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2008年06月29日(日) |
掘り起こされた水色の記憶 |
記憶とは不思議なもので。 思い出さないと「忘れてる」・・・というより「存在しないこと」になっちゃってるわけですが。 きっかけさえ与えられれば「思い出す」ということが割とできるもので、そうなると自分の中で「存在しないこと」だったモノが、にわかに「記憶」とか「思い出」として存在が認識されちゃうんですよ! まあ、あたりまえなことなんですが、とっても不思議。 ちょっとしたきっかけによって、ワタシの脳みその中における「それ」の存在のあるなしが決まっちゃうわけですよ。 なんかSF。 しかもワタシってすごく忘れっぽいので、きっと頭の中、これでもかっつーくらいSFな状態になっちゃってます。 すごいすごい!ワタシの頭の中!カッコイー。
ということで、まだミツコとの話が続きます。スミマセンですねえ。 自分的に、忘れてたことが再生されるのが不可思議でおもしろくて、つい。
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「じょりぃ、どうして結婚しないの?」とミツコ。
キタ━( ゚∀)━( ゚)━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━!!!!うれしくねー!
「なんで?(笑) 変かな?」 「変だとは思わないけど・・・もったいないじゃん。じょりぃが一人なんて」 「誰かのモノになっちゃう方がもったいなくない?(・∀・)」 <たいしたモノの言い方ですがワタシも 「あはははは。そういう考え方もあるね」 「でしょ?」
ちょっとコーヒーなんか飲んだりして。
「結婚する気ないの?」 まだそれかミツコ。 「なぜそんなに結婚させたいの?(笑)」 「そういうわけじゃ・・・。でも結婚する気ないの?」 「ないね」 「どうして?」 「したいと思わないから」 「したことないのに?」 「してから『しない方がよかった』ってわかるのって、面倒なことにならない?(笑)」 「そうだけど・・・絶対しないの?」
そろそろめんどくさくなってくるじょりぃ。
「まあ、縁があればするんじゃないの?」 テキトーに答えました。 「ほら、縁があればするんじゃん(笑)」
なんだなんだなんだ、なんなんだね?
「・・・結婚て、そんなに良いものですか?(乾笑)」 いけね。敬語になった。ムカついてきているらしいワタシ。 「ていうかさー・・・なんでじょりぃがひとり?って思うと、不思議だから・・・(´・ω・)」
あらいけない。 ミツコがちょっとしょんぼり風味になってしまいました。
「特に理由はないよ(´∀`)(ホントはあるけど) それに、ワタシが独身の方が、これからだってミツコに会いやすいでしょ?」 「そうだね(・∀・) ・・・あ、じゃあさ! あたしの高校の同級生なんてどうかな? 独身オトコが3人いるんだけど」
orz ・・・・・・・脱力
「なんでそんなに誰かと結婚させたがるのさ( ^ ∀`^ ) それに、出会いがないわけじゃないから、心配しなくて大丈夫だよ」 「出会いがないとは思ってないよ! たださ、 あたしの友だちとくっついてくれれば、これからも家族同士でずっとつきあっていけるかなって思って・・・」
そーゆー考え方もあるのか(°▽°)
「なるほどね(笑) でも、どっちにしても、ワタシが独身の方が身軽で会いやすいと思うよ(´∀`)」 「そうか。そうだね」
ほっ。 これでこの話は一段落みたいですよ。 まったく、なぜ世の中の人というのは、結婚しないでいると「なんで?」って不思議なモノを見るような目で見て、同じような質問ばかり浴びせるのでしょうかねえ。 しかもミツコの場合、ワタシとちょっとした仲であったわけですが、それでも
「もしかして、じょりぃってレズだから?」
って思っている風には全然感じられず。そこが不思議です。 ひたすら「どうしていまだに結婚してないの?」と、そのフォーカスだけで「?」を飛ばしているんですよ。 あんまりそのへんに屈託がなさすぎるので、かえってカムアウトしやすい気すらします。 あと2回くらい会ったら「女の子のが好きなんだよねー」って言っちゃおう。その方が楽そう。 今さらショックでひっくり返るってこともなさそうですし、ミツコの場合。
そしてまた、同窓会のときの写真を見ながらおしゃべり。
「そういえば、タエコも来たんだよ」とミツコ。
おお! 懐かしい名前!
