今日も今日とて
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夕方。 なっちゃんも仕事が終わって家に帰りまして。 きょんが「犬の散歩に行ってきます」と部屋の外からワタシに声をかけまして。
「お願いしまーす。行ってらっしゃい(・∀・)」
と、ドア越しに声をかけましたが、きょんの声がちょっと暗かったかな? 体の具合が悪いとかでないといいんだけどー。
「ただいまー」 帰ってきました。
やっぱり声が暗いような。 どうしたんだろうー。 また玄関で倒れたりしないよね?
と心配になったので「おかえりー」と言いながら、今度は部屋から出て玄関まで迎えに行きまして。 やっぱりどんよりした顔しているきょん。
「どしたの? 具合悪いの?」 「んー・・?」 「大丈夫? 横になる? あとの世話、ワタシやるよ?」 「いい。大丈夫」
大丈夫と言われても、様子がおかしいのは明らかなので、犬の世話をするきょんの後を意味もなくひょひょことついて歩きまして。 そうしましたら、きょん、言いました。
「あたし、じょりぃのこと、嫌い」 「へ?」 「・・・・・」 「それはまた、どうして急に?」
寝耳に水というか、青天の霹靂というか。 ていうか、へきれきって、こういう漢字なのね。 って、それはどうでもいいです。 なぜに急にそんなことを言い出すのかこの人は。
「急にじゃないよ。ずっと嫌い」 真顔で続けるきょん。 「説明してくれない?」
あまりにも急な展開すぎて、怒ることすらできませんわこれじゃ。
「だってじょりぃ、いつもあたしのこと否定するんだもん」 「何の話?」 「いつもそうじゃん」 「何の話だかわからないんだけど、いつもそうだとしても、今怒りだしたということはこの短時間のうちにきっかけがあったってことでしょ? ワタシが何をしてしまったのか教えてよ」
だってつい45分前まではにこにこ話していたんですよワタシたち。
「さっきの今川焼のときだよ」 ときょん。 「今川焼・・・?」
本気でわからない( ´;゜;ё;゜;)
「ごめん。やっぱりまったく見当がつかない。 もう少し詳しく教えてくれない?」
きょんの話はこうです。(事実も以下の通りです)
きょんが夕方近くに出掛けたときに、今川焼を買って帰ってきてくれたのです。 で、なっちゃんとワタシにも「どうぞ( ^ ∀ ^ )」と。 ワタシは歯医者から帰ってきたばかりで、まだ全然麻酔が抜けていなかったので、「なっちゃんの分だけいただこうかな(´∀`)」とお答えしまして。
「歯医者から帰ってきたばかりで、まだ麻酔が抜けないんだよね」と、きょんにも説明。 「あー。なるほどね。感覚わからなくて、ぼろぼろこぼしちゃいそうだもんね」 ときょん。 「(笑)それより自分のくちびるとか頬の内側とか噛み切っちゃいそうで怖くて」
で、なっちゃんだけ貰って食べたと。
そのあと、なっちゃんは家に帰り、きょんが犬の散歩を終わらせたりして今に至るわけですが。
上記の今川焼の会話のせいで、「また否定された」と感じ、「じょりぃのこと嫌い」となった、ということらしく。
まだわからないワタシ。
「ワタシ、何か否定してた?」 「あたしが『こぼしちゃいそうだもんね』って言ったら『それより自分のくちびる噛んじゃう』って言ったでしょ?」 「うん」 「『それより』って、いつも言うんだよじょりぃ。 それってすごくイヤな気分。ていうか、あたしの言うことバカにしてて、あたしを否定してるんだよ」 「・・・確か前も、そのことで怒ったね?あなた」 「うん」 「そのときも反省したのに、ワタシまたやっちゃったのか。 スミマセンでした」 「・・・・・・」
と、いったん謝ったワタシでしたが。
腑ーーにーー落ーーちーーねーーぇーーーーーー。
どうなんですか一般的に見て。 前回怒られたときも、今回の今川焼と変わらないシチュエーションで怒られて嫌われたワタシだったんですが。 これってそんなにいけないことなんですか。
言葉って、共通のものでありながら、実は人それぞれ使う感覚や意味の度合いというのは違うものだ、とワタシは思っております。 『それより』という言葉、ワタシもときには強い意味で使うことはありますが、今川焼といい前回(もう具体的になんだったか思い出せねぇですよ)といい、ワタシにとってはほとんど意味のない接頭語みたいなモンなわけですよ。
でも、きょんにとって意味が重たいのであれば、それは申し訳なかった。 これからは気を付けるようにするけど、ワタシは深い意味なくぽろっとつけてしまうので、またやっちゃったとしたらそれも汲んでほしい。 しかし確かに感じの悪い言葉だし、直すようにするね、ごめんね。
というのが、前回のケンカの終わりだったんですけれども。 ワタシはまた同じ失敗をやらかし、同じように怒っているきょん。
「スミマセンでした」と言ったものの、言葉のルールがきょんの一方的なそれで決められ、ワタシが断罪され、嫌われるのはおもしろくないです。 なので「前回も言ったけど、悪い意味で言っているのではないんだけど」とふっかけてみちゃったりして☆
「でもそう受け取られる言葉なんだから直してよ」ときょん。 「ワタシは言葉そのものよりも、気持ちのほうを大事にしたいと思うけど? だいたいあなたは誰に対しても言葉に対して狭量すぎるよ」 「それは自覚してるけど、だからってあたしが『否定されてる』とまで感じる言葉をじょりぃが言っていいってことにはならないでしょ」 「でもさー、前回だってちゃんと説明しているんだし、そんなくだらないことでいちいち嫌われてたら身が持ちませんし」
『それより』より、よほど嫌な言葉を吐いてみるじょりぃ。
「あたしに対して否定の気持ちがあるから出てくる言葉でしょ?」 「言葉ってクセの部分も多いから、親が使ってるとうつってる可能性もあるよ。 だとしたらもうずーーーっとこれで来てるわけだし、そうすぐには直せないかもしれないよ?」 「それは違う。 じょりぃ、昔は使わなかったもん、『それより』って」
何その細かい記憶(´д`)ウンザリ
「そんなこときっちり覚えてるもんかいな。( ´_ゝ`)フッ」 「途中から言われて『イヤだ』って思い始めたんだから、途中から言うようになったのは確かなんだよっ」
ええええええ???? てことは、途中から『それより』という言葉に関してワタシの人格が変わったか(大袈裟)、ワタシが誰かからうつったか・・・
あ!
