今日も今日とて
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2008年05月20日(火) 温度差

午前中、仕事をしておりましたら、妹から電話が来ました。

「もしもしー」 あら妹よ、ちょっと声が暗い?
「はいー」
「今仕事中?」
「仕事中だけど、大丈夫だよー」
「あのさー・・・」

何やら新しくパソコンを買ったらしくてですね。
セッティングに手間取っているらしく。

「じょりぃちゃんが作ってくれた、売上げ管理と請求書が一緒になってるやつあるじゃない?
 あれって、新しいパソコンに移せる?」と。

「あーー。あれかーーー。どうかなーーーー」


妹の夫君が自営業でしてね。妹が経理を受け持っているんですが。ていうか、伝票出すだけなんですが。
市販のものだと、なかなか業務形態に合ったものがなくてー・・・と相談されまして。
なので、その業務に合わせて、データベースソフトで伝票&売上管理のフォーマットを、妹のためにだいぶ前に作ってあげたのです。
でも、それを立ち上げるアプリケーションが古すぎる(Win98用…)上に、もう生産されていないんですわ。
で、あーじゃないこーじゃないと説明しても、妹、さっぱりわからないご様子。
「とりあえず念のため、CD-ROMにバックアップはしてさー」と話したら「ばっくあっぷとは、なに?」というくらい、話が通じない。


「とにかく、vistaになっちゃったなら、もうおねえちゃんにはお手上げだなぁ」とワタシ。
そもそも、windowsが使えないんだものワタシったら。

「あ、それがね、あたしも新しいのいやだから、今までと同じXPのやつ買った」 

姉妹揃って臆病者。<きょんにわざわざXPを買わせたじょりぃ

「じゃあ大丈夫だよ( ^ ∀ ^ ) CDにデータを焼くのはできる?」
「・・・たぶん・・・よくわかんないけど・・・(´・ω・`)」


か、かわいそう・・・!


「あなたなんだか、ちょっと元気なくない? その作業がイヤでイヤでしかたないのでは?」とワタシ。
「・・・うん・・・あたしは新しくしたくなかったんだけどさ・・・これから月末だし・・・どうしよう(´;ω;)」


か、かわいそう・・・!


「それ、すぐすぐなの? 明後日まで待ってくれればおねえちゃん手伝いに行くよ?」

あ、言っちゃった。

「全然すぐじゃないよ!(・∀・)*+*キラキラキラ」
「今日は動けなくて、明日は出張だから、明後日の午前中なら1時間くらい使えるけど。あなたはどーお?」
「だいじょうぶだいじょうぶ! 明後日で平気?急じゃない?」
「いやいや(*´∀`*)」
「よかったー。ありがとーーー」
「いやいや(*´∀`*)」


ワタシは恋人にも甘いんですが。
怖いことも多々ありますが、基本的に甘いと思います。
ナナにも「やさしくはないが、甘い」と太鼓判を押されております。

その甘さの原点に、妹がおります。

今でもそうですが、ワタシは妹がかわいくてしかたなかったのですよ。
なのでワタシは昔から、妹に甘かった。

以下、幼少時の回想。

ワタシはやさしい姉だった。
妹がいじめられればすぐにすっとんでいった。
近所のみんなと遊んでいて、妹が鬼になると、妹、イヤになって黙って帰っちゃうから、ワタシが代わりに鬼になった。
そしてみんなに謝った。
でも家に帰ってからも妹のことは怒らなかった。
怒らなかったけど「おねえちゃん、代わりに鬼やっといたから!( ^ ∀ ^ )」と恩着せがましくした。
妹は「さすがおねえちゃん。ありがとう」とちゃっかりしてた。
妹が親に怒られるとワタシは必ずかばった。
ちなみに妹がワタシをかばってくれたことは、ない。
妹が怒られて、家の外に出されちゃうときは、ワタシは泣きながら「やめてよー、かわいそうだよー」とかばった。
が、逆のときに、妹が「えへへ」と笑いながら、ワタシを外に出そうとしている母親の背中を押して煽っているのすら見たことがある。
そのときはケンカになった。「おねえちゃんはいつもおまえをかばってるのに!」と恩着せがましく罵った。
何かを選ぶときは、いつも妹に先に選ばせた。
ワタシは欲というものがあまりなかったからというだけだったんだけど、ここでも恩着せがましくしておいた。

・・・あれ・・・?