タエコは物静かでしっかり者な、やっぱり優等生タイプの女の子でしてね。 タエコとワタシは、中1でまず同じクラスになりまして。 出席番号が近かったこともあり、すぐに仲良くなりまして。割と好みのタイプでしたし。 とはいっても、タエコに対しては友情以外の気持ちはなかったんですが。 確か、中1のときは割と一緒にいることが多かったはず。 二人組になってー、なんてときは、タエコと一緒だった記憶が。
で、3年でまた一緒のクラスになりましてね。 おー、また一緒じゃん、担任まで一緒じゃんサイアクー(笑)、とかなんとか言って、また仲良くしていたんですよ。 このときも、二人組になってー、なんてときは、タエコと一緒だった記憶が。 中学のときは高校以降ほど、まだ一匹狼風(って言うとカッコ良すぎちゃうナ)ではなく、それなりの「仲良しさん」がいたんですねワタシ、こう考えてみると。 あ、でも、中2のときはいなかったかな? てことは、フラフラしがちなワタシの側に、タエコが懲りずにいてくれたのでしょう。
ここでタエコの人となりをざっとご紹介させていただきますと。 物静かで、いつもうっすら微笑んでいるような娘なんですが、その笑みは常に微妙にシニカル。そしてポーカーフェイス。 マジメでまっすぐな反面、ナナメからモノ言うようなところもあって、毒も少々。 でもワタシはタエコのそんなところが気に入ってました。 そして周りの子よりも、ちょっと大人びていたかもです。 男子からも女子からも、ちょっと一目置かれてるような存在で。でも目立つわけではなく。 ワタシがバカなことを言ったりやったりすると 「まったくじょりぃは」って顔して、シニカルに笑って、締め、みたいな。
そして、中1の頃からずっとつきあっている彼氏がいて、その子のことについていつも何か心配しておりました。 (彼氏はカッコ良くてモテる上に浮気っぽかった) なんかいつも彼氏のことではしょんぼりべそべそしていて、ワタシは「別れちゃえ!」って言いながらも慰めたり励ましたりしていたような。 でも彼氏の話されるとめんどくさくて「まーたー?(´д`)」って顔にもなってたような。
で、だんだん思い出してきましたが、ミツコやピンクちゃんにちょっかいを出しまくっていたワタシだったわけですが、 それでもよくよく思い返してみると、ワタシの隣・・・というか、一歩後ろ隣に常にいたのは、タエコだったような気がします。 そうだそうだ。 ワタシったらタエコと仲良かったんじゃん! 今まで忘れてたけど! <薄情と言われるゆえん
「タエコかー。へー、タエコ全然変わらないじゃん(笑) 元気だった?」 「うん、元気だよ」 「そういえば、ミツコはタエコと同じ高校だったよね?」 「うん」 「じゃ、あんまり懐かしくないね」 「いや、懐かしいでしょ、十分。 高校卒業して以来だもん」 「そっか(笑)」
ワタシは確か、高1のときにちょっとだけ会ったのが最後だなー。 タエコはバスケ部だったんですが、うちの高校に練習試合に来たんです。 そのときに、お互い「練習を途中で抜ける」という、見つかったら恐ろしい厳罰に処されてしまうスリルをくぐり抜けて 「久しぶり!」「元気?!」「じゃあね!」「またね!」って、かろうじてそれくらいの会話を交わして、それが最後です。
「タエコは今、○○市にいるんだよ」とミツコ。 「へー」 県内にいるんだー 「タエコも独身だよ」 「え!!!?」
次に出た自分の言葉に、自分でびっくりですよ。
「なんで?! なんで結婚してないの?!」
・・・じょりぃさん、あんたそれ、さっきえらそうにこう言ってませんでしたか?
