今日も今日とて
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本日私、実家に行ってまいりました。 「月下美人がもうすぐ咲くんだよ!見においで!」と父がはしゃいだメールを携帯に寄こしてくれたからです。 メールには美しく少々毒々しい月下美人の画像も添付されていました。 もう2つ咲いたそうです。「眠いのガマンして待ってるんだよ!」とも書いてありました。 父はワタシに性格が似ているので、きっと執念深く月下美人が咲くのを今か今かと見張っているんだと思います。 そして母曰く「花が終わるとあっという間に飽きて面倒をみなくなるんだよね(ため息)」というところまでワタシにそっくりです。
さて。 母の手料理をたらふく食べたあと、親子3人でいろいろとおしゃべりをいたしまして。 親としてはこの時間が楽しいようですので、ワタシもがんばって話します。 そして本日、ワタシには親に対してミッションがあったのでした。
河童。 河童の話を聞かねば。
某所で「テキスト散弾銃」(※飽きちゃってお休み中です)の美人管理人・にゅくさんが「まだまだ日本には隠された河童話はあるはずだ!」と、ワタシの心が躍るようなことをおっしゃいまして。 で、「お盆で老人に会う機会がある人は是非河童の話を仕入れてきてほしい」と。
なんて有意義な話でしょう。 ワタシはにゅくさんほど造詣は深くないんですが、民俗・土着系の怪しい話が大好きなんですよ! ついでに言えば都市伝説も好きですが、河童やら狐憑きやら民俗系の伝説に比べたらまだまだ。 しかしどちらも、その現象自体よりも、それらの話や存在を生み出す人間の心理や環境・背景という点に非常に興味があるのです。
さらににゅくさんの話でワタシをワクワクさせたのは、彼女のおばあさまのお話です。 おばあさまは「河童を見た。河童はいる」と当然のことのように言い切られており、 それがどんな河童かというと「10cmくらいで、田んぼにいっぱいいる」ものらしいのです。
10cmの河童。それは河童なんだろうか。 おばあさまによれば、カエルや亀と見間違えたわけではなく、あれは河童だったと。田んぼにいっぱいいたと。
また違う人によると50cmくらいとか。そんな話も出てきたりして。
ワタシの地元の河童伝説はないものか。 あったとしたらそれはどんな大きさのどんな河童なのか。 ぜひぜひ知りたいものですよ!
というわけで。 ワタシの両親は、河童世代(なにそれ)よりはちょっと若くて物足りなかったのですが、もしかしてということもあるではありませんか。 特に父は、山の出身です。小さな川も家のすぐ横を流れておりました。 そんなナイスな環境に河童がいなくてどうする! 河童!出てこい! きゅうりやるぞ!
さてそんなわけで、話の合間を縫ってワタシは両親に尋ねました。
「ねえ。まじめな話なんだけど。 河童って見たことある?」
この子大丈夫? と心配されるかなと心配したんですが、両親にしてみたらワタシが河童の存在を問いただすのはさして変わったことではなかったらしく、リラックスしつつマジメに「そうだねえ」なんて考え始めてくれました。
母「ないねー。だって架空の生き物でしょ?河童って」
母は田舎町の中の都会の出身なんです。しかも現実主義者。 よかった。母が「あるよ!てか、おまえ、ないの?」なんて言い出したらオツムの調子を疑わなければならないところでした。
そして父「見たことあるよ。いっぱいいたよー」
やった!さすがは田舎者!山の人!おとうさんえらい!
じょ「ホント!? えー、それってどんな感じのものなのー?」 父「大きさはこれくらい。10cmくらいかなー。大きいのは20cmくらい」
え! 10cm! にゅくさんのおばあさまの証言と一致してしまいましたよ! さらに追求。
じょ「どこにいたの?」 父「川。川にいっぱいいた」
川と田んぼの違いはありますが、10cm大の河童がいっぱいいたという、驚愕の共通点が!
みなさん! 河童って、ホントは10cmで、しかも一カ所に大量にいるものなんですよ!
興奮しつつ、「で、どんな形状なの?」とさらに追求するワタシ。
父「だから、河童の形だよ」 河童の形ってアナタ。 じょ「だからどんな形よ」 父「カマキリに似てるかな?」
どこが河童だよ!ヽ(`Д´)ノ
じょ「かまきりい〜?」 父「カマキリに似てるってだけでカマキリじゃないよ? それにほら、河童とカマキリって似てるだろ?」
似てないよおとうさん。
じょ「似てましたっけ」 ガッカリして敬語になりました。 父「その河童はさ、胴体も手足も長くてさー。顔が三角で、くちばしがあるような感じで」 じょ「むむ・・。確かにそう言われるとカマキリに似ているけど、・・・じゃあお皿は?」 父「お皿はなかったなー。でもほら、頭が三角でてっぺんが平らだから、あれが皿として語り継がれたんじゃないかな」
無理がないかなおとうさん。
じょ「えー。じゃあ、しょせん虫だったわけですか?」 父「でもちゃんと平泳ぎで泳ぐしさー。 みんなあれが出ると河童だって騒いでいたよ」
それ、その近在でのその虫のニックネームってやつなのでは。
ここで母が辞書を開いて 「河童。 想像上の生き物。 ほら。想像だって」と水を差しました。河童なだけに、皿にでも差したんでしょうか、水。
父「いや。でもあれは河童だったんだよナー」 じょ「何色?」 父「茶色」
むむ。 にゅくさんのおばあさまの見た河童は緑色でしたよ! てか、茶色の河童って聞いたことないし!
