今日も今日とて
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きょんの仕事関係のお友だちに、動物看護系の専門学校で講師をしている田崎さんという女性がおります。 専門はトリミング。 就職の季節になると、きょんの病院にも生徒を連れてやってきたり、たまーーーーに病院のトリミングも助けてもらったりしている関係もあり、また、田崎さんがサバサバしていてつきあいやすい人でもあるということで、きょんとはプライベートでもメールをやりとりするような間柄であります。
で、その田崎さんが、先日めずらしくパリッとしたスーツを着て、男性と一緒にきょんの勤める病院へやってきたらしいのです。 患者さんやお客様の応対は主にきょんが行いますので、このときもきょんが迎え入れ 「どうしたんですかー今日は。スーツなんか着ちゃってー(・∀・)」と冷やかしましたら
「学校辞めることになったので、引継のご挨拶にうかがったんです」と田崎さん。 「えー? 辞めちゃうんですか?」ときょん。
で、院長も交えてご挨拶やら大人の会話やらをしていたらしいのですが。
当然「田崎さん、なんで辞めちゃうの?」って話になりまして。
「お嫁にいけそうなので、ちょっとその準備をしようかなと思いまして」 と、田崎さん。
院長は「それは良かったわねー。おめでとう」と喜んでくれたらしいのですが。 きょんはそれを聞いて「ん?」と何か腑に落ちなかったのでありました。
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「何が腑に落ちなかったの?」とワタシ。 「なんかさー、田崎さんが結婚、とか、田崎さんが結婚準備のために退職、とゆーのが、ピンと来なかったんだよねー」ときょん。 「あれー? 田崎さんてどんな人だったっけ?」 名前を覚えるのが苦手なんです。 「あなた、何回それ聞くのよ・・・。 じょりぃは一回田崎さんに会ったことあるよ。そのときに『わー、キレイかわいい人だねー(・∀・*)』って喜んでたじゃないの」 「あーあー、はいはい。あの田崎さんか!(*´∀`*)」 って、田崎さんてひとりしかいないんですが。
「確か、プリクラ見せてもらったときも、ワタシ活気づいていたよね?」 「そうそう」 「もいっかいあのプリクラ見せて(・∀・)」 「もう捨てちゃったよ」 「プリクラを捨てる人がいるなんて・・・!」 「あんたは中学生か」
「で、その美人の田崎さんが結婚するのがなぜピンと来ないのだ?」とワタシ。 「だって、なんか、結婚 て感じの人じゃないんだもん」 「田崎さんていくつ?」 「あたしより4つ5つ下かな?」 「へー。微妙な年齢だなぁ。美人で人柄も良くてその年まで独身かぁ。 ふふ。 レズだったりして」 「うん。 なんかマジで、そんな雰囲気のある人なんだよねー」
きょんのゲイダーがめずらしく反応したらしい田崎さん。
「レズだといいな! 美人だし!」 はしゃぐじょりぃ。
しかし勝手にはしゃいでみたものの、どうもイマイチ田崎さんのことがよく思い出せない。 一度しか会ったことがない、ということと、きょんと一緒にいるときにきょんの友人様と遭遇したときなどは、最初と最後ににこやかに会釈するだけにして、ワタシはあまり会話に参加しませんし、お顔もあまり見ないようにしてしまうのです。 恋人とその友だちが偶然会って盛り上がっているときって、相棒は割と所在なかったりしませんか? 「共に盛り上がれ」と言われればいくらでも盛り上がれるお調子者のじょりぃでありますが。 せっかくの、ワタシの介在しないきょんの友情ワールドにずかずか侵入するのも気が引ける気がして、少し離れてぼーっとした顔してるくらいしかすることはありませんです。
ということで、田崎さんのことも最初と最後に姿カタチを見たくらいで、じっくりは見てなかったんですよ。 何を話しているかもどんな話し方や顔の表情なのかもわかりませんし。 これがわかると、ぐっとその人の人となりがリアルになるんですけどね。
ただ、「わ。きょんの職場関係にこんなキレイかわいい人がいたのかー」と思ったのは覚えております。 が、造作が整っている割には、華やかさはなかった、ということも覚えておりまして。 それゆえに印象が薄かったのかもです。 華やかさがない、というよりは、女っぽさがなかったのかもです。 ワタシは女っぽい人が好きなので、そのへんで印象の深さが足りなくなったのではないかと。
とはいえ、その後、きょんが職場のみんなと撮ったプリクラを見たときも
「この人誰? かわいいじゃんね」
と、しっかり田崎さんの美貌に反応していた抜け目のないじょりぃではあったんですが。
で、その田崎さん。 きょんが「レズっぽい雰囲気がある」とめずらしく申しておるわけですよ。 きょんは割とそのへん鈍くてですね。ワタシと長年一緒にいながら。 ナナの方がそのへんは、当たってるかどうかはさておき、カンが良いというか。 ワタシがカムアウトする以前から、例えばテレビや映画を見ていても 「この人(女性)は女の人にモテそうだよね」とかな発言が割とあったりですね。 さらに「ほう」と思うのが、「女の人にモテそうな女性」と「女性を好きな女の人が好きそうな女性」の区別があったりするんですよ。 ゲイに関しても「女性受けするゲイっぽさだね」とか。 ゲイ受けするゲイと女性受けするゲイを、それが正しいかどうかは別として、ナナの中で区別してるというのが「ほう」という感じなんですが。
その点、きょんは非常にのんきというかどうでも良いというか。 自分の中で意識して分類するという習慣がないみたいなんですわ。 が、芸能人ネタで「あの人ゲイなんだってよ」なんて教えてあげると「えー。ステキー」となぜか活気づいてご贔屓にしたりという現象があったりはするんですが。 でも「あの人レズなんだってよ」というネタには「へー」とつまらない返事を返してきます。 ホントオンナに興味ないのですこの人。
背景説明が長くなりましたが。 まあ、そのように「オンナ? レズ? うん、どうでもいいかな(あくび)」というきょんが、「田崎さんはソレっぽい気がして」と思っていた、というのは、ワタシには非常に興味深くてですね!
