなら鼻の下伸ばします。 しかしそれも、いったん「わー、指輪ありがとー」となってからの話です。 「指輪いらないから、とにかくキスしに帰ってきてよ!」的な、なんかこう、なかなか帰省できない自分を遠回しに責められているような気がしてしまいます。
しかも、キスをダイヤとか真珠とかと比較してますが、彼の指輪、石のついてないプレーンなものだったり「まだ給料安いから、これで(*´・ω・`)」なんつって安い石がちょこんとついてるものかもしれないじゃないですか。 こういうのはいけません。 買ったものの「渡しづれえええええ」ってなっちゃうかもしれません。 てか、すでに「いらない」めいて言われてるのでアレですけども。
そして3番。
恋人よ いまも素顔で 口紅もつけないままか 見間違うようなスーツ着た僕の 写真 写真を見てくれ
こーれーはー。
彼氏、ものすごく大きなお世話です。 彼女が化粧しないのを遠回しに責めながら、自分のスーツ姿を「それに比べて、オレかっこよくなったべ?見て見てー!」とやってます。 ワタシが彼女なら「なんかまだ垢抜けなくてスーツ負けしてるね。七五三かとオモタ」くらいは言ってしまいそうです。
さて、「僕の写真!写真見て!」と無邪気に言っている恋人に、この女性はなんと返すのでしょうか。
いいえ
また否定かよ。 写真見て「わーかっこいー(棒)」くらいは言ってやれっつーの。
草に寝ころぶ あなたが好きだったの
「スーツを着ている」→「もう草に寝ころばないのねあなた・・・」
この連想はいかがなものかと。 草っ原に駆け出した途端、「うおおおおおおお!」とか叫びながらスーツを脱ぎ捨て、素っ裸で草に寝ころぶ立派な変態になっている可能性を、この女性は見落としております。 都会での仕事や生活のストレスというのはバカにできないものです。 ス●ップの某メンバーだって、ハダカで叫んだりするんですからね。
でも木枯らしのビル街 からだに気をつけてね からだに気をつけてね
ここは問題ないのかしら。 ビル街って、ホントけっこう寒いですからね。 うちなんて田舎で風がびゅーびゅー吹いてますが、それでも真冬の都内・ビル街の寒さに驚いたものですよ。 からだに気をつけてくださいね、都会のみなさん。 そして裸で草に寝ころんだりしませんように。この季節、風邪ひいちゃいますから。
そして3番。
恋人よ 君を忘れて 変わってく 僕を許して 毎日愉快に過ごす街角 僕は 僕は帰れない
これはせつない。 言われる方もせつなかろうが、言う方もせつなそうです。 ナナに「じょりぃには罪悪感てないのかと思った」と言われたワタシですら、ワタシがこの男性だったら罪悪感を感じますですよ。
さて、女性はなんと返すのかしら。
あなた 最後のわがまま 贈り物をねだるわ
また否定を期待していたら、ここでやっとわがままを言うようです。 ああ・・・なんと不器用なこの女性。 なんだか急にいとおしくなってきました。 そういうのはね、小出しにするといいみたいだよ? それに「最後のわがまま」っつったら、なんか断れなくて怖いしーーーー。
・・・で、何が欲しいんだい?(´∀`;) 最後だし、なんでも言ってー。 お金ないけど、がんばるよ!
ねえ 涙拭く木綿の ハンカチーフください ハンカチーフください
( ° д °)
怖いーーーーーーー・゜・(ノД`)・゜・。
なんつー恨み節だ。
子どもの頃は「このおんなのひとかわいそうー」と思っていたというのに。
・・・いやはや、ホント、
ワタシったらオトナになってしまったものです。
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