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2007年05月17日(木) ち○こあるんでしょ?

あれは高校1年の今頃だったでしょうか。
また思い出話でスミマセン。

ソフト部仲間だったチズが、ひとりの女の子を連れてワタシのクラスにやってきまして。
「じょりぃ、こいつ、ターっていうんだけど」と。

はあ、そうですか。

「どうも」と、頭をぺこりと下げながらワタシ。
「どうもー」と、にこにこ恥ずかしそうなターちゃん。

しばらくお互いに、そしてワタシはわけがわからぬままにこにこしていたんですが。

チズが
「ターね、じょりぃのことがかわいくて友だちになりたいんだって。
 紹介しろっていうから連れてきた」 と。

え!


ターちゃんて、人を見る目がない・・・・・。


「か、かわいい・・・?」とワタシ。
「うん。じょりぃちゃんかわいい」と、にこにこと微笑みながら、ターちゃん。

文字にすると、ターちゃん、しゃあしゃあと言い放っているかのようですが、何かこう、終始にこにこ恥ずかしそうに笑っていて、
「ターちゃんこそかわいいじゃないか」
という感じの子です。
実際、顔も割とかわいかったんです。そしてハスキーボイスのターちゃん。

「あー、うー、  どうもありがとう・・・」

女の子にこんな風にわざわざあらたまって「かわいい」なんて言われたことなかったので、どんな態度を取ったらいいのかわからないじょりぃ。
で、その日はふたりして、もじもじへらへらして解散となったのですが。

そんな風にきっちりと紹介してもらいましたから、廊下などで会うとお互いに「にこ」と微笑み合ったり、手を振り合ったりというかわいらしい間柄になったわけですが。
とはいえ、「ねえねえ聞いてー」なんておしゃべりするような間柄でもなく。
でもターちゃんはとてもやさしくて性格の良さそうな子で、「こんな子に気に入ってもらえるなんてうれしいなー」なんてしあわせな気持ちでおったわけです。

そしてある日。

ターちゃんがチズと一緒に、またワタシのクラスへやってきました。
チズ「ターがじょりぃに聞きたいことがあるんだって」
あ、そうなの?と言って、ワタシはにこにことターちゃんを見ました。
そうしましたら、ターちゃん、ワタシの耳元に顔を近づけ、こそこそとナイショ話風にワタシに囁きました。
ワタシ、耳が弱いので困っちゃうんですよねー、内緒話。
もじもじそわそわしながら、あやうくターちゃんにときめきかけたときに聞こえてきた言葉がこちら。

「じょりぃちゃん、ち○こあるんでしょ?」



(・_・)



(°▽°)は?



疑問系とはいえ、あまりにも確信に満ちたその問いかけに、
「ワタシもしかしてあるのかしら」と一瞬思ってしまいましたが、たぶんないはずです。ていうか、ないです。

だいたいそもそも、ち○こなんて言葉をハッキリと、しかも耳元で囁くように言われるなんて、弱冠15歳の純情じょりぃはびっくり仰天ですよ!

「な、な、ないよ!」

内緒話に大声で答えるじょりぃ。
だってあまりにも唐突ではないですか!
ターちゃんはワタシを男子だと思ってるわけ?!

「えーーー・・・・誰にも言わないからホントのこと言って」 と、ターちゃん。
「ホントだよ。なんでそんなこと思うの?」
「絶対ついてると思ったから」

(°▽°)

「ついてたら女子高入れないでしょ?(笑)」
「そんなことないよ」

ターちゃん、おかしい(・_・)

「とにかく、ワタシにはそれ、ついてないよ」
「なんだー・・・・・」

ターちゃん、すごくしょんぼりして帰っていきまして。

ワタシが男の子じゃないから、ガッカリしちゃったのかな・・・。
でもどうにもできないし・・・。

これでターちゃんの態度が変わっちゃうとイヤだなー、なんて思ったんですが、ターちゃんは変わらず、廊下で会えばやっぱり手を振ってくれたりしました。
でもやっぱり、前のように、なんというか、ワタシに対するきらきらしたものを以前ほどは感じなくなったんですよね。
それでもたまに話をする機会があったりすると「じょりぃちゃんかわいい」とか言ってくれて、すごく貴重な人材だったんですが。