「えー、なんでそう思うのー?」とワタシ。 「よくわかんないけど。とにかく『男性と結婚、そしてそのために退職』て感じでは全然ないのは確か」 「結婚向きな人ではない、ということとはまた違うの?」 「んー・・・よくわからないけど・・・。 なにしろあんだけ顔立ちもスタイルもいいのに、オトコの影とか匂いとかが全然ないしさ。 それと、ノンケ女性にありがちな『じと』っとした感じが皆無」
じと って。 ノンケ女性のかた、気を悪くしないでくださいね。 ワタシにはこの表現、なんとなくわかるんですよ。 決してネガティブな意味ではなくてですね。 で、レズが「カラ」っとしているかと言えば、決してそんなわけでもなく。 そして言わせてもらえば、きょんには「じと」があるんですよ。 男性と一緒にいるときに発されるオーラとかフェロモンの感じかな?となんとなく思うんですが。 だからレズが好みの女性の前に出れば「じと」ってするんだと思います。 きょんはもっぱら男性にアンテナが向くので、ノンケ女性の「じと」には割と敏感に反応するゆえ「ノンケ女性にありがちな」という形容詞がついたのではないかと。 自分でもこの感じがハッキリくっきり輪郭づいていないので説明がこんなですが、なんとなくは伝わっていただけるでしょうか。
「それにやっぱり、『結婚の準備のために勤めを辞める』ってのが、なにしろ田崎さんらしくないのよ」ときょん。 「それはレズとかそうでないとか関係ないと思うけどね(笑)」 「そうなんだけどーーー」 「でもさ、『結婚決まったんで辞めるんです☆』でなくて、 『お嫁にいけそうなので』って表現が、なんだかレズっぽい気はする。なんつーか、なげやり感があるし(笑)」 「それがレズっぽいかってのは、あたしにはよくわからないけど」 「それと、用心深さを感じるんだよね、なんか。ホントに結婚するんかいな、みたいなさ」 「そうそう! あたしこの話でもっとも言いたかったのは、田崎さんがレズとかそうでないとかでなくて、その部分なんだってば!」
きょんは田崎さんのこの発言を聞いて「ん?結婚てホント?」と思ったと。 会社を円満に辞めるために「結婚するんで」とウソをつくことは、そう珍しいことではありません。(割と後々面倒なんですけどね) 上司に正直に「あんたが気に入らない。このままいると毒を盛ってしまいそうなので辞めます」とはなかなか言えない。 「○○さんと社内不倫してたんですがボロ雑巾のように捨てられたので、復讐に専念するために辞めます」とはなかなか言えない。 そんなときに便利なニセ寿退社。
で、きょんは「田崎さんもホントは他に理由があって辞めるんじゃないかなー」とうっすら思ったそうで。 きょんは結婚にまったく重きを置かないヒトなのですが、田崎さんも同じような感じがして、そういうところにも好感を持っていたらしいんです。 おまけに「レズっぽい」と思っていたものですから、余計に「結婚ーー?」と思った、と。
「でも、院長や石田さん(同僚)なんかは、なんかもう『おめでたいね!』って、何も考えずにえらい盛り上がりようでさー(`Д´*)」 「そ、それはフツウ、疑ってはいけない部分だろうし・・・」
そんな具合に、病院内では「田崎さん結婚!」てな感じで盛り上がってしまっているので、きょんとしては 「もし偽装だったら、田崎さん困るのではないかしら。そしてあたしはどういうスタンスでいればいいのかしら」 と勝手に悩みましてね。 田崎さんにメールしてみることに。
『今日はお疲れさまでしたー。で、結婚て、ホントにーーー?』と。あくまでも軽く。
田崎さんの返事は 『学校側への理由としては、そのように伝えてあるんだー』
「これって、ウソってことじゃなーい?」ときょん。 「うん。ウソっぽいね」
ということで、数回のメールのやりとりの中で
『院長たち、すっかり大盛り上がりしてますけど、それって大丈夫?』めいたことを送りましたら
『とりあえずしばらくは院長にも、そういうことにしておいて』と田崎さん。
「そういうこと ってことは、ウソだよね?」ときょん。 「ウソっぽいね。 田崎さんて頭良さそうな感じするけど、どお?」 「うん。いいよ」 「ますますレズだといいなあ。今度ワタシと親しくなれるようにセッティングしてよ」 「いいけど、しばらく会わないよー? それにレズじゃないかもだし」 「でも美人で賢いから(*´∀`*) おともだちになりたい」
田崎さんの用心深さもとっても気に入ったじょりぃ。 この感じですと、もし田崎さんがレズで、お互いにカムアウトした場合も安心です。 よそで「あたしレズだけどー、じょりぃさんもそうなんだよね」みたいな展開には持っていかなそうな人という気が。
レズ友と浮気相手は、口の堅い人に限ります(・∀・)
しかし。
ワタシも美しくて人柄も良く賢いいい年した独身女性なので、きっとまわりにレズってウワサされているに違いありません。 ああ、ただの「いい年した独身女性」ならばクローゼットも楽なのに・・・。(勝手にやってろワタシ)
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