今日も今日とて
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先日、妹と一緒に郵便局に用事を済ませに行ったんです。 妹とふたりで、しょーもない会話をしながら自分たちの順番を待っていたら、とあるおじいさんが窓口に来て、どうやら年金にまつわる貯金だかなんだかの手続きをしている様子。 ひととおり話が終わって、おじいさん、にこにことうれしそうに
「で、あれはもらえるんだよね?(*´∀`*)σ」
と、窓口に置いてあった、金色の小さなポストを指さしまして。 新規で年金の受け取り手続きをするともらえるのかな? よくわからないんですが。
その時点で、妹と
「くすくす、あれが欲しいんだね」 「ワタシらにはあれが欲しいって感覚よくわからないけどね、くすくす」 「でもおじいちゃんかわいいね」 「ね。ホントに欲しいんだね」
なんて話していたんです。こそこそと。
そうしましたら、窓口の女性、「これは新規でないと差し上げられないんですよ」と。
爺「あ・・・そうなの? でも今これやったし・・・」 窓「新規の年金だけなんですよー」 爺「年金の口座もずっとお宅だよ?」 窓「ありがとうございます。でもねー、新規だけなんで・・・」 爺「そう・・・でもこれ、欲しいんだよね・・・(もじもじ(照笑」
この時点で、妹と顔を見合わせまして。 またこそこそと「あげたいね」「かわいそうだよね」と。
窓「一度ほかの銀行に年金のナントカを移してもらって、またこちらに新規でやり直してもらえれば差し上げられます」
また妹と顔を見合わせまして。 「・・・なんかヘンじゃない?えらい無駄だ」 「それにおじいちゃんには難しそう・・・」
しかしおじいちゃん、怒るでもなく
「そうなのかい。これ、ホントに欲しいから、じゃあどうすればいいかもっとよく教えてくれるかい?(照笑」
おじいちゃんがかわいいのとかわいそうなのとで、妹とふたりして、なんとももぞもぞしちゃいましてね。 窓口の女性は愛想良く教えてあげてますが、同じ言葉の繰り返し。 たぶん、ちゃんと教える気なんてなさそう。 いや、あるのかもしれないんですが、この説明を聞いたところで、おじいちゃんにはちょっと無理そうです。
窓口の女性も、規則ですからそのように対応するしかなかったのかもしれませんが。 帰り際、出口のところで金色のポストをもう一度振り返ったおじいちゃんが、なんだか不憫で。 妹とふたりで胸を痛めておりました。 金のポスト、かっぱらっちゃうか、とか。強盗の相談まで。
「モノがあふれている今の世の中で、あれほど『これが欲しい』という純粋な気持ちを目の当たりにしたのは本当に久しぶりだったのですが!」
と、その足で実家に寄り、親に顛末を報告。 そうしましたら、父、
「そうさ。あれは新規にしかくれないんだよ。僕ももらえなかった(`Д´)」
怒ってます。 そういえば彼は、ささやかながら、ポストコレクターでございました。
「金のポスト?(笑) 欲しかったの?(笑)」<父親の「欲しい」はバカにしてしまう娘心 「金はね、郵便局でのノベルティとしては、お父さんが知る限りでは初めて出たんだよ。めずらしいんだよ」
そうだったのですか(°▽°)
でもあのおじいちゃんはコレクターって感じではなさそうでしたし、もっとホントにピュアに
「金色のポスト、なんかすごくいいな、ほしいな」
ってキラキラしてた気がします。 ポストに負けないくらいキラキラしてた。 子どもみたいだった。
ワタシ、心に残ってしまいまして。
おじいちゃん、銀行に一度ナンタラして、再度郵便局にカンタラできたのかな。 できないだろうな。 金のポスト、おじいちゃんにあげたいな・・・。
翌日も妹に会いましてね。
「ワタシさー、昨日の金ポストのおじいちゃんが気になっちゃって、アタマから離れないんだ・・・」と話してみましたら 「実はあたしも。 『欲しいんだよね・・・』のもじもじがリフレイン」 「ネットで調べたらさ、売ってるんだよ、金のポスト。似たようなのが」 「でもどこのおじいちゃんかもわからないし、教えようがないよー?」 「そうなんだよね・・・(´・ω・`)」
窓口の女性に腹を立てているわけではないんです。 郵便局融通きかねえなぁとは思いますが、ルールはルール、しかたないです。 ひとり大目に見ればキリがなくなるんでしょうし。
でも、あのときのおじいちゃんの恥ずかしそうなもじもじした笑顔と、「金のポスト欲しいなぁー」というキラキラオーラを思い出すと、 なんか泣きたいような気分になって困っちゃってるんです。 あうーーー、 見も知らねえじじいと金ピカポストごときのせいでこんな感傷、参っちゃいますよまったくもう!
あのとき妹が一緒にいてくれて、同じように感じてくれているのが救いです。 「ポスト・・・」と言えば「ねー」と応えてくれる相手のいるうれしさよ。
なーんて、勝手に感傷にひたってますが、じーさん、実はシャキシャキしてて、ぱっぱと銀行と郵便局を往復し、 既に金ピカポストを手中に収め、にこにこしているかもしれませんが。 あるいは「傘地蔵」みたいに、お地蔵様にやさしくしていたおじいさんのもとへ、地蔵が恩返しに金ピカポストを届けに来たりとか。 うん、こっちのがありそうだ。 お地蔵様に期待することにします。
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