と、ここまでが高1の話です。
高2では、ワタシとターちゃんはほとんど接触がなくなりました。さびしいものです。


高3で、ワタシはSという破天荒な女と同じクラスになり、仲良くなってかわいがってもらったのですが。
Sはあの高校の中では不良グループのような位置にあり、そしてその中でリーダーでした。
そのグループに、ターちゃんもいたのです。
自然とSのグループはワタシたちのクラスに集まるようになり、ターちゃんもやはり顔を出します。
恥ずかしそうな笑顔はそのままです。誰にでもあのようにかわいらしく笑うのかもしれません。

そしてある日。

ワタシが自分の机でごそごそしておりましたら、ターちゃんがちょこちょことやってきまして。
あら懐かしい。
にこにこしながらターちゃん、ワタシの横にしゃがんで言いました。

「ねえじょりぃちゃん、ホントにち○こないの?」

またか!(°▽°)
久しぶりに話したと思ったらまたそれですか!

ワタシ、もしかしてターちゃんにからかわれているのかしら・・・。

「ホントにないよー」
「ホントにホントに?」
「んー・・・じゃあ、ソフト部の子に聞いてみてもらってもいいよ。
 合宿でみんなと何度かお風呂入ってるし・・・」
「ちっちゃいのもない?」
「ちっちゃいの?・・・ってどれくらいなの?」 ワタシもそんなこと聞いてどうするのか。
「これくらいとか」 自分の親指と人差し指で何かをつまむような形をつくり、大きさを表現するターちゃん。
「・・・ないみたい」
「そっか・・・」

またガッカリさせてしまいました。

でもやっぱりからかわれているのかなあ。

と思ったじょりぃは、Sにこの件を話してみることに。
高1のときのことも含めて、「ターちゃんにこう聞かれるんだけど、からかわれてるのかなあ」と。

S、しばらく「うーん」と考えたあとに、「ターが自分からじょりぃにそこまで話を振ってるんならいいのかな」と言った後に、話してくれました。

「ターにはち○こがあるんだよ」



(・o・)



予想外の返答に、じょりぃ、リアクションできず。
一呼吸おいてから 「ウソでしょ?(笑)」と。

だいたい、Sも年中、特に性的なことに関してワタシにウソを吹き込んでは「ウソだよ〜〜〜ん。ぎゃはははは」と笑いのネタにしていたものですから。
まーたこいつらワタシをからかってるよ!とまずは思ってしまったのであります。

「いや、ホント。これはここだけの話にしておいてね。一応、ターにはあたしから話したってのは伝えるけどさ」
「う、うん・・・」

Sは真面目な顔してます。してますけど。
ここ、女子高だし。ち○こあるって。

「ねえ、ワタシをだまそうとしてないよね?」と、しつこくワタシ。
「してないよ(笑) あのね、ちっちゃいのがついてんの、ターには」
「ちっちゃいの?」
「うん。たまにいるらしいんだよね。両方ついてる人」

なに。
では本当の話なのか。

「・・・両性具有?」
「そ。 胸もあるし生理もあるし、全体的には全然女なんだけど、ち○こだけちっちゃいのがついてんの」
「そうだったのか・・・」
「で、じょりぃも仲間なんじゃないかって、ずっと思ってるみたい」

だからその根拠はなんなのよターちゃん。

「そうだったのかー」
「みんなともお風呂入ってるし、目立つってほどでもないけど、でもまあついてるって言えばついてるかな」
「ふうん」
「ま、そういうわけだ」

なんだか複雑な心境のじょりぃ。

ターちゃんにち○こがついてたというのは、そりゃビックリしましたが、だからって「気持ち悪い」とか「ヘンなの」とかいう感想はもちろんまったく持たなかったのですが。
というか、ワタシは当時「男になれば女の子と結婚できるのにー」と思っていたりもしたので、ちょっとうらやましくもあったりして。
色々と学んだ今では「ち○こついてる = 男」ってわけではないという認識でありますが。
当時はほら、まだ今に輪をかけて無知だったものですから。
シンプルに「ち○こあれば男で、女と結婚できる」って思ったわけですよ。