じょ「ねえお父さん。それはタガメではないでしょうか」
タガメ
カエル食ってます。ぎゃあ。
父「タガメってのはゴキブリみたいなヤツだろ?違うよ違う。ちゃんと河童の形してたんだから」
だからその河童の形が虫っぽいんじゃん!
さらに父によると、「流れが速くて水が濁っているようなところよりも、きれいな水がたまっているようなところに多く出た」と。
アメンボ?(°▽°)
もういいや。ここから先は自分で調べようっと。
さらに父「そういえばおとうさん、河童のミイラ見たことあるよ」と。 じょ「何それ!どっかに安置されてる、あの有名なヤツ?!」 父「それと同じかどうかはわからないけど・・・でも河童のミイラだ、って見せられたよ。どこかの寺で」 じょ「河童だった?」 父「うーーん・・・河童と言えば河童だけど」 河童じゃないと言えば河童じゃないんでしょうか。 じょ「大きさは?」 父「小さかった。すごく小さかった。30cmくらいかな?」
すごく小さいとか言って、自分の見た河童の3倍あるじゃないですかおとうさん。
じょ「へー。すごいねー。河童のミイラも見たんだー」 父「でもさ、なんだか怖かったんだよナー。・・・なんていうか・・・・生き物だったんだよ」
生き物。 すごく大雑把なくくりですが。
じょ「(笑)生き物って?」 父「うまく言えないんだけど、うわ、生き物だ、って思って怖かったんだよ」 じょ「生々しかったってこと?」 父「死んでない気がしたっていうかさ」 じょ「・・・ミイラになってなお、エネルギーを放っていた?」 父「うん・・・そんな感じかなぁ? うまく言えないんだけどさ」
沈黙。
父「あのときは河童って言って見せられたから河童として見たけどさ」 じょ「うん」 父「今になって思うと、あれ、生まれたばかりの赤ちゃんだったんじゃないかな」 じょ「・・・・あるかもね」 父「相手が人間だったから、潜在的に何か感じて怖かったのかもナー」
ここからは家に帰ってからきょんと話したんですが。 産んだものの、奇形だったから捨てちゃった、ということは、昔だったらありそうだよねーと。 昔は双子ってだけで忌み嫌われたらしいではないですか。 今となっては誰もが一度は憧れる双子だというのに。(ワタシだけかしら)
そんな話をして、もしかして河童とかも、奇形で生まれてきて、捨てられたけど育ってしまった人間なのかもしれないねー、なんて話しておりました。 川辺は食べ物も豊富ですし水もあります。 行き場のない者が住むには都合が良さそうです。 そんなことを考えると、なんだか河童、かわいそうで抱きしめてあげたくなりますが。 そしてそんな同情が徒になり、きっとしりこだまを抜かれてしまうじょりぃ。
ところで、父の見た河童(というニックネームの虫)が気になって気になって気になってしかたなくなってしまったワタシは、家に帰るとすぐにネット検索の嵐。 だが、なかなか「これ」と思うものにヒットしません。 父の言う形状として似ていたのはミズカマキリですが、いかんせん小さすぎます。3cmくらいですからね。
ミズカマキリ
しかし河童には見えないなこりゃ。
ネットに業を煮やしたワタシは、夜中までやっている大きい本屋にきょんをつきあわせ(ていうか心配して勝手についてきたんですが)、本屋さんで水辺の昆虫について調べまくるも、ネット以上の収穫は得られませんでした。 父の話に該当するニックネーム河童虫がいないのです。
ということはもしかして。父の見たものは。
ホントに河童だったのかしら。(°▽°)ナイナイ
体長10cm、色は緑か茶色、一カ所に大量に生息。 これがこれからの河童のスタンダードなのかもですよ!(°▽°)ダカラナイッテバ
とまあそんなわけで、存軽では「あなたのまわりの河童情報」を無期限でお待ちしております。 田舎に帰省なさるかた、あるいは人に自慢できるほどの田舎に住んでいるかた、 さらに一歩進めて河童と住んでいる方などいらっしゃいましたら、情報をいただけるとうれしいです。 どんな小さなことでも。河童ネタを。 「こんなアホな話じゃ恥ずかしい」なんてもじもじしたりせずに、ぜひ。 上記の文章を読んだあとならそんなことも思わないでしょうケド。
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