ワタシが妹に甘いという話をしようと思っていたのに、いつの間にか、ワタシが妹に恩を着せてばかりという話になってきてしまったので、このへんでやめておきます。


まあ、幼少時のことはさておきですね。(わざわざ話しておきながら、さておくことにした)
今でもワタシは妹に甘いのです。
何かを頼まれれば断れない。
というか、妹は頼むことすらしません。
「どうしよう・・・(´;ω;)」とワタシに言えば、それでオッケー。

幼少時の回想ではちょっとピントがずれてしまいましたが、実際、親からも親戚からも、とにかくワタシたち姉妹を知っている人ならばですね、
みんな口を揃えて「じょりぃちゃんはやさしいお姉ちゃんねえ(*´∀`*)」と、目を細めたわけですよ。
妹も、自分の友だちにワタシを紹介してくれるときなどは、筋金入りのヤンキーになってからだって

「うちのおねえちゃん、やさしいんだよー」

と、いつも友だちに自慢していたほどだったんですから!
ホントですよ!
ワタシ、ウソついてませんよ!


だからまあワタシが思うに、今でも妹には甘いわけですし、「やさしいおねえちゃん」なわけですよ。


そして先日。法事の後の会食のとき。場所はカジュアルフレンチ(風)なレストラン。
ワタシの体調が最悪だった、この日記のときです。

妹、体が小さいこともあって、すごく小食なんです。
そしてというか、だからこそ、食事のペース配分、いつ、どのへんで、何を食べ、どれをフィニッシュにするか、ということを慎重に慎重に考えるのです。
小食だけど、出された食べ物を残すのはイヤみたいで。
なので、外食だとちょっと大変そうなんです。
量の加減が難しいですからね。

で、ちらっと隣の妹を見てみたら、「ははーん、今日はこれが大好物か」ってな具合に、ステーキの最後のひとくち、とびきりおいしそうなところと、ライス一口分が残っていたのであります。
ワタシから見ても、パーフェクトな配分。
妹は、いちばんおいしいものはいちばん最後に食べるのであります。
ちなみにワタシは何も考えずに気分で食べます。

妹が最後の一口を前に、ふいーっと小さく深呼吸。
お、いく気だな? いく気ですね? (・∀・)おねえちゃんには、お見通しさ!

そこで叔母から「メエ(妹です)、これ好きでしょ? おばさんのあげる」と。自分のオーダーから差し入れ。

「あ、でも、もうおなかいっぱいだし・・・」と妹。
「入るって! 遠慮しないで食べちゃいな(´∀`)」

おばさん。
妹は遠慮してるんじゃなくて、もうフィニッシュなんです。

妹は断りきれなくてもじもじ。
叔母はそんな妹を遠慮しているものと勘違いして、あげようあげようとします。

しかたない。
アタマ痛いし吐き気もしているが。
ここはワタシが妹を守らねばなるまい。
妹は体が丈夫でないので、胃に無理をさせるのが心配でしたし、なにより、やっぱり今まさにフィニッシュ。
妹の大事な大事な「最後に残した大好物を、おいしくいただく」というイベントを、ワタシは尊重しております。


「おばさん。メエはホントに無理っぽいから、それ、ワタシがいただくよ( ^ ∀ ^ )」

無理した。
ワタシの体調、最悪。
でも大丈夫。大丈夫だと思えば大丈夫。


へらへらと、おばからブツを受け取り、うぇっぷがんばるぞーとか思ってましたら、妹、
にっこりとワタシの方を向いて微笑み

「おねえちゃん、ありがとう。大丈夫?」

って言うのかと思ったら


「あたしのこのステーキは、フィニッシュに大事に取っておいたヤツだから、取らないでね( ^ ∀ ^ )」と。



( ° д ° )げふ  <頭痛と吐き気でゲップすら



知ってるよ!!!!
だから今、我が身を犠牲にしてるところでしょ!


「おねえちゃん、小さい頃から、あたしをよく騙したからなーー。
 あたしが取っておいたモン、『いらないなら食べてあげるね』って、恩着せがましく食べちゃうんだもん」



姉妹のあいだに、
お互いの記憶のあいだに、

かきまぜる前のお風呂の上と下、くらいの温度差があることを、ハッキリと知りました。

ていうか、妹の記憶の中には「恩着せがましい」という部分がクローズアップして残っているようです。
さらに加えるなら「騙す」「ずるい」というのもアリみたいです。
ひどいねーちゃんだなヲイ!


それでもワタシはやっぱりやさしいので、明後日妹のところへ行ってまいります。
そして、ワタシを友だちに紹介してくれるときに「うちのおねえちゃん、やさしいんだよー」って自慢してもらうんです。

げふ。





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