そして、ターちゃんはどんな気持ちでワタシに「ち○こあるんでしょ?」って聞いたんだろー、と思ったら、何か妙に切なくなりましてね。
「ついてたら女子高入れないでしょ?」なんて、なんで言っちゃったんだろ。バカバカワタシの無神経バカ。
それに偽善ぽいんですが、ワタシにもついてればターちゃんひとりぼっちって感じにならなくて済んだのになー、と、「ついてなくてごめんよターちゃん」と見当違いなことを思ったりしました。
立場は違えど「自分は他の子と違う」という疎外感というのは、ワタシにも身に覚えがありましたし。
外観が違う分、ターちゃんのが切実かもしれませんし。
ターちゃんの抱える事情が切ない、というより、ターちゃんとちゃんとしっかり会話をせずに「ふざけてるんだー」と思いこんで適当にあしらっていたその状況が切ない。
まあ、事情を知らなかったんですし、唐突な質問でしたから、無理もないといえば無理もない気もしますが。

もっときちんと相手をすればよかった。

Sから話がいったのかいかなかったのか、その後もターちゃんは
「じょりぃちゃん、股見せてよー」と無邪気に言ってきたりしたのですが。
見せられませんし。
ああ、それともやっぱりからかわれていたのかなあ。Sもターちゃんの冗談に便乗したのかなあ。


そんなこんなで卒業し。
Sともターちゃんともそれっきり会わなかったのですが。


もう10年ほど前になりますが、ワタシったらひどい風邪をひいてしまいましてね。
あ、具合悪い、と思ったとたんにメキメキ熱が上がってしまい、会社を早退して家についたら既に8度5分。
何かもう寒くて熱くて、体にパジャマの布が触れただけでもぴりぴりと痛くてしんどくてですね。
翌日も9度2分までもりっと上がってしまったので、とりあえず点滴打ってもらわないとダメだこりゃー、と思いまして、這うようにして病院まで行ったのですが。

そんなわけで、お風呂にも入ってない、髪も洗ってない、服装はとにかくカラダにラクなものということで超適当なトレーナーとジーンズという状態で医者の待合室に座っておりました。
ていうか、座っているのも難儀で、何かもう、灰になって燃え尽きた矢吹ジョーのような姿勢で、ぐねんだらりーんとしていたのですが。

「じょりぃちゃん?」

というハスキーな呼び声で顔を上げるワタシ。
そこにいたのは、赤ちゃんを抱っこしているターちゃんでした。
恥ずかしそうな笑顔は昔のまんまです。

「ターちゃん!」

ぐねんだらりーん、なじょりぃでしたが、懐かしさと嬉しさが勝って、よたよたと立ち上がりまして。
久しぶりだねー、元気だったー?、わーターちゃんの赤ちゃん?なんて会話をフラフラと交わし。

交わし。

Σ(°▽°;)

自分の本日のあまりにもなみっともなさを思い出すじょりぃ。
寝ぐせもそのまんまですぜダンナ!

「あー、今日熱がひどくてさー、なんかひどい格好でひどい顔してるんだけど・・・」と言い訳せずにはいられませんよ!
「具合悪いときってそうだよねー」 顔と格好がひどいことは否定されませんでした。

ああ・・・orz
かつて「じょりぃちゃんかわいい」と言ってくれた人の前で、こんな醜態さらすとは・・・。

またね、お大事にね、と大人な挨拶で別れ、しあわせそうに赤ちゃんを抱っこして病院を出ていくターちゃん。

熱で朦朧としつつも、「ああ、ターちゃん、しあわせそうだ・・・」と、人様のしあわせが何やらとてつもなく嬉しくてですね。
もちろんついでに「ち○こ、どうしたんだろ」とも思いましたが。
ち○こ込みで愛してくれるパートナーが見つかったのだったら、何かもうしあわせ感も倍増です。


でもでも。

肝心の両性具有の話をした相手はSなので、「もしかしたらかつがれているかも」という気持ちは今でも5%くらいあります。

ホントはどうだったのかなあ。

そしてどうしてワタシにち○こがあるとあんなに強く思ったのだろうかターちゃん。
謎です。


じょりぃ |HomePage