まったく、なぜ世の中の人というのは、結婚しないでいると「なんで?」って不思議なモノを見るような目で見て、同じような質問ばかり浴びせるのでしょうかねえ。 とな。
まあ、ワタシも世の中の人ですからね( ^ ∀ ^ )イチオウ というそらぞらしい言い訳はさておき。 ちょっと自分で恥ずかしかったです。
と思っていたら、案の定、ミツコからツッコミが。
「ほら。じょりぃだって、同じこと言うじゃん(笑)」 「まったくだ(笑) いやでもさ、タエコとワタシだとさ、違くない?」 「何が?」 「キャラが。 ワタシは結婚してなくても、なんか納得できるじゃん?」 「そんなことないよ」 「気を使うな(笑) でもさ、タエコは、なんか、早々に結婚して、絵に描いたような家庭を作っていそうじゃないの」 「かもねー」 「ワタシが結婚しないのは別段不思議ではないけど、タエコがしないのは、ナゾだ」 「・・・あたしから見れば、ふたりとも『なんで?』だけど・・・」 「まあ、それはいいとしてさ。 なんで結婚しないのか、タエコには聞かなかったの?」 「聞いてない」
気になる気になる気になるーーーー。 自分がそうだと相手もそうなんじゃないかの理論でもって、急激に、タエコったら実はレズなんじゃないのーー?という極めて勝手な疑いが頭をもたげちゃって気になるーーーー。
「不倫してるとか?」 こうなるとしつこいじょりぃ。さっきまでの世の中を糾弾するワタシはどこへ。 「えー? わかんないけどー。ないんじゃない?」 「なんかワケアリ?」 「わかんないってば!(笑)」 「既に結婚経験済みでバツイチとか?」 「そうじゃないみたいよ?」 「恋人が南極に探検に行ったきり帰ってこないとか?」 「・・・・・( ´_ゝ`)」 「実はタエコは記憶喪失になってるとか!」 「同窓会、ちゃんと来て話もしてたってば(笑)」
「実はレズビアンだとか!」
・・・と聞きたいのは山々だったんですが、ミツコ、なんの情報も持ってなさそうですし、自分で自分の首を絞めることになるので、いちばん肝心なこの問いは飲み込みまして。ごっくん。
「へーー。ふーーーん」 しきりにナゾがるじょりぃ。 「・・・今度タエコと3人で会う?」 「そだね。タエコに会ってみたいなあ」
レズかどうか確かめたい。違うだろうけど。
ワタシにしてみると、タエコがいまだ独身というのが、ホント信じられなくてですね。 だって、ものすごく結婚しそうな娘だったんですもの。(どんな娘だそりゃ) 保守的だったし。愛する人と自分、てな感じが好きだったし。さびしがりだったし。たぶん。
さびしがり?
はて? ワタシはなぜ、そんなキーワードを、タエコに使ったのかしら。 ポーカーフェイスで、自分の感情を(彼氏のこと意外では)あまり表さないタエコが、さびしがったことあったかなあ? 彼氏のことでブツブツ言ってるときも、ヤキモチっぽいこととか心配とかは多かったけど「さびしい」って言葉は出なかったような気が・・・。
あ!(・o・)
またですよ! まるっと忘れていた記憶が掘り起こされました。 ピンクちゃんとミツコのこと、なんてモンじゃないほど、見事に忘れてました。 思い出してみたらびっくり。 なんでワタシ、今までこんなこと忘れていたんだろーーーーー。 思い出してみれば、ものすごく鮮明に思い出せちゃいました。
あれは、中学の卒業式の日。 卒業式が終わって、名残を惜しみつつ家に帰ってきまして。 当時はまだ「卒業」というイベントにしんみりする感受性を持っていたヤングじょりぃでしたから、自分の部屋に入ってから、中学の3年間というか、仲良かった子のこと思い出したり、高校別になっちゃって会えなくなっちゃう友だちのこととか考えて、ちょっぴりおセンチになったりしておりました。 ワタシの仲良しさんて、誰も同じ高校にならなかったんですよねえ。 ブチョーとか、どーでもいーよーなのは一緒だったんですけど。(ゴメンブチョー)
で、そういえば、タエコが何かプレゼントくれたなーと思い出して、それを取り出しまして。 手紙も一緒についていたんですが、手紙にくれたモノのことが書いてあると、包みを開いたときのサプライズがなくなっちゃうなーと、ここでもちまちましたことを考え、まず包みを開きまして。
ええと、ここまで説明をしたのに、何をもらったのか、思い出せません。 鮮明に思い出したはずなのに。おかしいな(°▽°)
で、次に手紙を読みましてね。 一字一句正確に思い出すのは無理ですが、だいたいこんなことが書いてありました。
・1年と3年で一緒のクラスになれて、じょりぃと一緒に過ごせて、うれしかった。 ・でも、たまにさびしいときもあった。 <これのおかげで思い出した ・じょりぃは信じないかもだけど、あたしは、ミツコやピンクちゃんより、きっとじょりぃのこと好きだったよ。
