今日も今日とて
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今日、母が竹の子ごはんその他を作ってくれたので、実家に取りに行ってまいりました。 実家に取りに行ったのはワタシだけでなく、なっちゃんも赤ちゃんの顔を見せがてら寄ってくれまして。 さらに叔母(母の姉)も取りに来まして。 そしてさらに、皆で赤ちゃんをあやしながら料理ができるのを待っておりましたら、妹夫婦が「赤ん坊の匂いがする。クンクン」と言いながら登場。 実家と約束していなかったのですが、通りすがりに寄ってみたそうです。 何か一気に我が実家が大所帯に膨れ上がった数時間だったのですが。
妹は、前回なっちゃんが赤ちゃんを連れて実家に来てくれたときも、「たまたま気が向いて」実家にやってきましてね。 そして「赤ちゃん赤ちゃん(*´∀`*)」と、思い切りあやし倒して帰っていったのですが。 ワタシと妹は滅多に顔を合わせないというのに、何この偶然。 あいつには赤ちゃんを嗅ぎ付ける特殊能力があるのか。と本気で思ったりしたんですが。
まあそんな具合に、なっちゃんの赤ちゃん、サービス精神旺盛 というよりサービス精神過剰な我が一族に囲まれ(妹の夫も無類の子ども好きで、かつサービス精神過剰)、
「何のおかまいもしませんで(´∀`)」
とはとても言えないくらい、にぎゃにぎゃとかまわれまくっていたのですが。
途中でなっちゃんが、赤ちゃんにお乳をあげるために別室に行きましてね。 父は庭作業しに行ってしまいまして。 母はずっと台所。 叔母は母の手伝いに。 義弟は仕事の電話をするために外に出まして。
ワタシと妹だけになり、急にしーんとしまして。 ワタシはヒマつぶしに、側に置いてあった、手のひらに収まる大きさの四角い物体を手に取りました。 なんだろう、これ。
答は、折りたたみ式のルーペでした。 父が細かい文字を読むときに使うもののようです。 ルーペをひとしきり覗いたあと、黒い本体の裏側を見てみましたら、白のポスカで、父の名前がでかでかとローマ字筆記体で書いてありました。
またか。 また名前か。 またローマ字筆記体か。
ワタシは無言で妹にそれを見せまして。
妹「名前だね」 じょ「名前だね」 妹「相変わらず、でかいね」 じょ「でかいね」 妹「そしてローマ字か・・・」 じょ「そして筆記体・・・」
無言。 台所からは母と叔母が働く音。
「あなたさー、『あたしのモノに名前書かないでよ!』ってお父さんに怒ったよねー。年頃になったころ(笑)」と、妹をからかうワタシ。 「(笑)最近はお母さんがそうやってお父さんに怒るみたいよ」 「わははははははは」 「グローブをマジックで塗られて泣いた人もいたよね」 「あれは悲しかった・・・」
グローブの話をご存知ない方はこちらをどうぞ。
「でもさ、じょりぃちゃんのグローブは、ムクちゃんに比べたらどうってことないかもよ?」と妹。
ムクちゃん? はて? その話は何だね?
ムクちゃんとは、初めて飼った犬の名前です。柴犬の血の濃い雑種でした。 ワタシが小学校6年生のときに飼い始め、6年くらいしか生きなかったのですが。 もらってきたときに、むくむくとした子犬だったので、ムク。 シンプルな名付けです。 現在の我が家の犬も「ぼーっとしてるからぼーちゃん」「白いからシロちゃん」と実にシンプルですが。
で、そのムクちゃん。 何か気むずかしくてあまりなつかない犬で、しかもしょっちゅう脱走するような犬で。 かわいがっていたつもりだったんですが、飼い方が悪かったんですかねえ? でも犬もなかなかそれぞれ個性が強いので、独立心旺盛な犬だったのかもしれません。 そのムクちゃんが、ワタシのグローブにも増して父からひどい扱いを受けた、と、妹はこう申しているわけであります。 そしてワタシはそのことを覚えておりませんでした。
「え? ムクちゃんにいったい何が?」とワタシ。 「覚えてないの? まずさー、よくお父さんに眉毛描かれてたじゃん」
それは言われてみたら思い出しました。 父は大真面目に「この方がハンサムだ」と、ムクちゃんに黒マッキーで黒々と眉毛を描いていたのでした。 しかも一度や二度ではなかったような気が。
・・・そんなことをされたから、脱走するような犬になってしまったのかしら。 ワタシがムクちゃんでも、脱走したくなるかもしれません。
「はいはい!思い出した!」とワタシ。 「じょりぃちゃん、もしかしてアレも覚えてないの? ピンクの水玉」と妹。
ピンクの水玉? なんですかねそれは。
「覚えてないなあ」
妹が教えてくれた父の行いはこうでした。
「お父さんさー、ムクちゃんをピンクの水玉模様にしちゃったんだよ」
え!
「え! ど、どうやって?」<何も覚えていないワタシ 「ちゃんと紙を水玉柄に切り抜いてマスキング作って、ピンクのスプレー缶で、しゅーーー!っと」 「・・・いったい何のために・・・?」 「これなら脱走しても、すぐにうちの犬だってわかって、保護してもらえるからね( ^ ∀ ^ ) って」
絶(°▽°)句
それならいっそ、ムクちゃんに直接父上様の名前と電話番号でもでかでかと書いておけばよかったのにと一瞬思いましたが、そういう問題ではありません。 それに、薄茶の犬にピンクの水玉模様ってセンスとしてどうなのかと激しく思いますが、そういう問題でもありません。
・・・ムクちゃんが6年で死んでしまったのは、父によるストレスのせいだったのかもしれません。 ていうか、覚えていないだけで、ワタシと妹も父にどんな落書きされてたかわかったもんじゃないですよホントにもう。 しかしワタシもよくこんなショッキングな事件をキレイさっぱり忘れたもんです。 もしかして、共犯だったのかしら・・・罪の意識から記憶消去・・・?
いやいやまさか! いやだーーー! 考えたくないーーーー・゜・(ノД`)・゜・。
とりあえず、動物愛護なきょんにはこの話は伏せておこうと思います。くわばらくわばら。
両親は最近、ビオトープに凝っているらしく、今日も父がなっちゃんの赤ちゃんを抱っこしながら
「ほーら、金魚。メダカもいるよ( ^ ∀ ^ )」
と得意そうに見せていたのですが。
今度実家に行ったときは、父の折り畳み式ルーペを借りて、金魚やメダカに名前や柄が落書きされていないか確認してこようと思います。 とワタシは今、あくまでも冗談で言ってますが、彼の場合ホントにやりかねなくて心配です。
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