ナナ?・・・かしら・・・。 うん。あの人言うわ。 でもワタシは言われてもまったく気にならなかったので(ナナの方にもきょんが言うような否定的な気持ちがあるとは思えないし)、長電話をしょっちゅうしていた頃に伝染していたのかもしれません。 これに限らず、ナナから輸入された語彙といのは、ワタシけっこう多いのです。 語尾の「ねーよ」もそうですし、「・・・っつーの」もそうですし、「・・・なのだ」もそうです。 って、こう並べてみると、ろくでもない言葉ばかり入ってきてる気が。
「なるほど、途中からか。でもやっぱ、きょんが言うほど否定の気持ちは入ってないけどねー。 それに今日のなんかはまったく屈託なく言っちゃってるし。 それとも『確かにこぼすこともあるかもしれませんが、自分のくちびるを噛んでしまいそうなこともことさら心配です』とか言えばいいわけ? あなたを否定するつもりはまったくなかったけど、ワタシにとってこぼすことよりもくちびる噛んじゃう方が心配だったのは確かなんだけど、 あんなカジュアルな会話でそこまで説明しなきゃいけないわけですかね?」 「いやなモンはいやなんだよっ」 「ワタシもそんな程度のこと(『それより』より嫌な言葉)で嫌われるのはイヤなんですけど。バカバカしいし(『それより』より嫌な言葉)」 「・・・・・・」
しまった。 せっかく最初にすぐ謝ったのに、ワタシったらちょっと言い過ぎ てはいないけど(どうかしら)、イヤな言葉を炸裂しすぎです。これぞ否定的態度。
「・・・でも、直すようにするよ」<反省したじょりぃ 「・・・・・」 「たださ、黙ってムッとするのはやめてほしい。こっちは気付かないんだし。 クセみたいなもんだと思うから、今度また同じような『それより』を使っちゃったら『ほらそれだよ!』ってその場で指摘してほしい」 「・・・・・」 「嫌な気持ちにさせちゃったのは申し訳なかった。 でもあなたのこと否定してないよ。 ほかの誰と比べても、きょんを否定するなんてこと、ワタシはしていないと思う。 でしょ?」 「かもね」 「とにかく、ごめんね。 一度言われてたのに、コロッと忘れてまた同じ失敗しちゃって」 しかもついでに言いたいこと言って。 「・・・んー」
ちょっと言い過ぎちゃったかなー、『それより』って確かに良い言葉ではないし・・・ と罪悪感を感じたじょりぃは、その後も嫌がるきょんの後ろをしつこくとてとてとついて歩きまして。
「夕飯、どうしたい?」と聞いてみたり。
「じょりぃに作ってあげるのがイヤなのは確か」
かっちーーーーん。
と来ましたが、ここで怒ったらまたふりだしです。 それは非常にめんどくさい。 それに、今きょんがそんな気分になってしまうのは、まあ無理もありません。 ここはワタシのガマンのしどころ。 売り言葉を買ってはいけない。
「じゃあどうしようか。 外に食べに行く?」 「どうでもいい」 「どんなもんなら、ワタシと一緒に食べてもいいと思う?」 「ケンタ」
ケンタキターーーーーーー(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)
「じゃ、ケンタ買ってきて食べよ?(´∀`)」 「じょりぃ、ケンタ嫌いでしょ」 と思いつつ言ったのか。 「嫌いじゃないよ。(実際嫌いではないですし) ビールも買っていい?」 「どうぞ」 「あと、ついでにドラッグストアにも寄ってほしいんだ。目薬買いたくて」 「いいよ」
で、ドラッグストアに行きまして。 まだ不機嫌なきょん。 まあ、ワタシが謝ったとはいえ、きょんが怒って始めたケンカだったのに、ワタシの方ががーーーーっと言いたいこと言ってしまいましたし。 無理もありません。
自分が買うものをカゴに入れ、と。 きょんは別行動でフラフラしているようです。 ワタシと一緒にいたくない様子。
レジにひとりでぽつんと並んで。 レジ付近に並んでいる商品から、あるものをきょろきょろと探すじょりぃ。 確かよくレジ付近に置いてあるんだけd あ、 ほら、あった(・∀・)
ハイチュー。
ドラゴンフルーツ味? なんじゃそりゃ? でもこういうめずらしい味はきょんが好きなはず。
「お待たせー」とワタシ。 「んー」 「あの、これ。きょんに。 今日のお詫び。 ごめんね、ホントに」
ハイチュー・ドラゴンフルーツ味をきょんに、はい、っと。
「わーーー。ありがとーーー(*´∀`*)」
キゲンなおった。 すっかりなおった。 「じょりぃも食べる?」って聞いてくれた。
本日の教訓。
相手が、自分にとって理解不能なことで自分のことを怒っているときは、ワタシは臨戦態勢を取らずに
ハイチューか、ぷぷるんを買いに走ること。
ではなくてですね。
『それより』ってつい言っちゃうクセ、なおさなきゃーー(´д`)
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