ワタシ、この手紙読んで、実は泣いたんですよ。ナイショですけどね? なんで泣いたのか、不明。よくわからないまま、泣いた。おセンチになっていたせいもあるかもです。 よくわからないんですが、それでも、タエコに悪いことしてしまった、と思ったのは憶えております。
タエコは「ミツコやピンクちゃんより」って書いてますが、ミツコや、特にピンクちゃんとワタシがどんなカンケーだったかというのは、タエコの想像を超えていたんじゃないかと想像しているんですが。 そのワタシの想像をタエコが超えていたらどうしよう。ってキリがないですよ! まあとにかく、タエコの言ってくれている「好き」は、あくまでも友情というライン上の「好き」であって、実のところ微妙に土俵がズレていると思うんですよ、ミツコやピンクちゃんのそれとは。本来比べられるモノではないわけです。(ミツコやピンクちゃんのも、友情に毛が生えたようなモンですけどたぶん) それでも、あのすましたタエコが、プライド高そうなタエコが、最後の最後でこのようにワタシに打ち明けてくれたことに、ワタシは非常に驚きまして。 気が付けば涙。
泣いた理由はわからないんですが(たぶんおセンチ病)、罪悪感はひとつの理由だと思います。それもおこがましいんですが。 いつも影のようにワタシのそばにいてくれたタエコに、さびしいって感じさせちゃっていたのは、これはなんだかいけなかった。 ヒトの心のことだからしょーがないって言っちゃえばそれまでなんですが、ワタシ、本当に無頓着だったんですもの、タエコに対して。 ワタシ、友だちに対しても恋人に対しても「ワタシと一緒にいたいならいれば?いやならやめれば?」という、たいしたスタンスなのであります。 えらそうなんですが、相手の意志を尊重しているという意味合いもあるのです。 もしかしたら、ワタシのプライドがものすごく高いとか、本人にそのつもりがなくても、ありえますけども。 そんなだから、「気が付けば、いつもクラスで浮いちゃってる?(°▽°)」てなワタシだったわけですが。 中1と中3でそうならなかったのは、タエコがそれでもそばにいてくれたからなんですよね、そう考えてみると。 そのへんも、もしかしたら涙の理由だったのかもしれません。ありがたかったのかも。
で。 こんな大事なことを、今の今まで、すっっっっっっかり忘れていたわけですよワタシったら! タエコの大事な手紙も、タエコが中1中3でワタシのそばにいてくれたことも、今思えば不器用きわまりない彼女の友情も、ワタシの中で存在しないことになっちゃってたんです。 なんで忘れてたんだろ。
たぶん、封印しちゃったんでしょうね。 15歳のワタシの処理能力を超えた感情(てのがなんなのかよくわからないけど、たぶん罪悪感)に、防御システムが作動し、「なかったこと」にしちゃったんじゃないかと。 それくらい、この手紙はワタシをビックリさせたのです。ビックリして封印。好意に満ちた手紙だったというのに。ひどい。 ああ、重ね重ねワタシってひどい。 タエコ、ごめんよーーーーー! ワタシ、ちょっと大人になったから! 今度こそいい友だちになれる気がする! 気がしてるだけだから、相変わらずダメダメってこともすごくありうるけど!
・・・という、まあ、ちょいとキレイゴトめいた気持ちもあるんですが。(キレイゴトめいてますが、ホントに思っているんですよ!) それよりも気になるのは、
「タエコ、なぜいまだに独身?」
つーことです。 もうほら、仲間だとうれしいなって、先走って期待しちゃうモンですからね。 結婚しない理由なんて人それぞれ十人十色の理由がある、あるいは理由なんてない、とわかっていつつも。 もしかしたらもしかしたら(・∀・;)ワクワク ってしちゃうわけですよ。 タエコ口説いちゃおう☆という気持ちはまったくありませんが。でもうれしいじゃないですか、もしそうだったら。
そして、『タエコがまだ独身→(短絡的に)レズ?(・∀・)』 という勝手な期待感も、この手紙のことを思い出させてくれたきっかけのひとつになったのではないかなー、なんて思ったりします。 とりあえず、友情ライン上とはいえ「じょりぃのこと好きだった」って言葉が入ってましたからね。ここに引っかかってきたのかも。
まあでも。 十中八九。
タエコはノンケですけども。
タエコがノンケだろうがレズだろうがそれ以外だろうが、とりあえず、ミツコと3人で早く会ってみたいものです。 そのときは、独身ふたりでタッグを組んで、ミツコを相手に
「なんで結婚なんてしたの?」
と、逆転攻撃をしかけるのであります。 うん、楽しそう(・∀・) <性格悪い
今はとにかく、タエコの存在がワタシの脳内に戻ってきてくれたことが、ちょびっと心地よかったりします。 今まで締め出してて、ごめんよ、タエコ。
ちなみに、タイトルの「水色」は、なんとなく、タエコのイメージという、ただそれだけのことです。
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